3月29日(日) 三女・凛 「動物園」
凛よ。
今日はおつかれさま。
娘を八人もつれて動物園に行くなんて、大変だったんじゃない?
ちょうど、こんでいる時期だったし。
毎日仕事でつかれているでしょうに、休日までわざわざつかれに行くなんて。
あんたって本当に物好きね。
優結はママに手を引かれながら、より道しようとするし。
少し目をはなしていたら、今度はあんたにかた車されているし。
愛は、パンダやゾウに大はしゃぎ。
すぐにどこかに走っていこうとする愛を、翔子姉さんが手をつないで面どうを見ているかと思えば――
翔子姉さんもあんたの手をつかんで、結局みんなで愛にふり回されていたり。
華弥はヤギにえさやりをするとき――
自分のかみを食べられそうになって、泣きかけていたわ。
その後しばらく、私が手をつないでいたのよ。
次のレッサーパンダの所へ行くころには、もう笑顔になっていたけれど♪
理沙姉さんは、最初はチビたちの面どうを見ないと、ってはりきっていたわ。
でも、優結はママとあんたにベッタリだし、愛は翔子姉さんと遊んでいるから――
とちゅうであきらめたみたい。
理沙姉さんが“カピバラ可愛い♡”って、はしゃいでいたのが意外だったわ……。
ちょっと変わった動物が好きなのかしら?
美貴は、ファッションに取り入れられそうな動物はいないかって、さがしていたわね。
ライオン耳のぼうしがほしいとか言っていたけれど――
それってネコ耳と、どうちがうのかしら?
巴は、し育員の人に、動物の生たいなんかを色々聞いていたわ。
「親子でケッコンする……動物はいますか……?」
って……。
し育員の人がこまっていたから、私が引っぱっていったわ。
そういう感じで、みんなそれぞれに色々あったようよ。
私は――
ペンギンが一番、よかったと思うわ。
ま、みんな喜んでいたから、よかったのかもしれないけれど。
どんなに喜んだとしても、それであんたがたおれたりしたら、全部台無しなのよ?
別に私は、あんたのことなんて全然心配していないけれど。
ウチには、すぐ大さわぎするような子も多いし、そこは気を付けてもらわないとこまるわ。
――つまり言いたいのは、明日も仕事なのに、こんな時間に何してるの?
ってこと。
荷物も多かったし、つかれきっているでしょうに――
こんな日記を見ている場合じゃないでしょ。
私も少し長く書いてしまったけれど――
別にあんたに読んでほしいってわけじゃないんだから。
せっかく遠出したから、どんなことがあったか、記録していたほうがいいと思っただけよ……。
ただでさえ、毎日世話をしているのに、日記でまで娘の相手をすることなんてないわよ?
特に、私の日記ではね。
そんな時間があるなら、とっとと、ねればいいのに。
まったく、本当に――
ヒマなのかしら?
バカなのかしら?
でも、そういえば。
あんたとママは、華弥たち園児組といっしょに、ねているのだったわね。
どうせ部屋でも、それほどゆっくり休めないのかしら。
だったら。
どうしてもって言うなら――
少しくらい、私の部屋をかしてもいいわよ。