異能~謎の男~
これが初めての投稿です。
完全オリジナル(?)な為正直少し恥ずかしいw
書いたのも初めてですし、感想や指摘などをくださると大変助かります。
『異能』
丹羽阿蘇武、鍵浪高校2年1組、出席番号30番の茶髪男子生徒
俺が知るところの可愛い系男子。
クラスでの全体評価はあれとしても、外見だけでの評判なら、決して悪いほうではない
むしろ、高評価である丹羽だが。この丹羽という生徒を、好意的に見る者は俺の知るかぎりでは誰一人いない。でも、まぁ、それは別にたいした問題ではないのだと思う。いくら外見がよかったところで、他のものが全て劣っていれば、悪ければ、嫌われもする。だから実際、あいつは好意的に見られないのだ。俺はあいつと話したことがないから、嫌われている理由が、本当に性格のせいなのかどうかはわからないのだが、ていうか、俺も俺で、丹羽と同じように人気がないので、はっきりとした理由を人に聞くということができないのだけれど・・・、ん?いや、俺が言いたいのはこういうことではなかったか、ある意味、これも問題のうちに入るのだが、今話したいのは他の事だった。もしかしてもしかすると、俺が問題と思っているだけで、他の奴らは気にしていないのかもしれないけれど、丹羽阿蘇武には友達と言える人物が一人もいないような気がする。いつも気さくで、人当たりが良くて、良く笑って、そんなイメージがあると言うのに、何故そんな風に見えてしまうのかは、もちろん知るわけがないが、知るわけがないからこそ気になる。俺はそのことに関しては、一年のころから気にかけていたけれど、一緒のクラスになってみて、ますます疑問が増えた。あいつにはいったい何故、友達がいないのだろう。
朝、教室に行ってみると、いつものように丹羽が自分の席で本を読んでいた、俺もかなり登校は早いほうなんだが、丹羽はいつも俺より先に来ている。
教室を見わたしてみても、丹羽以外誰もいなかった、つまり、俺と丹羽、教室には俺ら二人しかいないわけで、というか、俺らの登校時間の早さは学校全体で見ても、先生を入れなければ結構だしな、他に生徒がいるわけがない。
「・・・・・・」
そういえば、丹羽はなんでこんなに早く登校しているんだろうか?俺はただ単に、『登校中にクラスの人と、できれば、学校関係者にあいたくない』という理由で、この時間に登校してきているんだが、あいつはどうなんだろう?同じ理由か?たしかに俺と同じで友達はいなそうだが、どちらかと言うと話しかければそれ相応に、気さくに明るく対応してくれ
るし。
そんな事を想いながら丹羽を見つめていても、丹羽は全く俺に気がつかない、本を読むこ
とに、集中しているようだ。
「ねえ、君」
・・・、あ、そうでもなかった。
「ねえ、きー・・・ん?あ、菊ちゃん」
「なに?」
「菊ちゃんで、いいよね?」
「ん、まぁ。そうだけど。」
「なんでそんなところで勉強してんの?」
「特に、理由はないけど」
「そうなんだ、」
「あぁ。お前は?」
「僕もなんとなく、かな」
「そうなのか」
「うん」
「・・・・」
「・・・・」
しまった。いつもの癖でそっけ
なくなってしまった、まさか、丹羽が話しかけてくるとは。
バンッ
「え?」
その時、黒髪の男子生徒が教室に入ってきた、いや、それはいいんだ、そんなことはどうでもいい、そんなことより。
何でこいつ、両手にナイフもってんだよ。
今にも襲いかりそうな、その生徒の厳しい、憎しみの剣幕は、丹羽に向いている、だが、そんなことは気にしていないのか、丹羽はその男子生徒に話しかけた。
「あれ?あれれ?瑠威ちゃんじゃない、どしたの?ここは1年の教室だぜ?」
「・・・ちっ、貴様、あいつにあんなことをしておいて、よくもまぁ」
「あんなこと?あんなことと言うと、僕が美紀ちゃんにケガをさせてしまった事かな?も
しそうなら、僕はしっかり、礼儀正しく謝ったと思うけど」
「貴様があいつに謝ったからなんだって言うんだ、本当は悪いだなんて一ミリも思ってもいないだろう」
「ちょっと、瑠威ちゃん、それはいくらなんでも失礼だよ。僕だって人間だ、女の子にケ
ガをさせてしまって、悪く思わないわけがないだろう、僕がそんな奴に見えるかい?」
「見えるね」
「はっ。だろうね。」
君にはそう見えるかもしれないね、とそう言ってにっこりと笑って見せた。
「で、僕になにか用があるみたいだけれど、何?」
「貴様を殺しに来た」
「え」
「へ?」
「・・・・あ」
やばい、あまりの驚きに声をあげてしまった、なんだよ殺すとか、何考えてんだよ、
とりあえず無視だ、それが一番いい。
俺は視界を窓の外に移し、瑠威と丹羽を視界から外した、が、それには意味がなかったら
しく、瑠威が「何なんだ、あいつは」と舌打ち交じりに言ったのが聞こえた。
「ん?大丈夫だよ、あの子はここのクラスの子だし、『殺す』なんて言葉を使ったら、誰だ
って驚くさ」
「かっ、まあいい、とにかく俺は貴様を殺しに来たんだ、苦しんで死ね」
そう言った瞬間、瑠威は丹羽の頭めがけてナイフを飛ばした、みごとナイフは、丹羽の額に命中、当然のごとく、丹羽の額からは血が流れでた、だが、有り得ない事に、丹羽は反撃として机の上に置かれていた本を瑠威に投げつけた、かなりの分厚さだったその本は、またもや見事、瑠威の腹にあたり、瑠威は腹を押さえる、そのすきに、丹羽は俺の方へと体を走らせた、頭にナイフが刺さったまま。
・・・・・・いや、それが出来るなら、頭のナイフも抜けるんじゃないのか?
「おいおい、何だよ、痛いじゃないか、」