軽音楽室
ふいに 一本の弦が弾けた
小さな痛み
端の先から 滴り落ちる
未定の不安
低音の キミは少し慌てて
暗転する正解
傷をそっと 押さえる
衝動と抑制
部屋の音が少し 軋む
僕の心から
優しい"だけ"の時間
気付いている 気付かせられている
それでも まだ、まだ
期待せずにはいられなくて
リズムを取るフリをしては 不埒を振り落とす
カーテンを省いた小部屋
二つの制服と 九つの弦
スカートは小さめに
ネクタイは大げさに
ゆれる
同じ紙束を向いて 鳴らす
方向の沿わない髪束が 踊る
喉に絡み 出掛かった言葉
転んだように笑って はぐらかし
換わりの台詞を 差し込むことさえせずに
軋む音 音
せめて 解けないよう
耳に触れるよう
ひたすら単調に 激しく
僕は音を鳴らす