026 2人で過ごす時間②
俺は露天風呂の浴槽に沈み、持ってたタオルを股間に押しつける。
フィアナが小さなタオルで体を隠して、近づいてきた。
できるだけ肌を出す面識を少なくしようと体を縮こまらせる。
「こ、これでルール違反じゃないですよね!」
何か無駄にテンションが高い。
下着を見せるの恥ずかしがってるのに全裸は見せるんだよ、意味わかんねぇ!
「た、タオル小さすぎろ。せめてバスタオルとか無かったのか」
「……あっ」
かろうじて大事な所はタオルで隠しているが、隠し切れてない白肌が8割。
真面目にかけ湯だけしてきたんだろう。輝く銀の髪はしっとりとして、傷のない体はどこを見ても真っ白だった。
もう出られん。絶対出られん。股間がエライことになっている。
「さ、さぁ……洗いっこしましょう!!」
「どうやって」
「へ?」
「あんた……タオルで体を隠してるのにどうやって洗いっこするんだよ。真っ裸でやる気か」
「あ」
「風邪引くし、浴槽に入れ。家の風呂だからタオルを付けてもいいから」
フィアナは大人しく湯船の中に入る。
白の濁り湯になる温泉のもとを入れててよかった。
これで少しは落ち着くか。
「うぅん」
濁り湯と気づいたのか見えない所まで一度体を沈ませて、一緒に湯に使った銀の髪を持ち上げて結い始めた。
結うと同じに体が持ち上がったので大きく育った胸が湯から出てくる。
全部が出ているわけじゃないので大事な所は隠せているが、ついつい目がいってしまう。
髪を上げたことにより見えるうなじがまた色っぽい、
ぱっちりとした碧眼が俺を見据える。
濁り湯に入って体を隠したはずなのに全然ドキドキがおさまらないじゃないか。
「……落ちついてきました」
「おせぇよ」
「レイジの背中をお流ししたかったんです!」
「はぁ……素直にしてもらえばよかったよ」
変なこと言わずにそのままお願いすりゃよかったな……。
洗ってもらう分には別に問題ないわけだし。
こんな暴走されるなんて思ってもみなかった。
顔を真っ赤にしてるフィアナを見ていると俺も照れてのぼせてしまいそうだ。
「何でそんなに背中を流したかったんだよ」
「昨日味わったレイジの黒髪と筋肉質が忘れられない」
「あんた、マジ変態だな」
「普通だと思います!」
「じゃあ……俺も味合わせてくれるのか」
「え、私の髪に興味があるんですか?」
「また笑わしてやるよ」
「やだやだ! 金曜の夜、笑い過ぎて筋肉痛になっちゃったんですよ!」
土曜の朝、苦情を訴えていたっけ。
手をワキワキさせたら逃げてったけど。
「でも昔を思い出しますね」
「昔?」
「こうやって一緒にお風呂入ったじゃないですか。2人でいっつも」
やばい、その記憶はまったくない。
「レイジったらタオルで隠そうとしているのに剥ぎ取ろうとしてくるんですよ。私の体をこちょこちょして剥ぎ取ろうとしてきて、私が笑い転げてる隙をついて裸にして笑っていました」
「まて……今、全力で思い出す。5才のフィアナの裸か」
「その記憶はやっぱいいです!」
それもそうだ。5才の子供の裸には興味はない。
「対照的にレイジはすっぽんぽんを私に見せてくるし」
「それはわりと10才くらいまでやってた気がする」
だけど股間の大きさに個人差が存在することに気づき、いつしか出さなくなった。
ナリは小さくてもあそこがでけぇやつがいるからな。
「今は見せてこないんですね」
「……。見たいのか?」
「え! あ……」
ギンギンに膨れ上がっているがこれを見たいんだろうか。
「そ、その興味がないわけでも……ああああ! 忘れてください」
「フィアナ、あんたやっぱ耳年増っていうか、結構エロいの好きだろ」
「にゃにゃにゃ! 違います!」
これは母さんが事前に教えてくれたフィアナの秘密ってやつからの情報だ。
こうやって話を聞くと興味津々なのはマジだって分かる。
まぁ見せないけどな。マッキーより小さいですね、って言われたら俺のハートは崩れる。
「レイジはいじわるんです……」
フィアナは真っ赤になって、温泉の中に沈んでいく。
エロに興味はあるけど耐性は低い、そういうわけか。
下ネタ関係はこういう時男の方が強いよなって思う。
「ふにゃあ」
「え」
「……」
フィアナの顔が温泉の中に沈む。
「お、おいフィアナ!」
慌てて持ち上げたら目をまわしていた。どうやらのぼせてしまったようだ。
あんなに真っ赤にしてたもんな……。ずっと入ってる俺より早くのぼせるとは……。
さて、浴槽から持ち上げて涼しい所へ……。
「え……どうやって」
人を呼びに行く。
そんなことを思ったがそもそも2人暮らしで助けを呼べるはずもない。
急いで服を持ってきてフィアナの上に被せるか?
だが湯の中に置きっぱなしはまずい。脳にダメージがいってしまう。
だったら俺がやれることは一つしかない
湯の中に手をつっこみ、フィアナの身体に触れた。
「あ、柔らかい」
 




