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もふもふ姫…‼︎恐怖の救出劇!

木々1つもない荒れ果てた大地で、

もふもふ姫は鉄網の籠の中…

恐怖に襲われていた。




ガァオォォォォォォォォォォオッッ!!




ちょっと!

野生の何かがいるんじゃないの!?

先ほど聞こえたあの吠えのおかげで、私のふわふわしっぽは、本能で強者がいる事を感じ取ったのか、尻の下へと逃げてきたわよ!




そーいえば、私を攫った汚いイタチの男達は私をレフィス王国へと運びたいらしい…。ラルグお父さま、ミリーナお母様…。これから自分の身に起こる事がとても怖い。そう頭が理解した時、瞳からポロっと雨が降った…。



荷馬車は、少しだけカーテンがめくれていてそこから、月の光が差し込む。

今日は、満月なのね…

転生してから、夜はいつも守られながら寝ていたから、今、とても美しく見えるこの月は雨をもっと降らせた。





「キュ…ッキュンキュン…」



誰か…たすけて…




ザッザッザッ!

『ガァオォォォォォォ!!!!!!』




「うわぁぁぁぁ!!!ヒィッなっなんで〝金の獅子″がここに!」



「お前ら!立て!馬を走らせろ!

正面から挑んで勝てねぇ相手だ!」



え?ちょっ…!

あの吠え主が来ちゃってるの⁉︎

まじかよ!うわ!オナラ臭ッ!

本当にこの臭さやばい!くっさ!

こいつらイタチ…ハッ!

こういうのって何て言うんだっけ…




「イタチの最後っ屁だわ!!」



「「ギャァァァァ!!!」」」」」




…今の叫び声と、この臭さ…


え?シーンってなってない?…

え?イタチ達お前ら!私を置いてぇぇぇ!

へるぷみー!まだ生きたい!


ザッザッザッ


何か外で足音が聞こえる。

荷馬車のカーテンの隙間から、

その人物の髪がみえた。




トクントクン…




本当に綺麗な金髪…

そして、

その人物がゆっくりと

カーテンを持ち上げた…。




トクントクン…





あぁ、私はなんでこの人を怖いだなんて思ってしまったの…

背後に綺麗な月を映してその人は言った。






「ルーナ姫、やっと出会えた。」








いつの間にか、私は鉄網の籠から彼によって外に出されていた。



トクントクン…

私に跪く様な姿勢をとった彼。

彼に目を奪われて、身じろぎもできない。

言葉1つも出ない。

そんな私を見た彼は、

その研ぎ澄まされた刃の様な瞳を細め、



「我、アルテミス・ムゥ・ラフィスタニア


ルーナ・ウィニコット・ヒューズに


ここに誓いを、たてる。


汝を愛し、汝をいかなる者から守り、


汝の憂いは、我が晴らす。 」





「ルーナ姫… 私の唯一の番。

貴方を一目見た時から俺は決めていた。

貴方はまだ幼い…。

私と貴方は番だが、

まだ貴方は俺と共に居るより、

貴方の家族、 侍従達、 国民達に

愛されていた方が幸せ… だな。 」



歳はレオン兄さまぐらいだろうか…。

彼に言われている言葉が何一つ分からない。

彼の金の瞳と私の銀の瞳が重なる。


今は半獣人化している私の白銀の髪を

彼の手が優しく撫でる。




そして、

彼の顔が私に少しずつ近づいたその時!







「「「てめぇ!この腐れ男ォォォォオ!

ルーナから離れロォォォッ‼︎ 」」」







彼めがけて、

レオン兄さまは投げナイフ、

ルシオ兄さまは棍棒、

ピリン兄さまは愛読していた本を、





妹のファーストキッスの危機を感じた

三兄弟は、思いっきり投げつけた。





え?その後のこと?

あぁ…、

兄さま達が投げたものを軽々と避けて、

ライオン姿になって、

私を背に乗せて、城まで送ってくれたのよ!


…後ろに嫉妬に狂ったシスコン達…

いや、ピリン兄さまは、

2人を止めに入って飛ばされている。


えええええぇ!吹っ飛んでる!?

ピリン兄さまぁぁぁ!!


彼の心の安らぎを願おう。




お城で、瞳を潤ませたお母様と

心から安堵したらしいお父様は、

私を長い間抱きしめていた。





あの後、再開したシャナに、

彼が兄だと紹介されたときは

思わず口をあんぐりさせて

意識を遠くに放り出してしまった。





〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜





イタチなんぞに彼女が攫われたと聞いて、

己の心のまますぐ走り出してしまった。

彼女の居場所はわからない筈なのに、

こっちに彼女はいる…と

何故か分かる自分がいて笑ってしまう。



そして、〝奴ら″を見つけ、

幻術を使い気絶させた後、

彼女がいるであろう荷馬車に近づいた…




愛する妹を助けに来たその結果、

愛読していた本を一つ失い、

イタチ達より重症を負った

ピリン兄さまであった。

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