⑤ 食事制限ステップ1 減らす前に置き換える 体重がむしろ増える:人工甘味料編
質問者:今回は人工甘味料についてと言うことらしいですが、そもそもどのようなものに入っているのですか?
筆者:主に「カロリーオフ」や「ノンカロリー」と表示されている「ダイエット飲料」とされている商品は必ず入っています。
100%果汁ジュースでは無いソフトドリンクの一部にも入っていると言って良いと思います。
質問者:カロリーがオフな上に安いので私も多用させていただいているのですが……。
カロリーが無い上にとても美味しいので毎日飲んでいます。
筆者:いや、直ちに飲むのを止めた方が良いです。最新の研究によると「カロリーオフ」のドリンクを飲むことによってむしろ体重が増えてしまうことが指摘されています。
質問者:えっ!? そんなことがあり得るのですか!? そもそもの話としては、国や世界の研究機関がダイエット商品として安全だと評価しているから使用されているのでは無いのですか?
厚生労働省の設定してる許容摂取量以上摂らなければ健康への悪影響はないという話を聞いたことがあったのですが……。
筆者:人工甘味料の研究について根本の話からさせて頂きたいのです。
「添加物は研究によって安全が証明」されていると言うことで、人工甘味料など世の中に出てはいます。
しかし、それらの研究ではラットなどの動物実験では一つずつの添加物のみでしか行っておらず、複数の添加物が合わさった時の影響についての調査はほぼ無いです。
さらに長期的な影響については何も考慮されていません。
そのために、近年では新しく様々な影響がどう出るのか? について研究がやり直されているという段階に来ているんですね。
質問者:な、なるほど……カロリーオフドリンクを飲んでいる身としてはあまり聞きたくはありませんが聞いておきましょう……。
筆者:質問者さんが先ほど指摘されていたように確かに現在の医学界においても人工甘味料が人体に悪影響を与えているかどうかについては議論があるようです。
世界最高の権威を誇る科学雑誌「Nature」でも意見が分かれるほどで結論が出ていないようなんですね。
そんな中で最新の研究を見ていきましょう。
フランス国立保健医学研究所(INSERM)のCharlotte Debras氏らによる2022年3月の研究では
10万2,865人のフランスの成人(試験開始時の平均年齢42.2±14.5歳、女性78.5%)を対象にしたもの。Debras氏らは、対象者を中央値で7.8年間追跡したようです。
その結果、人工甘味料入りのドリンクを飲み続けていた人たちは癌の発生確率が10%以上上がったという結果が出ました。
人工甘味料の種類別に見ると、アスパルテームで15%、アセスルファムKで13%のリスク上昇したようです。
がん種に着目すると、乳がんリスクはアスパルテームの摂取量が多い人で22%上昇し、大腸がんなどの肥満関連のがんリスクは、全ての人工甘味料の摂取量が多い人で13%、アスパルテームの摂取量が多い人で15%上昇していた模様です。
特に危険とされているアスパルテームは脳腫瘍や白血病以外にも、知能低下・認知症・心疾患・アトピー・不眠症・気分障害・鬱病・精神的ストレスなどなど、体中に様々な影響を及ぼす可能性があるとも言われています。
胎児に影響を与えるのでは? と言ったことも現在研究中のようです。
アスパルテームが主に入っている食品としては
ダイエットソーダ、チューインガム、ゼラチン、アイスクリーム、朝食用シリアル
無糖ココアミックス などが挙げられます。
全てに入っているわけでも無いと思うので、栄養成分表示を必ず見ておきましょう。
質問者:な、なるほど……アスパルテームは特に危険なのですね。
筆者:更に、人工甘味料は癌発生リスクを上げるだけでなく、糖尿病リスクが高くなったり、太りやすくなってしまうのではないか? と言った研究があります。
こちらもフランスの研究なのですが、フランス国立保健医学研究所では、人工甘味料のリスクを指摘する研究結果が出ています。
6万6千人の中年女性を対象に、砂糖入りの炭酸飲料と人工甘味料入りの炭酸飲料の影響を比較したところ、特に後者を1週間に500mL以上摂取している人は前者よりも2型糖尿病の発症リスクが15%上昇、1.5L以上摂取している人は59%も上昇したとのことです。
日本でも、金沢大学医学部の桜井勝准教授により行われた研究では、ダイエット清涼飲料水の摂取量と糖尿病発症との関連調べようと35歳から55歳の男性2037名に対し7年の追跡調査を行った結果、ダイエット清涼飲料水を週に237ml以上飲む人は、飲まない人に比べて糖尿病発症の危険が1.7倍高まったと報告しています。
2009年にはテキサス大学ヘルスサイエンスセンターのジェニファー・ネットルトン博士は、6814人の成人でダイエットソーダを飲んだグループと飲まなかったグループを8年間追跡し、毎日ダイエットソーダを飲んだグループの36%にメタボリック症候群のリスクがあること、67%に2型糖尿病のリスクがあることを報告したのです。
質問者:えっ!? どうしてカロリーがゼロの筈なのに、糖尿病になってしまったり、太りやすくなってしまうんですかぁ!?
筆者:お、落ち着いてください。
人工甘味料に関しては確かにカロリーは砂糖に比べてはるかに低いのですが、人工甘味料入りのダイエット製品を接種することによって、食欲が増進されてしまうことが挙げられています。
どうしてなのかと言いますと、甘いモノを接種するときに発生するインスリンが人工甘味料入りの食べ物を飲食することでも同じように発生してしまうのです。
通常は肝臓や筋肉に蓄積されていくのですが、蓄積許容量が限度を超えると、インスリンはブドウ糖を脂肪に変換して、体脂肪として溜め込むようになります。このため、インスリンは「肥満ホルモン」とも呼ばれます。
また、人工甘味料は、砂糖よりも強い甘みがあります。例えばアスパルテームは砂糖のおよそ160〜220倍、アセスルファムカリウムはおよそ200倍、スクラロースはおよそ600倍も甘いといわれています。
そのため、甘みの強い人工甘味料を習慣的に摂取していると、甘みに対しての味覚が徐々に鈍くなっていきます。その結果、砂糖などの天然甘味料やフルーツを食べても甘みを感じなくなってしまい、過食や砂糖の追加によって太りやすくなる恐れがあるのです。
このために、人工甘味料入りのダイエット食品を接種すればするほど太りやすくなってしまうと言ったことになるのです。
質問者:イヤー! 今日で直ちにカロリーゼロ飲料止めます……。
カロリーゼロで甘いだなんてそんなおとぎ話みたいなことは無かったんですね……。
筆者:“研究が進んでいないだけ”でしたね……。
そもそもの話なのですが、必要な栄養素を食べずにカロリーを制限することに関してはあまりお勧めは出来ません。
なぜなら、筋肉量が低下してしまうと、基礎代謝量が減少するので逆に痩せにくくなってしまうと言ったことが起こりうるからです。
ですから、まずは適度の置き換えを行っていきその上で、減らしていきます。
そして、減らす段階でも必ず自分の体調に異変が起きていないのか? について逐一確認をしながら前進していって欲しいというのが僕の考えですね。
質問者:な、なるほど……まずは置き換えからやってみます……。
筆者:次に、人工甘味料よりかはマシではあるもののやはり人体に悪い砂糖について解説をしていこうと思います。