⑫ 食事制限ステップ3 何も安心できない栄養成分表示について
質問者:しかしながら、どうして食事制限までしなくてはいけないのでしょうか?
食品を置き換えるだけではダメなのでしょうか?
筆者:そこは最低限のラインだと思っています。というのも、僕が調べた限りにおいて、生もの以外の食品に必ずついていると言って良い“栄養成分表示”が全くあてにならないからです。
特に、2022年3月30日に消費者庁が発表した、「食品添加物の不使用表示に関するガイドライン」においては、商品を選ぶとき基準にしている人が多いと思われる「無添加」と「不使用」の表示に、規制がかけられるようになったのです。
質問者:えっ……そんなことになっているだなんて気が付きませんでした……。
筆者:政府広報などを隅々まで確認する人なんていませんからね。僕も事が起こってからようやく知ったのでご存知でない方がほとんどだと思います。
実際にどういうことになっているのか、
2022年3月31日 女性自身の記事の
『食卓が添加物だらけに…4月から食品の「無添加」表示禁止に識者が警鐘』によりますと、
『元・農水大臣で、現在も食の安全問題に取り組む山田正彦さんは、その理由を次のように説明する。
「消費者庁は“無添加”や“不使用”などと表示することで、『添加物を使っていない商品のほうが体によい』というメッセージを消費者に与えてしまうのはよくないからと主張しています。こうしたルールを新設する背景には、添加物を使っている食品が売れなくなることをおそれる大手食品会社などの思惑があるのでしょう。しかし、このままでは消費者の知る権利と、メーカーの表現の自由を奪いかねません」
すでに消費者庁は、添加物のネガティブなイメージを軽減するために「人工甘味料」の“人工”や、「合成保存料」の“合成”といった表示を、国会での議論を経ることなく’20年7月に表示用語から削除。それを受けて、今年4月以降は“人工甘味料不使用”などとパッケージに記載した商品は原則販売ができないことになる。
しかし、消費者の食品添加物に対する不信感は、依然として根強い。添加物に詳しい日本消費者連盟の原英二さんは、こう警鐘を鳴らす。
「消費者庁は、『国が認めた添加物は安全』という前提に立っていますが、添加物の安全評価は極めてあいまいです。評価基準となる実験はマウスなどの動物のみで、医薬品のようにヒトに対する臨床実験は行われていません。ヒトとマウスには当然大きな違いがありますし、ヒトだってお酒に強い弱いがあるように、個人差が存在するにもかかわらず、です」』
とありますように、食品加工業者の顔色を窺うようにして、このガイドラインは改正されているのです。
このように添加物がどの程度使われているかなど、加工食品の危険度合いなどを消費者は分かりにくくなってしまっているのです。
ですから、食品添加物は原材料に記載され、目視できるものは食品添加物が含まれないもの、または減らす選択がやりにくくなっています。
質問者:なるほど……。
筆者;また、栄養成分表においては“書かなくていい“という例外規定が多くありましてこれもまた厄介です。
特に添加物で他国より規制が緩い着色料(海外では発癌性が認められていても日本では平気で使われている)に関しての免除規定として以下から一つでも当てはまれば免除になります。
①食品の加工に使われるもので、食品の完成前に除去される場合。
②食品の原材料に含まれる成分と同じ成分に変わり、その成分の量を増加するものではない場合。
③食品に含まれる量が少なくて、その成分が食品に影響を及ぼさない場合。
これは、食品添加物には栄養強化の目的で使用する場合や、加工助剤及びキャリーオーバーに該当する場合は表示が免除される規定があるためです。
質問者:一体どういう場合がそれにあたるのでしょうか?
筆者:例えば、ビール製造の際に、苦味やコクを薄めて飲みやすくするコーンスターチや、酸化防止剤として使われる亜硫酸は煮沸工程で除去されるため、キャリーオーバーの表示が免除されるようです。
通常、薬品処理の塩酸とアルカリの液につけることで薄皮を分解します。その後アルカリで中和され、流水で流し最終製品に残留塩酸が少ないことから表示義務はありません。
製造者側が表示できる選択として、コーンスターチが無添加のものや亜硫酸無添加などとすることが可能です。
こういったことが、あらゆる製品のあらゆる製造過程で行われているわけです。
ですので、“無添加“とかいてあるものすらも実際はそうでない可能性も大いにあり得るわけなんですね。
質問者:なるほど……。添加物はしかしそんなに体に悪いモノなのでしょうか?
筆者:天然のモノよりかは遥かに悪いでしょう。
ですが、添加物は保存や輸送、価格の安定などを考えたら必須の存在と言って良いです。 しかしながら、海外で規制されているものの中で日本で許可されているものは多いので表示以上に不健康な食品が思ったよりも存在していることが想定されます。
質問者:なるほど……。
筆者:また、日本は食料自給率が3割台なのでほとんどの食品が海外から輸入されているのですが、栄養成分表示が必要でない生の製品でも危ない点があります。
海外産の果物防カビ剤(OPP)は海外では使用禁止されるほど健康に害があると認められているのですが、日本では現在使用が許可されています。
これには歴史的な経緯がありまして1975年4月、農林省(現農林水産省)が、アメリカから輸入されたグレープフルーツ、レモン、オレンジの検査を行ったところ、グレープフルーツからOPPが検出されました。この時、日本ではOPPは食品添加物として使用が認められていなかったので、これは食品衛生法違反でした。
そこで、厚生省(現厚生労働省)は輸入した業者に対して、違反している柑橘類を廃棄するよう命じました。それらは海に捨てられましたが、アメリカ国内では、この措置に対して怒りの声が沸き上がりました。同国で流通が認められている果物が、日本で廃棄されたからです。
日本政府がOPPを認可しなければ、アメリカ側が柑橘類を輸出できず、米政府はそのことを非関税障壁として、対抗措置を講じることが考えられました。つまり、日本の自動車や電化製品の輸入を制限する可能性があったのです。
そのために、“政治的判断“でOPPは日本で使用可能に突如として変わったのです。
なお、東京都立衛生研究所(現東京都健康安全研究センター)の研究者が、安全性を確認するために動物実験を行いました。OPPを1.25%含むえさをラットに91週間食べさせたのです。その結果、83%という高い割合で膀胱がんが発生しました。
質問者:またしてもアメリカが関わっているわけですね……。
筆者:日本は事実上戦後からアメリカの属国になっていますから仕方ないですね。
ここでは長々とは書きませんが真の意味で軍事的独立を果たさなくてはいけません。
また、産地偽装や栄養成分表示通りに食品に入っているかどうかについては、僕たちは食の専門家でもないので分からないと思います。
このように、いくら栄養成分表示を目を皿のようにして見て食品を選択していても、食べれば食べるほど毒素を体の中で蓄積している可能性と言うのは極めて高くなっているわけです。
質問者:なるほど、だから食事制限をしていかなくてはいけないんですね……。
筆者:上記のリスクをどの程度大きく捉えるかは皆さん次第とは思いますが、
少なくとも僕は食べる量を減らすという選択をしていかなくてはいけないなと思いました。
次の項目からは具体的な食事制限の方法とその効能について見ていこうと思います。