その15
大変お待たせしました。更新再開します。今後もよろしくお願いします。
「アリスお姉さま~!!」
いつものように王宮裏の庭で寛いでいたアリスに、突然、満面の笑みを浮かべながら美少女が突進してきた。
「ぐっ・・・。れ、レティ。」
「お久しぶりです!お姉さま!!ずっとお会いしたかったです!!お姉さまが、空国にいらっしゃているとお聞きして飛んでまいりましたわ!!」
アリスを力強く抱きしめたまま美少女は、思いの丈を熱く語り始めた。
「ひ、久しぶりね、レティ。私も会えてうれしいわ。できればもう少し力を緩めてくれると助かるのだけ・・・っ!!」
アリスは、やんわりと抱きしめている力を緩めてくれるように頼んでいる途中に浮遊感に襲われて息をのむ。
黒い服の男に背後から抱きあげられ、圧死しそうなほど強く抱きしめられていた腕から助けられた。
「ああ~!!ずるいわ、お兄様!!せっかくアリスお姉さまと再会を喜びあっていたのに邪魔をするなんて!!」
「大丈夫か?」
黒い服の男、レオナルドは、激しく抗議するレティシアを無視して突然抱きあげられて混乱しているアリスに声をかける。
「ぇ・・・・ええ!!大丈夫です!ありがとうございます、殿下。」
「そうか。」
慌てて返事をするアリスを見てレオナルドは表情を緩める。
「無視するなんてひどいわ、お兄様!!アリスお姉さまを早く返して!!」
「返す?これはお前のものじゃない。」
「えっ?」
「まあ!!独り占めはずるいですわ。久しぶりにお会いする時くらい私が独占してもよいでしょう!!」
「だめだ。」
「はっ?」
「そんなに心が狭いとアリスお姉さまに呆れられますわよ。」
「・・・・だめだ。」
「・・・・。」
「・・・・。」
「あの~」
無言の睨み合いをする兄妹に声をかける。
「なんだ?」
「はい、お姉さま。」
同時に返答があり、いまいち状況を把握できずに戸惑いながらもアリスは、正当な要求を口にする。
「とりあえず、降ろしてください。」
妹登場です。レオナルドの態度が露骨に変わっている気がしますが、あんまり進展ありません。(たぶん。)次回更新辺りで解説するかも。