表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/42

【第4話】圧倒的軍事力

「あ、あれは……?」

「この王国の第7聖女様……。シュガー・プレスコットだ」


淡いピンク色のローブを纏ってフードを目深に被ったその女性は、陣形の後方に控えながら的確に太陽の光の矢を放って応戦していた。


「たくましい聖女様だぜ……」


闇騎士たちの勢力は徐々に劣勢となっていき、太陽の王国軍は善戦していた。と思ったその時、ゴーーン、ゴーーンと低く重い鐘の音が鳴り響き、空から一人の男が降り立った。


「私が出るまでもないと思っていたが……闇騎士たちがこうもやられるとはな。仕方ない」


男はそう呟きながら最前線に躍り出た。尋常ならざる漆黒のオーラを放つ男は禍々しい大剣を構えながら近づいてくる。俺たちは本能で感じたのか、後ずさりしていた。弓兵たちが一斉に放った矢がその男をめがけて飛んでいった。しかし、男は一太刀ですべての矢を叩き折ってみせた。騎士たちは赤子を扱うように薙ぎ払われた。上級騎士たちが太陽のクレイモアで一斉に切りかかった。


切っ先が男に触れようとした瞬間だった。


「インバージョン!すべてのものは反転する!」


男がスペルを唱えると、上級騎士たちのクレイモアから太陽の力が消失した。


「ダークフォース!」


男を中心として全方位に闇の衝撃波が放たれ、上級騎士たちは吹き飛ばされた。


「この王国、そしてこの惑星は、このギルバート・オズボーン卿が支配する。闇に屈しろ!」


ギルバート・オズボーン卿だって?いったいどこに国の者だ?それにこの惑星?そんなことを考えていると、透明な影がギルバート卿の背後に忍び寄っているのが分かった。そういうことか…。


「誰だか知らんが、ギルバート卿!俺が相手だ!」


俺は火炎壺を投げた後に走りながら切りかかった。ギルバート卿は火炎壺を闇魔法で一瞬で消し去ると、俺のロングソードを大剣で薙ぎ払った。そして、がら空きになった俺の胴体に大剣を振りぬいた。


俺は後方に弾き飛ばされた。グハア……。再び吐血した。一日に何回吐血しているんだ、俺は……。しかし、一太刀浴びせてやったぜ。ギルバート卿は一瞬早く感づいて避けたため深手にはならなかったが、肩のあたりを青い魔法攻撃力が付与されたレイピアが貫いていた。


「まさかこんな奇術を使う奴もいるとはな。面白いじゃないか。より一層興味が湧いてきた……ダークフォース!」


たちまち吹き飛ばされたアントニー。透明化の魔法が解けていく。


「わからんようだな。絶望を与えてやる」


ギルバート卿はアントニーに大剣を突き刺してとどめを刺すと、闇の力を最大限に引き出した。空の穴からはさらなる闇騎士たちが出現し、さらに数多の宇宙生物が解き放たれた。瞬く間に太陽の王国アルティナは破壊され壊滅状態となった。


そして遂に……倒れ行く騎士たちの中で俺は……致命傷を負って朦朧とした意識の中で俺は……アルティナ国王が倒されるのを防げなかった。ギルバート卿はアルティナ国王から太陽の指輪を奪い取ると……世界から太陽が消えた。


宇宙から侵略してきたギルバート卿。彼が解き放った宇宙生物たちは、世界を覆う闇の力により凶悪なデーモンと化していった。闇に屈した民たちは闇落ち人となりギルバート卿の支配下となった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ