その11
お気に入り登録ありがとうございます。これからやっとレオナルドとアリスの二人で話が進む予定ですので引き続きよろしくお願いします。
やっぱり行かなくちゃダメよねぇ。
アリスは、時計を見上げて思わずため息をついた。
レオナルド王子との遠乗りの約束の時間が迫っていたのだ。
国王の提案により妃候補とレオナルド王子との交流がはじまったのだが、元々、王太子妃になどなる気がないアリスにとっては迷惑でしかない。
一応抵抗してみたのだが、リィル叔母様に一喝されてしまった。王子と何をしたいかと希望を聞かれたのだが、関わりたくないというのが本音であった。
お茶会や食事会は二人で何を話せばいいか分からないので沈黙が続くことが予想された。怜悧な顔立ちのレオナルドと二人で無言の食事など絶対にごめんだ。だったらまだ会話しなくていい遠乗りのほうがマシだと判断し希望をだした。
王子と一緒っていうのは嫌だけど、護衛もいるだろうし。なにより外に出れるしね~。
研究もできないのに部屋に籠りきりで退屈をしていた。
城をうろついて他の候補者と遭遇しても面倒なので基本的に部屋でおとなしく本を読んだりして過ごしていたのだ。北の庭にはあれ以来行っていない。
よし。行きますか。
「そろそろ約束の時間なので、着替えます。」
「お手伝い致します。姫様。」
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「本日は、お忙しい中我儘を聞いていただきありがとうございました。」
乗馬服に身を包んだアリスが、レオナルドに向かって一礼する。
「・・・陛下からのご命令だ。あなたが気にすることではない。」
「お気づかいいただき、ありがとうございます。私はどの子に乗らせていただけるのでしょうか?」
アリスは、嫌みに気づかぬふりをしながら微笑み、レオナルド王子に問いかける。