八章 勉強会で一騒動? 2
それから一時間後。僕はやっと沙奈と伊織の誤解を解き、喧嘩も収まった。みづきは友達と遊ぶと、出て行った。みのり姉もみなと兄も買い物に出かけてる。
静かに勉強できると思ったけど……。
「ねー、こーくん。ここ教えてぇ」
「うわっ。近いよ、沙奈」
「姉貴っ! それ以上お兄に近づくな! 変態っ」
「そうよ! こころが迷惑してるじゃん」
全然収まってなかった。ていうか、勉強しにきたんじゃないの?
「よっしっ。みんな! ゲームしようぜっ」
しばらく、三人が喧嘩していると本道君が叫んだ。
「ゲーム?」
「おうっ。宝探しだ!」
「宝探しって、僕ん家で?」
「そうだっ。それで、宝を見つけたら、一つかなえられるものだったら願いをかなえられる」
「お、それ面白そーだな」
「だろだろ?」
「で、誰が隠すんだ?」
「……」
しばしの沈黙。普通は僕がやるんだけど、やったほうがいいのかな。
「……俺やるよ」
大輝が静かに手を挙げた。皆が一斉に振り向く。大輝は小さく溜息をついた。
「俺、別に願いとかないし。一度、こころの家に来た事あるし。隠す方やるよ。こころ、入っちゃいけないところとかあるか?」
「え? あ、みづきの部屋と、みのり姉の部屋と、みなと兄の部屋と、僕の部屋は駄目だな」
「それって二階は全部って事か?」
「あ、そうだね」
僕の家は、二階建てであり、二階は前からみなと兄、みのり姉、みづき、僕の部屋になって、一本の廊下でつながってる。
一階は、玄関入って、右側に和室。左側に物置部屋。物置部屋の隣には、洗面所。ここも一本の廊下で、廊下の奥のドアを開けると、今ここにいるけっこう広いリビング。リビングに入って、左側にはふすまがあって、そのふすまの奥はもう一つの和室。その隣には僕のお気に入りの書斎がある。と言っても本と箪笥しかないけど。
「分かった。じゃあ、この一階だけを使って隠すから。皆は、外に出てくれ。いいといったら、入ってくれ。いいだろう?」
「いいよ。じゃ、僕ら出よっか」
「先に見つけたら勝ち。二階に行ったらその時点でアウト。宝は……こころのシャーペンでいいだろ?オッケー?」
皆が頷く。そしてぞろぞろと、家を出た。
みんなの願いって何だろう? 僕の場合はともかく喧嘩はしないということにしたいな。
愛梨の場合。
あたしは、こころに本気で付き合ってもらうんだからっ。
沙奈の場合。
一日デートしてもらおっと。
伊織の場合。
お兄に一日遊んでもらうんだ。
凛の場合。
か、鹿島くんに名前で呼んでもらいたいな。
蘭の場合。
あたしの家にきてもらおー。
翔一の場合。
別にねーけど、ま、こころと親友にでもなってもらいてーでいいか。
本道の場合。
御坂さんと、竜胆さんと、弥富姉妹と買い物に付き合ってもらうぜ!
けっこう皆燃えてます。大輝一人、冷静にこころのシャーペンを隠すのでした。
えー、勉強会ではなくなってしまいました。(汗)
さて、誰が勝つでしょうか。良かったら、アンケート取りたいと思います。誰が勝つかよかったら予想して下さい! 票が多かった人が勝ちます!