表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/51

天使再来

遅くなりました。すみません……


「な、なあ。殺し……ちゃったの?」

僕は刺された天使を見て僕はおそるおそる聞いた。


「まさか。そんな事すればベル様の世話以上に面倒な事になりますよ」


本当にブレない。


「じゃあ、コイツらどうする?このままだと人に見つかっちゃうよ」


「他の天使が回収するでしょう。そいつらに会うと面倒なのでここから離れますか」


「あ、ああ。わかったよ」


僕もここには居たくないしね。

しかしどうしよう。聞きたい事が多すぎて何から聞けばいいか分からない。

うーんうーんと唸っていると、


「すみませんが質問にはお答え出来ません」


と先に言われた。


「ええ!?なんで?」


「仮にも天使と戦闘してしまいましたからね、事後処理が大変なんです。本当に面倒な事をしてくれましたよ。訴えてやりましょうかまったく……」


では、と言い残し今井は言ってしまった。


……帰ろう。



翌日



「この度は私の部下がご迷惑をおかけしてすみませんでした!!」


ベルの部屋に行ってみたら昨日の天使2人と白い髪のこれまた美人な女性が菓子折り持って今井とベルに謝ってた。

……出ようか。昨日何かされた訳じゃないしこれは天使と悪魔の問題だから「あ、昨日居た人間」


言うなよ狙撃天使。


「ああ、あなたが!申し訳ありません。先日は危険に巻き込んでしまって……申し遅れました。私、忍耐の天使ガブリエルでございます」


「い、いえ別に襲われた訳では無いですし怪我とかもして無いので大丈夫ですよ」


ガブリエル!?よくわからんけど天使の中ではかなり有名なんじゃない?

僕でも知ってるぐらいだからね。


「すいません。これお詫びと言っては何ですが……」


そう言って菓子折りを渡してきた。遠慮無く貰おう。

……というか天使から菓子折り貰えるってかなりレアな体験じゃないだろうか。いくら熱心な信者でも体験出来ないだろう。

しかも悪魔とつるんでたから貰えたってどんな皮肉だ。

まあいいけど。

そして昨日の天使にも謝られる。一生分謝罪された気分だ。

またベルに謝る。長い。


「もういいぜガブ」


今まで黙ってたベルが話し出した。


「謝罪はもういい。それよりなんで天使が悪魔である俺を襲ったのか理由を教えてくれ。敬語じゃなくて良いから」


ガブリエルさんはため息をついてから言った。


「悪いわね、ベル」


「いいってことよ」


それからガブリエルさんは部外者である僕にもわかりやすいように説明してくれた。優しい。


悪魔払いとはいわばヒーローショーのようなもので信者獲得のための「営業」らしい。

例えばベルが悪さをしてたくさんの人を困らせる。そこでガブリエルさんが登場してベルをやっつける、様に見せる。

困ってた人から見ればガブリエルさんはヒーローだ。そこでガブリエルさんが神を信じればまた助かりますよ、とそそのかせばそれを期に助けられた人は信者になるという寸法だ。

もちろん本当に悪魔が倒される訳では無い。フリだけだ。

だが最近の若い天使は悪魔払いをただ悪魔を殺すだけと思っているらしい。

その例が昨日の天使2人だろう。


何故か。


「おそらくだけど今の天使と悪魔の気まずいだけの関係を敵対しているものと思い込んだのよ。元からそういうイメージあるしね。それに何より……」


「悪魔のトップが天使のトップにフられて気まずいという話が信じられてないのが一番の問題だろうぜ」


そう。そうなのだ。それが一番の問題なんだろう。

だが簡単に信じられない気持ちも分かる。

今まで対立していた歴史が嘘に近いもので、天使と悪魔の仲が気まずいのは中学生みたいな理由なんですと言われてもすぐ信じられないだろう。(僕は天使や悪魔のことを名前位しか知らなかったし本物の悪魔が言ったことだからと簡単に信じた)


「今はまだ少数だけどこれから増えていくでしょうね。最悪の場合天使と悪魔の戦争が起こるわよ」


これの原因が中学生みたいな理由なんだと考えると馬鹿らしく思える。


「チクショウ。どれもこれも魔王のせいじゃねぇか。普通仕事が多くて忙しいときに告るかフツー?」


「ウチの天使長だってそうよ。魔王のこと好きな癖に告白されたらテンパってフっちゃっていまだに後悔してるのよ?2000年愚痴を聞かされる私の身にもなりなさいよまったく……」


お二方溜まってらっしゃる。


「じゃあもう2人くっつければ?ほらトップ同士が仲良かったら戦争とかおきないんじゃない?」

名付けてニセ○イ大作戦。


するとベルとガブリエルさんが待ってましたと言わんばかりの勢いで、


「よし、それで行こう!!」


と言った。


「お前が責任者な!俺らも手伝うけど大体お前がやれよ!」


え、ええ!?


「そうね、言い出しっぺだものね」


ガブリエルさん?ちょっと?

何も言えないまま決められてしまった。

そんな僕を今井が憐れみの目で見ている。



これもしかして嵌められた?



********************************************************


オマケ

「なあなんで俺を殺そうとしたの?はい、答えなさい」


「七つの大罪クラスの悪魔を倒せば速く昇格出来ると思って……その中で一番弱そうなのがあなただったから」


「ハッハッハ、そんな事あなた達に出来るなら私がとっくに寝首欠いてますよ」


「まあ俺伝説でもそんな悪いことしてないしね」


「ええ、ベル様が悪いのは顔と頭ぐらいですよ」


本当にブレない。



次回、何故ベルが便器に座っているのか。その理由が明らかに

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ