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008 フィアナと同棲生活④

「なるほどね」


 スマホで検索したら一発だった。

 世界のとあるメディアが毎年公開している【世界で最もかわいい女性100人】

 日本人も2,3人選ばれる年がある中で去年はまったくの無名のフィアナが1位に選ばれて……世界的に話題になったと書かれていた。


 きっかけになったのは一枚の写真。


「あのー、恥ずかしいのであんまり見ないで頂けると……」


 それはとんでもない美しく撮られた写真だった。

 満面の笑みと銀髪の神々しさ、まわりの風景が合致していて、奇跡の1枚と言ってもいい。 

 フィアナという世界一の美少女をプロのカメラマンが撮ったって感じだろうか。

 実物も相当だが……写真もまたぐっと来るようなものだと思う。

 ページのコメントには納得の1位、最高の1枚、1000年に1人の存在。


 そして世界一の絶世の美少女。


「あんた、世界一の女だったのか」

「だから知られるのが嫌だったんです。レイジは知らなそうだったから……そのままでいたかった」


 フィアナは強くため息をつく。


「……その写真は去年に隠し撮りされた写真なんです。その後、いきなり世界一だと言われて……意味が分からなくて騒ぎになって大変だったんですよ」

「そうだったのか。でも凄いじゃないか。みんなに想われるってことだろ?」


「そんなに良いものではないですよ。いろんな人に追いかけ回されて、()()()は怒り狂うし、もう最悪でした」

「そっか、そうだよ……すまない、さすが失礼過ぎた」


「……この騒動があって私はここ1年外国で身を隠していたんです」


 そうか。親父がフィアナ(あの子)がサルヴェリアに戻ってくるって言ってたのはこの件も関係していたのか。

 空港でのあの変装も念のためだったのかもしれない。


 しかし、スマホで調べてみると様々なSNSでも話題になっている。

 誰もが認める世界一かわいい女の子、フィアナ・オルグレイス。

 幾多の美女が敗北を宣言。その美しさは神がかり、銀装飾が人の姿をした、生きた宝石。

 人呼んで天降の銀水晶シルバー・オーリオール


「レイジ?」


 フィアナの顔をじっと見つめる。

 確かに言うとおり世界一の力は持っているんだと思う。

 正直3次元の現実でフィアナより可愛いと思える人物を想像できない。


「そして侯爵令嬢か」

「……」


 フィアナは目を伏せる。

 サルヴェリアは君主制国家で王が国を統治している。

 貴族がその統治に関わっており、侯爵家は貴族の中でも相当高位の爵位だ。


「侯爵家っては相当偉いんじゃないのか?」

「はい。権力は持っていると思います。私のファミリーネームであるオルグレイス家は特に」

「そんな偉い家の娘が何でこんな一般市民の家にいるんだ? ……いや事情があるからここにいるんだよな」

「それは……」


 言いづらそうに目を伏せる。もしかしたら俺とフィアナが初めて出会った時のことも関係しているような気がする。

 今思うと平民階級で一般市民の俺が侯爵令嬢のフィアナの幼馴染なんてありえんからな。


「まぁいいや。だから俺も王国で唯一と言われる貴族学校【ケスフェルニス王立貴族学院】に通うことになったのか」


 フィアナはこくりと頷く。

 フィアナは貴族令嬢だから王立貴族学院に通うのは当たり前。

 親父がなぜ俺を留学させてこの学院に通わせようとしたのか、この国に行けば分かると言われはぐらかされていたが何となく見えてきたな。


「それだけ分かればいいや」

「いいんですか?」


「俺が日本人だから貴族なんて正直どうでもいい。俺はあんたを貴族だからって特別扱いしない」

「レイジ……」


「幼馴染っていつだって対等だろ?」

「……はい!」


 フィアナの笑顔が戻った。良かったこの考えは間違っていないようだ。

 もっと聞きたいことあったが再会した初日でぐいぐい聞くほど俺も鬼畜じゃない。

 このあたりは追々で良いだろう。これ以上フィアナの曇った顔なんて見たくはない。


「フィアナ。気兼ねなくこの家にいろ。親父も母さんも……俺もみんなそう思っているはずだから」

「あっ。……ふふ、ありがとうございます。レイジが優しいのは昔から変わらないですね」

「楽しく読んでる」「先が気になる」と思って頂けたら今後の活動の励みや執筆モチベーションとなりますのでブックマーク登録を頂けると嬉しいです。


下側の「☆☆☆☆☆」を「★★★★★」にして頂けるともっと頑張れる気がしますので宜しければ!

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