表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/1

「それじゃあ、行ってきます」


ロゼリット・クラウベルはもはや誰も住むことのない家の玄関に立っていた。

今日、彼、“ロゼ”は此処を出る。

そしてもう二度と戻ることはないだろう。

此処にはもう彼を待つ人はいない。

優しかった母親も、憧れだった父親も、よく喧嘩した弟や、泣くばかりで世話が焼けた妹も。

もう、誰もいないのだ。

誰も彼が女の子みたいだからと嫌がった名前、“ロゼ”とは呼んではくれない。

少なくとも今は。


何故なら彼は、誰も守れなかったのだから。


「行ってきます」


再度呟き、彼は家を後にした。

扉が閉まる。

もう、この扉が開かれることはない。

永久に。



−−あの日、世界は蹂躙された。


多くのこの世界の住人は、一般市民はもとより名のある騎士や、魔術師もいとも容易くその胸に宿る唯一無二の灯火を消し去られた。


唐突にこの世界に降り立った異世界人達によって。


未知の兵器と信じられないぐらい強大な力を使う彼らにこの世界の住人が対抗する術などなく、この世界の住人はやがて或る禁忌に頼るようになる。


これは復讐に取り憑かれた少年の悲劇と愛という名の狂気に取り憑かれた異世界人の少女の喜劇の物語である。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ