8僕の右手に握る鍵
鍵を発見した後の続きです。
僕は右手にのった古びた鍵を凝視して、今学校の屋上の途中の階段の上で立っている。
周りには誰も居なくってとても静かな放課後の時間、僕はただただ右手にのった鍵を凝視してしまっている。
「な、なんでこんなところに、こんな古びた鍵があるんだよ」と、思わず僕は口にしてしまう。
そう僕は今屋上の階段を降りていた途中で僕は階段から不自然な音を聞き取って、音のしたであろう階段を探ったら、一つの鍵を発見した。
この鍵を見るに、とても古びていて、いかにもファンタジーの宝箱を開けてしまうような様をしていて、よく見ると鍵の持ち手の部分の先端には大きく丸の中にKと刻まれている。
その上僕の手の温もりを感じるかのようなそれでいて少し冷たく輝きを失った鍵は、ちょうど放課後ということもあって四階の廊下の窓から見える夕日に照らされて少し輝いて神々しく見えている。
「とりあえず状況を把握するしかないな・・」僕はそう呟き、とりあえず下駄箱まで行くことにした。
下駄箱に歩いている間僕は、右手に握ったままの鍵をどうするかをずっと考えていた。
まず、なぜかわからないが僕は鍵を元あった場所に戻さずまだ手に握ったまま歩いている。
元の場所に戻せば無かったことにもできるだろうがそうはしなかった。
戸惑いはかなりあったけど、何故か自分にとって、とても大切な物な気がしたからかもしれない。
ファンタジー世界でも宝箱をあけるような鍵を入手したらたとえゲームであっても捨てはしないし、できない場合が多いはずだ。
それは、単に進行状の上だけで必要とされるだけではなく、ドキドキ感だったり、早く開けてやりたいと思うような様々な感情が入り混じっているからだと僕は思う。
だから、僕も今鍵を握りしめている理由は僕の人生にとってもとても大切な一つの鍵になる気がしたからだと思う。
だけど、もちろん鍵の使い場所など分かるわけもないし、それはゲームの世界であっても同じことだ。
だからもし僕が今この鍵を使うことを考えたのなら次はこの鍵の使う場所やこの鍵の謎を解き明かすべく情報収集を町の村人からすることだろう。
つまりするべきことは情報収集だ。
だからと言ってむやみやたらと紗耶香や英司に聞いたりするわけにもいかない。
もしあいつらに言えば間違いなくいろいろ問答無用に聞かれて疲れるだろうし、むしろ僕は1人でこの秘密の鍵の謎を解き明かしてみたいと思ってしまっている自分がいる。
色々と考えながら歩いていれば、僕は下駄箱についていた。
僕は右のズボンのポッケに鍵を持った右手を突っ込んで鍵を入れた。
そして僕は慣れた手つきで靴を履き替え、
学校を出た。
頑張って投稿していくので応援のほどよろしくお願いします。