窓際で眠る
窓際に座って、日向ぼっこ。優しい光を浴び、熱で身体がぽかぽかしてくる。外の通りからは、車の走る音がする。今日はお出かけ日和だろう。
小鳥が飛んでいくのが見えた。風にふわりふわりと乗りながら、どんどん小さくなって、ずっと向こうに消えていく。
大きなあくびを1つ。白い手に、顎を乗せ、目を閉じた。陽の光を、まぶた越しに感じる。このまま寝てしまうのもいいかもしれない。
まどろんで、聞こえる音に耳を傾けながら、体の力が抜けていく。足だけ、少し伸ばしてしまおうか。
すっかり気の抜けた体は、足をだらしなく投げだした。私の白い身体は、陽の光を浴びてさらに白さを増している。
手に顎をのせたまま、このまま全部投げだして窓に身を預けても良いかもしれない。
あぁ、でも、窓の桟は熱いから。このままで。私の真っ白な身体が焼けてしまうかもしれないから。
どうして陽の光はこんなにも気持ちがいいのだろうか。まぶたごしの、白い光は私を眠りに誘う。
窓の外から、行き交う人の足音。その1つが、こちらに近づいてきた。それを追いかけるようにもう1つ。耳だけそばだてて、うとうと。
ビニール袋の鳴る音と、急いだ足音。まぶたごしの白い光に、影が差す。あぁ、目の前に来た。
「おかあさん、ねこ!まっしろ!」
子どもの甲高い声は、窓越しでも大きく聞こえた。応えるように、しっぽを揺らしてやる。
「うん、猫さんだね。でも、おやすみしているから、静かにね。」
「しー、ね。」
ビニール袋が鳴る音もなくなり、子どもの興奮した息づかいと、陽の光を遮る影が、ちょっとうっとおしいくらい。このまま知らん顔して寝ていよう。顎をのせた手を組み替え、しっぽを少し揺らす。このまま、ほっといて。
何度か車の通る音がした。人が通って、バイクが通って。小鳥が鳴いて。ビニールの鳴る音がして、ゆっくりと影が遠ざかっていく。白い光が戻ってきた。
子どもの興奮する声を遠くに聞きながら、今度は、身体を窓に預ける。横になった身体は、窓際いっぱいに広がって、陽の光が当たる。なんて、気持ちいいんだろう。
外の通りで、車が走る音がする。白い光を浴びながら、だらしなく手足を投げだして、もうひと眠り。あぁ、あたたかい。




