表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

幻想奇譚

レトロな反対車線

作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


注意事項2

乗り合わせが悪い本日でした。


久方振りの遠出で御座います。例え遠方であっても、惹かれてその場に下立つ事は少なく御座いません。私にとって、近場である事よりも、運賃が掛からない事よりも、ただ本能的な足取りを重視している様なのです。風に呼ばれるがままに立ち上がり、ふらりと世界を見て、そうしてまた同じ土地に帰する。これこそが私の習性で御座います。

故、こんな事も勿論御座います。電光掲示板に表示された、列車の到着時刻。今から数えて約一時間は御座います。改札は抜けてしまいました。さて、このお時間をどう使いましょうか?

そう思って、駅のホームに設置されたベンチに腰を掛けました。此処でぼんやりと待つ事も、きっと楽しいでしょう。そう思って、反対車線向けて顔を上げました。そこに思わず心惹かれるものが。

今まで沢山の電車を使って、街を彷徨い続けましたが、その何処のホームともデザインが異なります。白と焦げ茶のツートンカラー。その間に挟まる様に、金縁の意匠が施された柱が等間隔に並んでおります。その光景を壊さない様にでしょうか? ベンチも見慣れた鈍色ではなく、板を何枚も組み合わせたものです。何処と無く明治、大正のホームを連想させる色合いで御座います。ふと、掲げられた駅名標をに視線を動かすと、ゴシック体ではなく、筆記体。細部に至るまで、こだわって、この長い世界を作られているのが分かります。

それから程なくして、電車が到着致しました。モデルに関しては詳しくは御座いません。故に分かるのは、ただ茶色を基調として、この電車がデザインされたという事。駅が先か、電車が先か、それは分かりません。それでもしっかりと計算されて作られた事は分かります。

私があの電車に乗った事は御座いません。けれども目的もなく彷徨う際に、思わず乗り込んでしまいそうな雰囲気のある列車で御座います。レトロな世界に時間飛行しそうな列車で御座います。


――間もなく、X番線に電車が参ります。


どうやら、此方にも電車が泊まるそうです。帰宅、致しましょう。私達の過ごす世界、時代に。

日本全国、津々浦々、電車と相対した事は数あれども、乗り込んで旅をしたいと思わせてくれたのはこの列車です。

あともう一つありますが、あれは偶然の一致で乗れただけなので。


第二の故郷に行ってきました。

朝のんびりし過ぎたり、列車の乗り合わせが悪くて、気が付いたら午後になってました。


かき氷は今回は辞めて起きました。

悲しいですが、外はそれ程暑くなかったので。

餡蜜は変わらぬ美味しさ。

ガチャガチャやりたくなりました。


馴染みの神様も相変わらず。

にこにこの笑顔で何も言わない感じでした。

それは私の命運が決定された時から何一つ変わらない癖。

言っても言わなくても不安になるのなら、温存させようというのが一つの答えだと感じます。



距離の遠さ、行きたいと思う意思は大した事ではなく、やはり『気が付いたら着いていた』これこそがご縁かと。

そういうもんですよ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ