ふわふわの腕に包まれて
家族の愛情の暖かさ
圧倒的な力を持つ
ヒクスベークルト王国は獣人の国である。
今、500年間待ちに待ったラルグ国王の末の子の誕生を国全体で祝い、活気づいている。
〜王宮〜
うみゅー。。
「ミュゥゥ〜
(あうぅ…おとーしゃま。
もっと丁寧に舐めてぇー…)」
現在馬鹿でかい狼(父)に
毛づくろいされております、どーぞー!
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
あの後、病院に運ばれたけれども
脳のダメージが大きかったみたい。
私を呼ぶ声が聞こえて力を振り絞り、何とか目を開けると、家族と友人が泣きながら私に何か言っていた。
あぁ、自分死んじゃうのかなぁ…。
薄れゆく意識の中で、
うぅ、親孝行出来なかった…!すまねぇ!
友人A子B子よ…
友達になってくれてありがとう…‼︎
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
前世の記憶はここまでだ。
そして今私は感動している…!!
生まれたばっかの頃、
室内にある鏡に映る自分の姿をみて
感動に震えた…
すっごい可愛いい!!!!!
前世でいうと、
似ているのはポメラ○アンだ!!
ふわふわの白銀色の毛で覆われていて、瞳はそう…それはまるで透き通る青空のごとく空色、そして耳は垂れ下がっているし!!うぁぁぁぁ!
くっ悔しい…‼︎自分で自分を愛でたい…‼︎
もふもふ堪能したいいぃ!
「みゅうううぅ!(もふもふぅぅ‼︎)」
たまらず欲望を叫んでしまった。
『愛しい姫よ…
大人しくしなさい。』
因みに、現在、おとーしゃまの前足の間に挟まれて毛づくろいされている状況です。
おとーしゃまは、獣姿は狼みたいで、
私と同じ白銀の毛で覆われていて
瞳はわたしと違い、金色だ。
ちなみにサイズがすごくでかい。
高さ、横何mなんだよって位で、
他の私の兄弟達もおとーしゃまの姿に
怯えて逃げ回っていたという話だが、
わたしはおとーしゃまが大好きだ!
わたしが全く怯えないで、
おとーしゃまの背中に張り付いたり、
おとーしゃまが構ってくれないと
足元で可愛くきゅんきゅん
鳴いて甘えていたら、
凛々しかった おとーしゃまが
親バカになってしまった笑
凛々しい瞳は金色で…かっこいいいい!
最後におとーしゃまの人型は
凄い美形でワイルドイケメンだった…
かあさまも天使みたいな儚げ美女で、
ちなみにわたしの瞳は
かあさまの遺伝だ。
かあさまは凄い優しい。
時折、笑いながら父を
思いっきり吹き飛ばしているが
見て見ぬ振りをしよう…
私の他の兄弟は上に3人いて、全員男だ。
そして、清々しい程の
シスコン美形共だった。
わたしはまだ生まれたばっかで
魔力が上手く使えなくて、
人型はとれないが、
可愛い顔になれますように
願っとこう………うみゃ…かな…
うとうとしている私に
気が付いたおとーしゃまが人型になり、
わたしを優しく抱きあげた。
産後で療養中のかあさまがいるベッドに
向かっていった。
本来ならば私は生まれなかったかもしれなかった。かあさまの身体も負担が大きく、
難産だったらしい。
おとーしゃまが、かあさまに私を渡し、
いつものように
かあさまと私の頬にお休み前のキスをした。
暖かい2人の腕に包まれて、
心がほわほわしながら
目を閉じた。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
目を閉じた時、
前世の自分の家族、友人に…
『×××××…』
あの時言えなかった
別れを告げた…。
2話目投稿です!
この時、主人公はまだ0歳です。