森での出来事
「そりゃぁ!」
これが、僕が覚えてる中で一番古い記憶
森の中で鎧をまとった騎士に剣を振り上げられ、僕の体が浮き上がり、そして飛んで行ったんだ。
「ここら辺の敵はこいつで最後か?」
「報告されているのはこの1体だけかと」
「い、いや。ちょっと待ってください!」
そして、とっさに声が出た。
「こいつ・・・今しゃべったよな」
「確かに・・・話しましたね」
「僕は、何かしたんですか?」
空が暗くなり始めたので、焚火で暖を取り、話すことになった。
「覚えているのはそれだけなのか?」
「はい・・・」
疑いの目でみられているのはわかる。けど、それしか知らないんだ
「一応、たおさないでやるが・・・暴れるかもしれない。拘束させてもらうな」
両手を後ろで縛られた
「全部信じるのは難しいですし、かといってウソをついてる様子はないですね」
「だな」
「えっと、では。一応説明しますね」
ここから魔法使いの人に聞かせてもらったのは簡単なことだった
1つ目 僕はダークという症状が出ていた
2つ目 そのダークという症状が出ている人はたくさんいる
3つ目 症状が落ち着いてしゃべれるようになったのは二人が知ってる限り僕だけ
「・・・・・ぐらいですかね。伝えておくべきは」
「そうなんですね」
正直、それぐらいしか言えなかった。
僕を症状の実験体として街まで連れて言ってくれることになった
「言いましたからね?どういうことをされるか分からないと」
「うん、知ってる。けど、そうするしかないかなって」
ロープで捕まえられながら街まで歩くことになった
「しかし、妙ですね。あそこまで敵対していたのに話せるまでに回復したんですから」
「他の人はそうじゃないの?」
「私達が知る限り」
「他の人が治るならいいかな」
だって、
「どうせ、何もできないなら犠牲になったほうがいい・・・からだろ?」
「なんで・・・」
「そんなやつ、たくさん見てきたからわかる。やめとけ」
「けど、僕自身も何者かわからないですし、また暴れだすなら」
「何で今のお前をみないんだ?暴れださないようにすればいいだけだろう」
何も言い返せなくなった。