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〇〇フラグは既に…


「オイ!早くしろ!!レフィス王国に入って姫さん渡してしまえばこっちのモンなんだよ!」


「ヒィッ…‼︎ そっそんな事言われましても、こいつら、言うこと聞かねえんですよ!」


えーえー、わたくしルーナ…。

今は、荷馬車にごとごと揺られている。

強面のおっちゃん達、怖ええぇ!


明日は私の5歳のお誕生日パーティー…。

今の時間帯ならば、

お母さまとお父さまに挟まれて、

夢の中へと旅立っている筈だったのだが…。

現在、甘酸っぱい果実をちびちび食べております。何やら周囲がうるさいが、

こうなりゃあ、現実逃避だぁぁぁ!


揺れる鉄網の籠の中、

1匹の銀のもふもふ姫は

ひたすら食べる。






お菓子に誘惑されて、

盗賊に誘拐されました。





〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜




今日は、私の5歳の誕生祭の準備で、貴族・平民・各国のお偉い方達の対応で大忙しであった。



主役である私は、隣国に位置する私たちと同じ獣人の国のシャナ王女と庭園で隠れんぼをしていて、遊んでいた。


シャナは、ライオンの獣人であるが、今はまだ子供…。可愛いいぃ!ハァハァ…。

アッ冗談です。ハイ!

シャナは、初めは気品が高くて、THE姫っていう感じだったが、慣れないお茶会で戸惑っていた私に声をかけてくれた心優しい少女だった。

今では唯一の友である。

たまに、凄い狩人の目で見られるが、

私は愛でる事を諦めないぞぉぉぉ!!

シャナは、金の瞳と毛並みをしている。

シャナの国であるラフィスタニア王国の王族の特徴は、金の瞳と輝く毛並みとレオン兄さまから聞いた事がある。


「ルーナ。夢の中から戻ってきなしゃぁい!シャナは、ぷんぷんですにゃあ!ヨダレがたれていますわよ!」


「ハッ‼︎ シャナごめん!

シャナが可愛すぎてみとれてた!」


「ゔぅ…!

そんな事で騙されないわ!!ルーナ!

貴方は大人しくこれでもお食べなさい!」




「モゴォォッ!?」うん!美味!


顔を真っ赤にして、耳がピンと立ち、尻尾が恐るべし速さで揺れている。そんなシャナがイチゴのクッキーを私の口の中に入れてくれた…!ツンデレ可愛いいぃ!ハァハァ…‼︎


「わたし、シャナみたいな妹が欲しい!」

シャナに抱きつき、


尻尾をブンブンさせながら言うと、

シャナは顔を真っ赤にした。可愛すぎる!



「まぁ!嬉しい事仰いますのね!私もルーナの妹というのは癪に障るけど、家族になりたいわぁー!ルーナなら大歓迎ですわ!そうだ!お兄様を呼んできますわ!」


シャナは何かをひらめいたのか、

天然縦巻きロールの髪をなびかせて、

どこかに走り去ってしまった。


「えぇ! シャナ⁉︎ ミリー!追いかけて!

シャナは方向音痴よ!」


「えぇ〜ッ!まじですか!っていうか彼女の従者はどこですかぁぁ!

今良いところなんですけどー…「いいから!

バーベル置いていけぇぇぇ!」…ハイ。」



私に促され、相変わらず筋トレしていたミリーはバーベルを置いてシャナを追いかけて行った…いや!バーベル置いたフリだけしやがった!凄い良い笑顔ですねぇ!


ふぅ、バカ広い庭園で

一人ぼっちとなってしまった…。うぅ寂しい!

何かしようかなぁ…。

このまま2人を待っているべきなぁ…。

そんな物思いに伏せっていると、



ガサッ。


ガサガサッ。


ガサガサガサッッ!!!!



自分の後ろでとてつもなく音がした。

ビビって勢いよく振り向いたら…

「きみゃぁぁあ!…って、こんな所にお茶会セットなんてあったかな?」


美しい庭園に似合わない簡素な丸テーブルがいつの間にか私の後ろにあった。

…というか、テーブルの上に置いてあるこの紫色のクッキー…たった1つしかないじゃない!!辺りを見回しても、誰も居ない…。

バレないよね…?

垂れるヨダレを放置して紫色のクッキーに恐る恐る手を伸ばした…。


そのあとはなぜかこの鉄網の籠の中に居た。



いつか、誰か言っていたなぁ。

っていうか、

この前誘拐フラグ立っていたァァ!!!!


誰かぁぁぁ!

へるぷみーぃぃぃ!!!!



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


そして、今現在に至る…。


フラグは既に立っていた笑

主人公が誘拐されたと知ったふわふわ家族の暴走は凄いんだろうなぁ…。

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