もう利用されるのはゴメンです
愛とは一体どういうものだろうか。
リズベット・ヴェイユにはわからない。
リズベットの一番はじめの記憶。あれは朗らかな春の日のことだった。温かく穏やかな日に似つかわしくない侍女の悲鳴をよく覚えている。音の元に駆けつけると突然乱暴に肩を掴まれた。
お母様だった。ひどく取り乱した彼女の姿は今も鮮明に脳に焼き付いている。喧しいほどに真っ赤な唇がよく動いていた。あのときはなんと叫んでいたのだろう。もう忘れてしまった。
その激しい感情は現在も風化されることなく公爵夫人という肩書きの下に隠されている。そうヴェイユ公爵がもう死んだ愛人に産ませた娘を引き取り、連れてきたあの瞬間から。母をなくしたばかりの娘エリス。
公爵夫妻は政略結婚で結ばれた関係らしかった。公爵には以前からの平民の恋人がいたが、その当時公爵家は天災のために財政難に陥っていた。そこでお母様は事業で莫大な利益を得ていた実家のルロワ侯爵家の力を使って妻の座に収まった。彼女は男に恋をしていたからだ。
だから憎んだ。全てを、元凶の公爵を、愛人の娘エリスを、そして裏切った公爵の血を継ぐ実子リズベットをも。
貴族が愛人を持つことはよくある話だ。お姫様のようにして育てられたお母様はある意味純粋で世間を知らなかった。ただ気位の高い彼女はその存在がいたことが許せなかったのだ。そんなお母様を擾わしく思った公爵は愛人の忘れ形見の娘だけを愛し、リズベット達を冷遇した。
その時点で彼女の小苺のように可愛らしかった恋は摘み取られぐちゃぐちゃに潰れてしまったのだ。
周りの目があるため多少取り繕えているが、心の奥底ではグツグツと煮詰められた怒りがジャムのように瓶に詰められている。
今も彼女の薄暗い瞳からいつかの激情の片鱗を感じて寒気がする。
その目にはもうリズベットへの愛は宿っていなかった。リズベットは愛人の娘に対抗するためのただ道具だった。そうすることで自身が愛人にまさる存在であることを証明するかのように。
それから毎日あの女に負けることは許さないとでも暗に物語るような厳しい教育を受けた。鞭で打たれるのは日常茶飯事。習ったことが完璧になるまで彼女はその手を緩めなかった。娘が皇妃いずれは皇后となれるように。
「お前を愛しているの。だから全てお前のために必要なことなの。」
繰り返し繰り返しそう説き続ける哀れなお母様。そして苦痛と引き換えに気まぐれな愛を与える悪魔のように残酷な人。その後生まれたアルベールは溺愛しているくせに。
なぜ姉弟間でこんなにも扱いが違うのか。リズベットが公爵の容貌と似ていたからいけなかったのだろうか。パッチリした目と母譲りのふわふわした栗色の髪はとても愛らしくて漆黒の髪とつり上がった目を持つリズベットと全く似ていない。
それとも弟は生まれながらに公爵の座を継ぐことが確定しているからだろうか。
努力しなくても彼らは愛されている。エリスもアルベールも。
リズベットはどうだろうか。これは愛されているといえるのだろうか。
「ええ、わかってるわ。」
拒否したい。けれど抗うすべはなかった。頭が少しずつお母様の愛に侵食されていく。この遅延性の毒が体内をぐるぐると回って、血肉となり、この空っぽな心を満たしたならばどんなにいいだろう。
こんな感情捨ててしまいたい。
そんなことを言う勇気はなかった。たとえ形ばかりの言葉でも愛に違いはないのだ。リズベットはそれしか知らないのだから。
■
「君とは結婚できない」
レオノール皇子ははっきりと言いきった。
リズベットはひどくショックを受けたというのにピクリとも表情を崩さなかった。これは皇妃教育の賜物というべきか。もう意味のないそれをどう受け止めたら良いのだろう。
なんて皮肉な話だ。様々な感情がうずまき、ささくれだった心に染みる。胸がぎゅっと締め付けられうまく息が吸えない。
乾ききった喉に無理やり紅茶を流し込んだ。お気に入りのフレーバーだった。けれどいつもと同じ物だというのに味がしなかった。
「それでどうするつもりなのかしら」
一呼吸おいて問いかける。
皇子とのお茶会の頻度は他の候補と比べても多く、関係も良好だったはずだった。自身が選ばれるに違いないと思っていた。いや言い聞かせていたという方が正しいかも知れない。次第に何かがおかしいことは感づいていた。
「貴女の妹に正式に婚約を申し込む」
やっぱりそうだ。
リズベットとて自身が婚約候補の内の一人にすぎないということは承知していたが、この結末はあまりに惨過ぎる。
違う令嬢だったならどんなに良かっただろうに。空になったカップを持つ手が震える。
リズベットとのお茶会は同じ屋敷にいるエリスに会うただの口実だったのだろう。表立って彼が彼女に好意を示したら様々な貴族から批判が出るのはわかりきっていることだから。
そうしてリズベットとの関係を盾にしている間、エリスが皇妃として受け入れられるように根回しをしていたのだろう。つまりリズベットはエリスと結婚するための中継ぎだったのだ。
協力者は見当がついている。エリスを皇妃にしたい者など限られているのだ。
裏から糸を引いているのは間違いなくお父様、いやヴェイユ公爵だろう。
あの人はエリスの幸せのためならなんだってする男だった。
今までレオノール皇子はどんな気持ちでお茶を飲んでいたのだろうか。リズベットは彼とお茶を飲み、菓子を食べるだけの短い時間が楽しかった。
母に交流関係さえも制限され遊ぶ時間などなく、一日の多くの時間は勉学に費やされ、友人すら彼女にはいない。
だから彼を唯一のお友達と思っていた。
けれどリズベットはエリスに会うための手段に過ぎなかった。
平民の血を引く少女エリスとレオノール皇子のおとぎ話のような恋愛。
明日には、私は彼らを不憫に思って身を引いた美しい姉といった美談にでもなっているのかもしれない。
これで真相は闇の中だ。
結局利用されるだけの消耗品。リズベットの価値はその程度なのだろうか。吐き気がするこの現実を忘れてしまいたかった。
「あの子は不義の子だというのに、貴方は本当に――――」
「彼女はそんなことで測れるような人間ではない」
苛立った表情をした彼を初めて見る。皇子という立場上、表立って感情を出してはいけないからだ。しきたりを破ってでも反論してくるのは妹を愛しているのだろう。だって真面目で理性的だった彼が馬鹿な考えを持つようになるほどに。
愛がそんなに重要だろうか。
――――ほんとくだらない
「申し訳ありません。出過ぎたことを言いました。ですが平民の血を引く娘を皇妃に据えるには並大抵ではない苦労がいるはずです。臣下として申し上げます。エリスと共に茨の道を進む覚悟はありますか。その決断は一時の恋では済まされません」
「ああ、彼女のためならなんだってできる」
真っ直ぐな彼の眼差しが貫く。愛のために進むことを決めた貴方が正しいはずがない。なのにその純粋で誠実な目線はリズベットには堪えた。
「それなら私が反対する理由はないでしょう」
不敬ではあるが口だけならなんとでも言えるだろう。
後は彼らの行動次第だ。もうそれは彼女が看過すべき事柄ではなかった。
リズベットは皇妃への道から外れたと同時に、重い責任から解放されたのだ。
「悪い」
あれだけきっぱりと妹の手を取る宣言したというのに彼はきまり悪気な顔で謝罪を口にした。そこには多少リズベットを慮る色があった。
期待をもたせたことへの詫びだろうか。それともエリスからヴェイユ公爵家の実情を聞いたのか。
お母様がリズベットを皇妃にしようと躍起になっていたのは屋敷では周知の事実であったから。
もちろん姉妹間の交流はあまりなかった。公爵に守られていたエリスにお母様が手を出すことが出来なかったからだ。例外なくリズベットも。
エリスは離れに隔離されていたものの幸せそうだった。本邸は殺伐しているというのにあの空間は穏やかな空気に満たされていた。
だけど興味本位で抜け出した時に見てしまったのだ。離れの庭でテラスで公爵に笑いかける彼女の姿。そしてひどく優しい微笑みを浮かべるお父様を。彼はリズベットの知らない男であった。
昔から一身に愛情を受ける彼女が憎らしかった。彼女はリズベットから全てを奪っていった。けれどもうそれも潮時だ。もう終わったことなのだから。
「ええ、どうにもならないことに縋り付く愚かな人間にはなりたくないので」
「感謝する」
その一言で慰められるほどの寛容さも愛もないリズベットは黙ってうつむくしかなかった。ひどく自身が惨めに思えて唇をそっと噛み締めた。
そうしてヴェイユ公爵家にレオノール皇子からエリスに正式に婚約を申し込む旨が通達され、リズベットが選ばれなかったことに母は荒れた。
「どうしてあの娘が皇妃に選ばれるのよっ」
やはり彼女は変わっていない。侍女に当たり散らし、幽鬼のように恐ろしい顔をしたお母様。投げつけられた花瓶やティーセットが無惨にも砕け散っていた。破片や花びらが散らばる床を通って慌てて彼女のもとに駆け寄る。
「お母様、もうやめてください」
新たに物を掴もうとする手を無理やり引き止める。
ぐるりと血走った目がリズベットを標的に定めた。
「貴女がっ、貴女がうまくやらないから――――だからいけないのよっ――――」
視界の端に彼女の手が映る。音が止まる。刺すような痛みが頬に伝わった。頭が揺れてうまく思考が回らない。リズベットは顔に手を当てた。ジンジンと腫れたそこは熱を帯びている。そしてようやく母に叩かれたことを認識した。苛立った彼女は呆然と立ちすくむリズベットを突き飛ばす。
お母様の手はブルブルと震え、興奮状態であることは一目瞭然だった。
「あんな女狐の血を引く小娘に……、どうして……、なぜもっとうまくやれないのよっ」
「ごめんなさい。ごめんなさい――――」
母の手にすがるように謝罪を繰り返した。
再び持ち上がる彼女の手を見て目を瞑る。避ける気はなかった。相手を煽ることにもなりかねないし、痛みを堪えるのは得意だった。
「なにをしてる」
聞こえるはずのない声が聞こえた。
母の動きがピタリと止まる。振り返るとそこには公爵とそして隣に並ぶエリスがいた。
――――どうして貴女がそんな顔をしているの
エリスは悲しそうな表情だった。
状況を受け入れられないお母様の顔がひどく歪む。彼女の公爵夫人という仮面が壊れた瞬間だった。
■
そうしてヴェイユ公爵夫人の娘に対する虐待とも言えるこれまでの所業は、侍女や侍従の証言から明らかになった。公爵夫人の教育方針に反対して解雇されるのが恐ろしかったらしい。
ヴェイユ公爵が母娘に関心がなかったことから、黙認されていることなのだろうと見て見ぬふりをしていたのだ。
最終的に世間体が悪いということでその醜聞は秘され、療養という名目で別荘に隔離された。呆気ない終わり方だった。当事者であったリズベットを介することなく物事は円滑に進んでいく。彼女は一人、時に置いていかれたように放心状態だった。母の存在はそれほど大きいものであった。
「お父様、お呼びでしょうか」
それから数日後、リズベットは執務室に呼び出された。それは生まれてきて初めてのことだった。久しぶりに正面から見た彼の顔は頭の中で思い描いていた姿よりも年老いて見えた。
「お前に釣書が来ていることは知っているな。そしてエリスもレオノール皇子との結婚を控えている。だからお前の結婚相手を見繕わなければならない」
レオノール皇子とエリスの婚約は実質妹が姉から略奪したようなもの。悪い噂を払拭するにはリズベットが早急に結婚相手を見つけなければならなかった。たとえ今まで交流のなかった相手だったとしても多少言い訳がつく。どうせ人々は話の前後など気にも留めないだろうから。
「わかりました。お相手はどなたでしょうか」
「マーロウ侯爵の長男だ」
侯爵家の長男セルジュ・マーロウ。頭脳明晰でアカデミーを飛び級するほど優秀と名高い人物だ。ただ常に領地に引きこもっており社交界に出てくることはないに等しい変わり者である。そんな遍歴から彼はいい年になっても女関係の話がないので女嫌いと噂されていた。
「そうですか」
けれどもリズベットは誰と結婚しようがどうでも良かった。相手もリズベットを望んでいるわけではないだろう。ただ釣り合う人間がいなかった。ただそれだけだったに違いない。
それはリズベットの複雑な立場に原因があった。
第一皇子と結ばれなかった高位令嬢は第二皇子、第三皇子にと嫁ぎ、それ以外の婚約者として選ばれる希望が薄い令嬢たちは水面下で結婚の密約を交わしているのが一般的だ。
そしてエリスが皇妃に選ばれた今、その他の皇子との婚約でこれ以上ヴェイユ侯爵の勢力が拡大するのは皇家に忠誠を疑われる危険な行為だ。よって後者の状況に置かれているのだが、これまでレオノール第一皇子の筆頭婚約者候補であったリズベットは母の影響もあり他の殿方との縁談など今まで持ち上がったことがなかった。
どうせ相手も無理やり押し付けられた事態に迷惑しているのだろうと、投げやりに返事をするリズベットにヴェイユ公爵は苦々しげな顔をする。
別に不満はなかった。女性と浮いた話のない彼はリズベットにとって好都合だったからだ。もう愛というものに振り回されたくなかった。
リズベットを愛することはないと確定している男に無駄な期待を抱く必要はない。
彼が愛人を作る可能性も低い。リズベットにとってこれ以上良い縁談はないだろう。
「用件はそれだけですか?」
「ああ」
公爵は最後までリズベットに謝罪しなかった。これまでの責任の所在は彼にあるというのに。心にわだかまりを残すのはそれだけだった。
セルジュとリズベットの婚約は迅速に結ばれた。皇妃となるエリスに略奪愛という噂が広がる前に素早い対処が必要だったのだろう。そのため互いに顔合わせする暇もなく輿入れの準備をし書類上で結婚は成立した。政略だとしてもこんなにも雑な結婚がまかり通ってしまうことが、リズベットを振り回してきた愛がその程度のものだと主張しているようでなんだか虚しかった。
■
「ここがマーロウ侯爵家」
リズベットは馬車から一人降り立つ。家の侍女は信用ならないものばかりなので身一つで嫁ぐことになったのだ。長い道のりを走り、ようやく到着した侯爵家。道の整備が甘いせいで馬車がガタガタと揺れていたことから察していたが、想像していたよりもずっと辺鄙なところにある。
未だにここにいる自身が信じられない。永遠に母に縛られて生きていくのだと思っていたから。
出てきた執事に案内され暖かい客室に入る。冬の移動だったので体は随分と冷え切っていた。
そこにはメガネを掛けたいかにも人が良さそうな男性が立っていた。噂とは当てにならないものだ。女嫌いと聞くから眼光の鋭い怖い人が出てくるのだと思っていた。
「はじめまして、リズベットと申します。どうぞよろしくお願いします」
「アッ、ハイ、僕はセルジュと申します。こちらこそよろしくお願いします」
淑女の礼をとり顔を上げるとそこにいるのは顔を真っ赤にする挙動不審な男。これは女性に耐性がないのだろうか。彼はウロウロと目を泳がせる様子からひどく緊張していることは明白だった。
「私と結婚しても良かったんですか?女性嫌いと伺ったのですけれど」
遠慮がちに伺うと彼は慌てたように手を振る。
「えっと僕は女性皆にこんな感じではないんです。ただ今、ちょっとだけ緊張していて……。すみません」
しゅんと肩を落とす彼は嘘はついていないようだ。
「公爵家の娘という身分のせいですか?父が無理を言ったようでしたらすみません」
暗にヴェイユ公爵に脅されでもしたのかと尋ねる。もしそうであったら彼がこの縁組を断るのは難しかっただろう。
「えっとそれはその、そうではなくて……。実はずっと貴女のことが好きだったんです。ずっと初恋が忘れられなくて結婚する機会もないまま領地にいたらいろんな憶測が飛んでそういう噂が流れてしまったのもあります」
照れくさ気に告白するセルジュは本心から話しているように見えた。けれどリズベットは自身を好く人には二パターンあることを知っていた。彼女に言い寄るものは整った顔立ちに惹かれたか権力に媚びるかのどちらかだった。
「どうして私のことを好きになったの?」
思わず険のある物言いをしてしまった。けれどそんなリズベットの様子に彼は気づいていないようで気が抜けるようにぽやぽやと微笑んでいる。
「えっと、お恥ずかしい話なのですが昔貴女に助けていただいたことがあって、それからです……」
消え入るように真っ赤な顔を手で覆いながら答える彼は今まで見てきたリズベットへの好意とは違っていた。いやらしさを感じない直裁的で非常に貴族らしくない真っ直ぐな話し方だった。見栄を張ることなくこれ程赤裸々に接してくる人は今までに会ったことがない
「ごめんなさい。私貴方のことを覚えていないわ」
「いいえ、そんなっ、いいんです。昔のことだったし、本当に些細なことだったので覚えていなくて当然ですよ。ただ僕の中では今でも大切な記憶ですから」
懐かしそうに微笑む彼の目には過去の心優しきリズベットが映っているのだろう。
彼の瞳は満天の星空を入れ込んだかのようにキラキラと輝いていて、その瞬間は純粋に彼の愛は綺麗だなと思えた。
けれどそれと同時にくだらないと思う自身が心のなかにいる。
愛という言葉を聞くとあの母との日常を思い出させる。そして頭の中で母が常に囁くのだ。全てお前のためなんだと。リズベットにとって愛は苦しみ、もがき、逃れようとしても一度嵌まってしまったら抜け出せない底なしの沼だった。
リズベットは優しい愛を知らなかった。
「けれど私はきっと貴方を愛せない――――」
結婚相手にこんなことを言うのは最低かもしれないが、彼に嘘はつきたくないと思った。セルジュには誠実な態度を取りたいと思ったから。そこに宿る感情が罪悪感か同情か何かも彼女には判別がつかない。けれどセルジュには母や私のような経験をしてほしくなかった。無駄に期待させるほど残酷なことはないから。
「いいえ、そんなことは関係ないです。今までは希望すらない勝負だったんですから。ただ貴女が僕の側にいてくれるだけで喜びなんです」
――――側にいてくれるだけで幸せなんて誰も言ってくれなかったな
心がポカポカする。初めての感覚だった。例えるなら冬のかじかむ暗い寒空の下に一つ灯火がついたようであった。
「……ありがとう」
「えっ?あ、ハイ、こちらこそどういたしまして……?」
彼の頭に疑問符が浮かんでいるのが容易に想像できた。
彼はきっとリズベットの感謝を理解していなかったがそれで良かった。
この感情が導きの炎となるか、それとも全てを喰らい尽くす悪魔になるかまだわからないから。
心変わりしてしまったら悲しい。
今はまだゆっくりでいい。今はまだ。