表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

窓際で眠る

作者: 緑熊猫閣下
掲載日:2017/01/22

窓際に座って、日向ぼっこ。優しい光を浴び、熱で身体がぽかぽかしてくる。外の通りからは、車の走る音がする。今日はお出かけ日和だろう。


小鳥が飛んでいくのが見えた。風にふわりふわりと乗りながら、どんどん小さくなって、ずっと向こうに消えていく。


大きなあくびを1つ。白い手に、顎を乗せ、目を閉じた。陽の光を、まぶた越しに感じる。このまま寝てしまうのもいいかもしれない。


まどろんで、聞こえる音に耳を傾けながら、体の力が抜けていく。足だけ、少し伸ばしてしまおうか。


すっかり気の抜けた体は、足をだらしなく投げだした。私の白い身体は、陽の光を浴びてさらに白さを増している。


手に顎をのせたまま、このまま全部投げだして窓に身を預けても良いかもしれない。

あぁ、でも、窓の桟は熱いから。このままで。私の真っ白な身体が焼けてしまうかもしれないから。


どうして陽の光はこんなにも気持ちがいいのだろうか。まぶたごしの、白い光は私を眠りに誘う。


窓の外から、行き交う人の足音。その1つが、こちらに近づいてきた。それを追いかけるようにもう1つ。耳だけそばだてて、うとうと。


ビニール袋の鳴る音と、急いだ足音。まぶたごしの白い光に、影が差す。あぁ、目の前に来た。


「おかあさん、ねこ!まっしろ!」


子どもの甲高い声は、窓越しでも大きく聞こえた。応えるように、しっぽを揺らしてやる。


「うん、猫さんだね。でも、おやすみしているから、静かにね。」


「しー、ね。」


ビニール袋が鳴る音もなくなり、子どもの興奮した息づかいと、陽の光を遮る影が、ちょっとうっとおしいくらい。このまま知らん顔して寝ていよう。顎をのせた手を組み替え、しっぽを少し揺らす。このまま、ほっといて。


何度か車の通る音がした。人が通って、バイクが通って。小鳥が鳴いて。ビニールの鳴る音がして、ゆっくりと影が遠ざかっていく。白い光が戻ってきた。


子どもの興奮する声を遠くに聞きながら、今度は、身体を窓に預ける。横になった身体は、窓際いっぱいに広がって、陽の光が当たる。なんて、気持ちいいんだろう。


外の通りで、車が走る音がする。白い光を浴びながら、だらしなく手足を投げだして、もうひと眠り。あぁ、あたたかい。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 終始安定して読める美文で、こちらまで暖かくなり眠くなりま……。笑 劇的な展開はありませんが、文章が安定してるので最後まで読みやすかったです。太陽が恋しくなる癒し系ストーリー。 引用すみません…
[良い点] ほのぼのとした雰囲気がとても好きです。 日向ぼっこしている猫とかを見ていると、色々な想像が膨らみますよね。とてもほんわかした気持ちになりました。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ