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◇◇◇


「そのドレスは、裾のフリルが気に入らないから別のものを用意して」

「バースデーケーキは段数をもっと多くしてって言ったじゃない!何度言ったらわかるの?」

「テーブルの上の花が貧相だから、もっと花を増やして華やかにしてちょうだい」


エリーゼの盛大な誕生日パーティーが開かれる王城では、召使いたちがその準備に追われ、慌ただしい日々を送っていた。


一度はこれと決まったものでも数日経てば、「やっぱり気に入らない」と変更するよう命令されることも多々ある。エリーゼがそんな調子なものだから、召使いたちは休みなく、連日連夜働かされていた。


「リリス様の誕生日パーティは、できるだけ簡素におっしゃるものだから周りが『もっと豪華にしましょうよ』と言ったくらいだったが、エリーゼ様は金を使い放題だな」

「今回のパーティは隣国の皇太子や、国の有力貴族たちを大勢招いているらしいからね。婚約者候補をお探しになるという話だそうよ」

「そりゃ気合いが入るのも無理ないわね」


召使いたちは、わずかな休憩の合間にそんな会話をしながらため息をついていた。彼らが話す通り、今回の誕生日パーティはエリーゼの婚約者候補探しも兼ねていることもあって、これまでのパーティとは気合いの入りようが段違いなのだ。


「はあ……リリス様がいらっしゃった頃が懐かしいな。あの方は、俺らみたいな召使いにも優しいお方だった」

「今回のパーティで、少しだけでもお会いできたらいいわね」


と、そのとき。後ろの方から「何度言ったらわかるの⁈」と、甲高い声が聞こえてきた。召使いたちが声の方へと視線を向けると、一人の侍女が叱責されているところだった。


「申し訳ございません、エリーゼ様……っ!」

「ほんっと物覚えが悪いわね。お姉様は、こんな使えない侍女を側に置いていたの?」


土下座をして謝罪する侍女を侮蔑したエリーゼは、「もう一回飾り付けをやり直して」と言い放つと、ふんと鼻を鳴らしてその場を立ち去った。そんな傲慢な姫君の背中を、周りの者は皆、堪えるように見つめていた。

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