⑲ サウナや冷水シャワーによる体温の調節
筆者:ここからは、必須では無いモノの健康に影響を与える項目について見ていきます。
まずはサウナについてです。
質問者:サウナについては健康に良いという話を聞いたことがありますが具体的にはどういう風に良いのですか?
筆者:サウナで温まった後に冷水で体を冷やす温冷交代浴の効果によって良い効果が引き起こされます。
サウナで体が温まることで緩くなった血管が、水風呂で引き締まり伸縮され起こるポンプ効果により体内の血液循環が通常の2,3倍速くなることで
1 体や脳の疲労回復
2 ストレス解消
3 血圧低下 (2017年の研究で高血圧の発生率が47%低減する)
4 血流改善による肩こり軽減、睡眠の改善
5 老廃物の排出
6 免疫力強化 (週3回サウナに入ると心疾患になる可能性が18%低下)
などの効果が期待できます。
意外にも汗が出ることによるデトックス効果はあまり期待できないということが、
カナダのオタワ大学の運動生理学者パスカル・インベルト博士の体脂肪に蓄積する汚染物質の研究で分かっています。
むしろ、水が不足することによって排便に悪影響が出て、適切な水分補給を行わなければデトックスにとってもマイナス効果があることが分かっています。
九州大学の2011年の研究によりますと、健常者での実験前後の体重測定では、810~840gの発汗、高齢者であっても390~460gの発汗が認められています。
このことから、健常者であれば最低でも500gほど水を飲むことが望まれるといえます。
質問者:なるほど……サウナの後は冷水で体を冷やしてしっかり水分補給をしておく必要があるのですね?
しかし、汗で老廃物が出ないのであればどうやって老廃物が出るのですか?
筆者:サウナに入ることによって、体中の老廃物・疲労物質が血流によって腎臓に運ばれ、速やかに排出することができるようになるのです。
また、体の各部位に栄養素を素早く供給することが出来るので、体が軽くなり浮遊感を味わうことが出来ます。
これがサウナによる解放感を味わう感覚なんですね。
質問者:免疫力はどのようにして強化されるのでしょうか?
筆者:私たちの細胞を作っているたんぱく質は熱を加えると、HSPという、細胞を修復する作用のあるたんぱく質を生み出します。
このHSPは損傷、虚血状態、紫外線などで弱まった細胞を修復する効果があるので体を正常に整えることが出来ます。
つまり、熱を一定時間加えることによって体に備わっている修復力を強化する効果があるわけなんです。
これはサウナ独自の効能と言えます。
質問者:サウナにもし入るとするのでしたら、どれぐらい入ったほうが良いのでしょうか?
筆者:サウナに関しては7分~15分と言うところが標準というところですが、
まだ慣れていない方ですと3分ぐらいでも良いと思います。
その後に水風呂に30秒~2分ほど浸かり、
最後に外気浴を5分~10分ほど行う――と言うのを1セットとして3セットほど行うというのが良いようです。
やり過ぎると逆に心機能が過剰に働き過ぎてしまうので、注意しましょう。
質問者:しかし、サウナがいくら体に良いとしても、やっぱりお金はかかりますし、サウナの施設が整っている場所に通うのが大変だと思うんですよ。
その際にはどうしたら良いのでしょうか?
筆者:サウナと同じような効能を簡易で皆さんのご家庭で味わうためには、お風呂に入浴した後の“冷水シャワー”と言うのをお勧めします。
敢えて寒い状態に自分の体を体験させることによって体の健康を保つことを『寒冷療法』
と言ったりすることもあるようです。
質問者:それ以前も伺ったのですが……いまだにそれが効果がある気がしなくて実施していないんですよね……。
筆者:これを書いている時は真冬ですし、気持ちはよく分かります。
僕は昨年の6月ぐらいから始めていますが、流石にこの気温ですと流石に気合を入れて“ハッ!”っという掛け声をかけながら冷水を浴びることをしないと無理ですからね(笑)。
今の時期から始めるのというのはちょっとハードルが高いかもしれません。
ですが、こういう時だからこそやって欲しいなと言うのはありますね。
冬のシャワーは春、夏、秋、以上に脂肪燃焼効果が高くあります。冬場の体温を維持するために脂肪燃焼を行って体温を制御しようとする特性になっているため、入浴による脂肪燃焼の効率も上がっています。
夏場の汗はダイエットに効果的と言われますが、人間の特性上冬場の方が脂肪燃焼の動きが活発なのでダイエットに最適な効果が大きく得られるでしょう。
ただ冬の場合心臓への負担が大きく、他の時期以上に注意が必要です。
質問者:冬の冷水シャワーの方がダイエット効果があるというのはかなり意外ですね。
……あまりやる気は無いのですが、一応手順と言うのをお聞きしておきましょう。
筆者:まずはですね。いきなり冷水をかけてしまうとあまりにも刺激が強すぎることから、
シャワーの温度をいつも通りのお湯の温度(40℃前後)から始めると良いです。
その40℃前後からほんの少しずつですが、温度を下げていきます。
そして最終的には冷水シャワーに効果的な温度25℃まで下げていくのです。
25℃と言う水の温度に慣れてきたら、お腹や胸そして背中など心臓に近い個所を洗っていきます。
今の時期のような冬場の夜など特に寒い時間に行う場合は心臓の負担や体温低下に注意して短い時間で済ませるよう心掛けると良いでしょう。
質問者:しかし、結構寒いんで怖いんですけど……。
筆者:僕の場合は運動をして体が暖かくなって、多少汗が出たところで、冷水シャワーを浴びるのであまり寒さと言うのを感じることなく冷水シャワーを浴びている感じですかね。
まぁ、“健康活動“の全てにある程度言えることですが、他人と差別化するために”あえて苦しいことをやっている“と言う感じは少なからずありますからね。
質問者:確かに、これまで提示された健康方法と言うのは世の中便利になったり、大量生産の社会になっていますからそれに逆行する感じと言うのが結構ありますね……。
筆者:冷水シャワーは最たるものだと思いますね。過酷な状況下になることでやはり健康にはなるようです。
オランダで行われた3000人規模の研究によりますと3か月後の追跡調査の結果、冷水シャワーを浴びたグループでは、病欠が29%減少していたようなので、ミトコンドリアを活性化することによる健康効果が起きたことが予想されます。
質問者:人間の体を強くするためにはそれなりに過酷な条件下に晒さなくてはいけないのですね……。
筆者:逆に言えば、一定の耐性を付けることができれば古代の人よりも色々な情報を持っていますからそれを見極めることでより長寿になることができると思うんですよね。
質問者:うーん、健康への道って言うのは長く険しいのですね……。
筆者:人生をかけたロングランだと思って日常生活に溶け込ませていくしか無いように思いますね。
次に「歯」についての重要性について見ていこうと思います。