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有給休暇  作者: 水原 唯
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レオナルド視点~遠乗りその1~

前回から更新が少し空いてしまいました。予告通りレオナルド視点です。長くなったので分けました。その2もほぼ出来ているので近々投稿します。お気に入り登録・総合評価ポイントすごく増えていてびっくりしました。ありがとうございます。引き続きよろしくお願いします。

約束の時間になり、馬舎を訪れたレオナルドを蓮国の姫が乗馬服で待っていた。

ダール公爵家令嬢と同じようにドレス姿で来ると思っていたから驚いた。・・・顔は無表情を保ったままだったが。


「本日は、お忙しい中我儘を聞いていただきありがとうございました。」


乗馬服に身を包んだ姫が、レオナルドに向かって一礼した。


「陛下からのご命令だ。あなたが気にすることではない。」


媚び入るわけでもなく礼儀を弁えてお礼を言う姿に、どうやらダール公爵令嬢より数段まともらしいなと評価を下した。


しかも馬には一人で乗る気らしい。

空国では、乗馬ができる女性は少ないが、三階層では違ったのかもしれない。いや、義母上は乗れなかったはずと三階層の事について考えていたら返事をするのが遅くなってしまった。

蓮国の姫が伺うようにこちらを見ていた。

どの馬に乗っていいかと聞いてきていたので乗れるならば好きな馬を選んでいいと伝え、馬舎担当のロイに手配を任せた。


・・・馬に乗れると言うのは本当のようだな。


楽しげに馬達を見る蓮国の姫の様子を見て、前回よりは楽な遠乗りになりそうだ喜びつつ、自分の愛馬に装備がつけていると馬舎担当長のロイの慌てた声が聞こえてきた。


視線を向けると黒毛の馬を撫でる蓮国の姫を驚愕の目で見つめていた。


「この子はダメなの?どなたかの専属の馬なのかしら?」


「い、いえ!専属ではありません。ですが、気性が荒い為、あまりお勧めは致しません。」


「そうなの?とても良い子よ。専属でないならば気に入ったからこの子にするわ。」


ロイが視線で黒耀に乗せてもいいか問いかけてきた。


「・・・問題ないようだ。そいつでいいだろう。」


黒耀の様子を見ると主人に対するように従順と姫に寄り添っていたので許可を出す。


・・・あの気位が高く気性の荒い黒耀が懐くとは蓮国の姫は見た目通りの深窓の令嬢というわけではないようだな。脚色されていると思っていた昔聞いた噂のほうが真実に近いのかもしれない。


_______________________


颯爽と馬を操る蓮国の姫の横を並走する。

ロイが心配そうに見送りをしていたが、姫は黒耀を見事に乗りこなしている。

まさか自分のペースと同じくらいで駆けるとは思わなかったが、久しぶりに思いっきり駆けることができここ最近のイラつきが治まっていく。


しばらく馬を走らせたところで木陰が見えた。姫がちらりと視線をこちらに寄こした。意図に気づき休憩の声をかける。


「いやぁ、姫様は乗馬がお得意なのですね。あの黒耀を懐かせた事といい、見事な腕前でした。」

護衛としてついてきたランディが姫に声をかける。


あれは本気で称賛しているな。確かに大した腕前だった。騎士団でも上位の腕前だろう。


姫をなんとなく見ていたレオナルドに騎士が声をかけてきた。


「ああ。ご苦労。 姫、このようなところで申し訳ないが、こちらにお座り下さい。」


これまでの行動で予想していたが、地面に直接ひいた敷物の上に抵抗なく座り礼を言われた。


姫はおしゃべりが得意ではないようで特に何も話さない。王太子妃になりたいと媚びを売られたり、くだらない話をされるよりは何も話さないほうがマシだが。


自分から姫に話かける気もないので、ただお茶を飲むだけの沈黙の時間の続いた。



「そういえば、殿下。フィルライト様とレティシア様は、ご健勝でしょうか?3年前にお会いしたきり手紙でしかやり取りがなく今回、空国に参りましたのでお会いできると楽しみにしていたのですが、学院に入られたとの事で王宮にいらっしゃらなく残念に思っておりました。」


「っ!? 弟達と親交があったのですか?」


沈黙が続いたので、お茶を飲み終えた辺りで切り上げて早く帰れるかなどと失礼なことを考えていたところに姫から思いがけないことを言われて驚いた。



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