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◇◇◇


長年にかけて研究を重ねた特殊武器を片手に挑んだ、大魔獣ガルガドスとの最後の戦い。


『団長!すみません、一歩及ばず奴を足止めすることができませんでした!』

『負傷者多数で、動けるものが何名いるかも分からない状況です!』


満を持して挑んだ戦いだったが、戦況は絶望的。事前に組んでいた陣形もすでに意味をなしておらず、血飛沫をあげて地面に打ちつけられる仲間たちを、もう何人見たか分からない。おまけに雨まで降ってきて、視界もかなり悪かった。


だが、ここで食い止めなければこの強敵が街へと向かってしまう。そうなれば被害が甚大となることは必至だった。退避などできず、残された選択肢は戦うのみ。『どうしますか、団長!』と指示を仰ぐ部下に、ダリウスは『構うな、行け!俺がなんとかする!』と返した。


馬の速度をあげて敵に近づくと、ダリウスは馬から離れてガルガドスの背に飛び乗った。そこに剣を立て、振り落とされないように必死に掴まる。だが、相手はそれに気付いたのか、体を大きく揺らしてダリウスを振り解こうとしていた。


『団長!』


並走していた部下たちが声をあげる。舌打ちをして体勢を立て直すも、耳をつんざく叫声に頭がおかしくなりそうだった。


『クソッ!』


硬く突き刺さった剣を体をぐるりと回転させながら引き抜いて、ダリウスは馬に戻ろうとした。だが、次の瞬間──。


『うわぁぁぁ!!!』

『ぎゃぁぁぁぁぁ!!!』


森の向こう、四方八方から魔獣が出現してきて周りの仲間たちに次々と襲いかかる。何もかもがスローモーションのようにゆっくりと見え、周りの音が聞こえなくなった。


舞い散る鮮血。弾き飛ばされた武器。苦痛に歪む顔。


(ああ……)


ここは、地獄だと思った。


今まで何度も魔獣との戦いで仲間を失ってきたが、今回はその比じゃない。どうやったって勝てないのか。もうこれ以上はダメかと、弱気になるダリウスだったが、ふと過ぎる戦死した仲間たちの言葉。


『もし俺が死んだときは……お前が次の団長になってくれ』


そう言い残して、戦いに敗れた戦友。


『何がなんでも……っ、私たちの代でこの戦いを終わらせよう!』


涙を流しながら固く誓い、死地に飛び込んでいった同僚。


『どこまでも、あなたについていきます!』


入団したての頃から面倒を見ていた部下。


次々に思い浮かぶ彼らの言葉が、諦めそうになるダリウスを立ち上がらせた。

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