第一五話 日常 修学旅行は、デートではありません
投稿です。
行き先は球磨本駅前。
間違いなし、と。
「取敢えず乗ろう」
「は、は、はい。えっと右足からですか?」
いや、だからそれは忘れようよ?
「まずは整理券を取るように!」
「?」
ゆっくりと、止まるバス。
実はここで気になっていたことがある。
白鳥さんの遙か後方、何者かが二人、こっちをしきりに見ているのだ。
不審者?ストーカー?
一人は男、身長180はあるな、もう一人は女だ、こっちは150?
うん、確かにこっちを見ている。
俺はトリという名に恥じず、目がいい。
昼間でも見ようと思えば星が見える。
ホントだぜ。
あ、またこっちを見ている!なんだこいつら?
仲間にでもなりたいのか?
男女二人、日の出前にサングラス。
俺の知人ではない。
女の方は、何か抱っこしている?
犬かな?結構デカイ!
おそらくあの男女、あれは……。
「……気づきました?……父と母です……ごめんなさい」
コケェ?
し、心配で見に来た?
まさか花の都まで付いてくるとか!?
「……いや、謝ることはナイと思うけど……もしかして白鳥さん、一人っ子?」
「……はい」
まぁ俺もある意味一人っ子か?
いや、こんな考え、母さんに失礼だ!
消してしまおう、こんな考え。
ああ、両親か、羨ましい、俺は本気で嫉妬した。
愛されているんだなぁ、白鳥さん。
プシューと開くバスのドア。
あ、このバス、ノンステップバスじゃない!
俺は先に乗り込み、手を伸ばす。
その手を掴む白鳥さん。
「いや、スーツケース」
「ひゃああああ、ごごごごめんなさいっ!」
コケェー!こっちこそごめんなさいだよっ!
次回は 第一六話 日常 異変 です。
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