【第6話】武器屋 “Guns & Swords”
「竜狩りに備えて、まずは装備を整えよう」
俺たちはまず街の武器屋に向かった。ロングソードとカイトシールドはあるが、防具にガタがきていた。悩んだ挙句、やはり馴染みのあるフリューテッド・アーマーを新調した。本当は格好良い上級騎士一式の防具が欲しいが、高いからなーあれ。
「シュガーは何か買う?」
「そうですね。私はこのローブとハンカチがあればそれで……」
「身を守るために盾くらいは買っておこうぜ。後は……メイスとか?」
使い慣れなそうな表情をしながらも、さすがに竜が相手なのでシュガーはメイスと盾を購入した。
「問題は竜の祠の場所だな……。例の書物に簡易的な地図が記されているが……古すぎてところどころ掠れているな」
俺とシュガーは二人で地図とにらめっこしながら竜の祠の場所のあたりをつける。
「ここが王城で、ここが大聖堂……ということは、この王家の墓場の先にある丘の上に、きっと竜の祠があるはずですね!」
「は、墓場の先かー……」
最近はデーモンも強力になってきており、闇落ち人たちとの戦いは避けられないだろう……。俺たちが少し不安に感じていると、武器屋の店主、ディック・ベネットが話しかけてきた。
「君たち、王家の墓場の近くに行くのかい?……あそこらへんは最近妙な噂が流れていてね……」
ほらやっぱり、といった表情をしながらシュガーがこちらを見てくる。
「妙な噂……ですか?」
ディックは深く頷くと会話を続けた。
「もともと王家の墓場は、アルティナ王国に代々受け継がれている墓守りが守っているのだけれど、どうやら最近、亡霊が出るらしいのだ。近くを通る武器商人たちが目撃していてね。墓守りの姿は確認できなかったそうだ。中には謎を解き明かしに行った騎士たちもおったみたいだが、二度と戻ってくることはなかったらしい……」
どうやら伝説の剣への道は遠そうだ。それよりも無事、二人で戻って来られるかどうか。俺たちは武器屋を出て、王国の外に出る門に向かった。