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神経質な男

作者: 魚屋ボーフラ

 セルフのガソリンスタンドを出て、しばらくするとその男は、こう独り言ちた。

「あれ? 俺、ちゃんと給油口閉めたっけ?」

 車を走らせながらサイドミラーで確認しようとするが、雨が降っていて視界が悪いこともあり、よく分からない。

「困ったな……」

 その事ばかりが気になってしまい、どうにも運転に集中出来なくなった。

「どうするかな?」

 男は悩んだ挙げ句、ああそうか、一度給油口を開けてみればいいんだと思い、信号で停まった際に、座席の下にある給油口のレバーを引いた。すると、ポコッという乾いた音を立て、給油口が開いた。

「ああやっぱり、ちゃんと閉まってたんだ」

 あははと笑いながら男は、「ってか俺、もう一度閉めに行かなきゃいけないじゃん」と、急いで車を降りた。

 プップー!

 その間に信号は青に変わり、後ろの車から何やってんだというようにクラクションを鳴らされた。

 冷たい雨の中、ペコペコ頭を下げながら慌てて運転席に戻った男は、急いで車を発進させた。

 暫くすると男は、再び独り言ちた。

「あれ? 俺、あの時ちゃんと、給油口閉めたっけ?」

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