その9
「レオナルド。話があるからこの後私の部屋に来なさい。」
朝の会議の後、陛下の執務室に呼び出された。
どうせ妃候補として集めた姫達との進展を聞く為に違いないが、人前で陛下に呼び出されては、無視するわけにはいかない。
「レオナルドです。失礼致します。」
「ああ。急に呼び出してすまんな。最近、東の森の魔物の動きが活発化していると報告があったが、実際どの程度のものなのだ?」
「報告書に記載した通り前年度の2倍近くの魔物が目撃されており、王都近くでの目撃情報もありました。今のところは、派遣している討伐部隊で対応できているようですが、増援が必要となるかもしれません。」
「・・・そうか。しばらくは注意深く様子を見るように。で?どうだ?気になる姫はいたか?レオナルド。」
・・・・・やはりその件か。
「魔物の件につきましては、騎士団に通知しておきます。」
「姫達はどうだ?招待をすべて断っているそうじゃないか。」
「・・・」
「はぁ。情けない。よし!明日より順番に姫君たちと会うように。どこで会い、何をするかは姫達の希望を聞いておくからその通りにするように!!」
「なっ!!そんな暇はありません!!」
「時間は作るものだ。これは国王命令だからな!!拒否は許さん!!」
「・・・っ、かしこまりました。」