レトロな反対車線
注意事項1
起承転結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。
注意事項2
乗り合わせが悪い本日でした。
久方振りの遠出で御座います。例え遠方であっても、惹かれてその場に下立つ事は少なく御座いません。私にとって、近場である事よりも、運賃が掛からない事よりも、ただ本能的な足取りを重視している様なのです。風に呼ばれるがままに立ち上がり、ふらりと世界を見て、そうしてまた同じ土地に帰する。これこそが私の習性で御座います。
故、こんな事も勿論御座います。電光掲示板に表示された、列車の到着時刻。今から数えて約一時間は御座います。改札は抜けてしまいました。さて、このお時間をどう使いましょうか?
そう思って、駅のホームに設置されたベンチに腰を掛けました。此処でぼんやりと待つ事も、きっと楽しいでしょう。そう思って、反対車線向けて顔を上げました。そこに思わず心惹かれるものが。
今まで沢山の電車を使って、街を彷徨い続けましたが、その何処のホームともデザインが異なります。白と焦げ茶のツートンカラー。その間に挟まる様に、金縁の意匠が施された柱が等間隔に並んでおります。その光景を壊さない様にでしょうか? ベンチも見慣れた鈍色ではなく、板を何枚も組み合わせたものです。何処と無く明治、大正のホームを連想させる色合いで御座います。ふと、掲げられた駅名標をに視線を動かすと、ゴシック体ではなく、筆記体。細部に至るまで、こだわって、この長い世界を作られているのが分かります。
それから程なくして、電車が到着致しました。モデルに関しては詳しくは御座いません。故に分かるのは、ただ茶色を基調として、この電車がデザインされたという事。駅が先か、電車が先か、それは分かりません。それでもしっかりと計算されて作られた事は分かります。
私があの電車に乗った事は御座いません。けれども目的もなく彷徨う際に、思わず乗り込んでしまいそうな雰囲気のある列車で御座います。レトロな世界に時間飛行しそうな列車で御座います。
――間もなく、X番線に電車が参ります。
どうやら、此方にも電車が泊まるそうです。帰宅、致しましょう。私達の過ごす世界、時代に。
日本全国、津々浦々、電車と相対した事は数あれども、乗り込んで旅をしたいと思わせてくれたのはこの列車です。
あともう一つありますが、あれは偶然の一致で乗れただけなので。
第二の故郷に行ってきました。
朝のんびりし過ぎたり、列車の乗り合わせが悪くて、気が付いたら午後になってました。
かき氷は今回は辞めて起きました。
悲しいですが、外はそれ程暑くなかったので。
餡蜜は変わらぬ美味しさ。
ガチャガチャやりたくなりました。
馴染みの神様も相変わらず。
にこにこの笑顔で何も言わない感じでした。
それは私の命運が決定された時から何一つ変わらない癖。
言っても言わなくても不安になるのなら、温存させようというのが一つの答えだと感じます。
距離の遠さ、行きたいと思う意思は大した事ではなく、やはり『気が付いたら着いていた』これこそがご縁かと。
そういうもんですよ。