もふもふ訓練
本気で強くなるぜー!
ルーナは100歳になってから、
ミリーナ母様の指導の下に
剣と魔法の訓練を受けている。
因みにヒスイも共に訓練を受けている。
なぜヒスイも一緒に訓練を受けるのかという疑問については…多分私が影響させてしまったのだろう…。
先日、いつもの様に私の足に無邪気に抱きつきながら無垢の瞳で見つめてくる天使ヒスイに先日、奥歯を噛み締めながら決死の思いでこう言った。
「お姉さまはこれからしばらくの間、
訓練を受けるからヒスイと
一緒に遊べないのよ。」
「そ、そんな…グスッ」
その時のヒスイの反応は忘れられない。
ショックで顔が真っ白になり、
体が固まっていた。
まだ幼く力のコントロールが
うまく出来なくて、
人化が難しいヒスイは半獣人姿なのだが、
耳と尻尾がシュン…と下に落ちる姿は
とても心にグッときた。
ごめんなさいいいいいい!!!
許せ!弟よ!
お姉さまが訓練を乗り越えて、
また遊ぶからぁぁぁぁぁ!!!
私が心を鬼にしようと踏ん張っていると、そこへ天使の姿をした悪魔がやってきてしまった…。
「あら?ヒスイも一緒に受ければいいじゃない。ふふっお母様が特別に2人とも指導してあげるわ。」
「「本当ですか!お母しゃま大好き!」」
私たち2人は最愛の母の足元で
2人で無邪気にキュンキュン喜びの追いかけっこをしていた。
私たちを見ながらお母様の笑みが深くなった事に気付かずに……
私たち2人の訓練はピリン兄様の
魔法騎士団専用の訓練所で行っていた。
そして、私たちは涙を流しながら
真剣を振っていた。
「オラァァァァァ!!!!
もっと早く剣を振れえええええ!!
ルーナ!手を休めるなぁぁぁぁ!!
ヒスイ!お前は男だろう!泣くな!
お前たち掛け声はどうしたぁぁ!!」
「「はい!1!2!3!
ファイヤーー!(泣)」」
因みにお母様はこの王国で歴代最強の騎士と謳われた伝説の女騎士だったらしい…。
ルシオ兄様があんなに脳筋な理由が
よく知りたくも無いのに
知ってしまった私とヒスイであった。
因みになぜかミリーも
この訓練に密やかに参加していて、お母様と笑顔で固く握手を交わしていた。
そしてピリン兄様率いる騎士団の方々はピリン兄様筆頭にお腹に手を添えながら訓練所の隅で哀れみの視線をこちらに向けていた。
こうして、私たちはお母様監督の下、
血の滲む努力を日々積み重ねて、
お母様の最終試験である、
王国内で開催される言わば力比べの様な大会に出場して優勝しなければならなくなった。
私たちが狙うは2人組みで戦うチーム戦枠の優勝である。
因みに私の相方はもちろんヒスイである。
休憩中の時に
ヒスイは私に何かを決心した様に
こう語った。
「お姉さま…僕は生きます。」
どうしてか、私はその言葉を聞き、
ヒスイの肩を組みながら
涙を流してしまった。
ここで1つ余談だが、
いつも笑顔を絶やさない穏やかなお母様の腕や足には細いとみせかけてよく見ると筋肉フェチのミリーが喜びそうなムッキムキの筋肉が見えた。
ちらりとミリーを探すと、案の定スクワットしながらお母様の筋肉美を画用紙に書き写していた。
「…。」
ん?ミリーとお母様を見ていた私の視界の隅に先ほど私の隣で力尽きた様に転がっていた筈のヒスイがいない…。
ハッ!!!!!
もふもふ獣型のヒスイが前足歩行で尻尾を胴体の下に挟みながら訓練所の出口へ逃亡を謀る姿が映った。
…って!ギャァァァァ!!!!
ヒスイ!やめるんだ!
お前は山で3年間生き抜いた男だろう!
は!ミリーと語っていたお母様が…
ヒスイの方を向いて笑顔が無表情となり
その場から一瞬で消えた…。
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〜時は戻り2時間ちょい前〜
この訓練始まる前くらいにお母様が、
なぜか震える私たち2人を地面に正座させてまるで少女みたいに笑顔で仰ったあの呪いの言葉…
『何かやらかそうとしたら
2人とも連帯責任ね♡』
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ヒスイという少年は
ただ大好きな己の可愛い姉と
和やかに過ごしたかっただけなのである。
「後、少しで出られる…!!」
そして少年は目の前に見えてきた出口を前に安堵して、瞬きして目を開けた瞬間、
…無表情の魔王がいた。
「ヒスイ」
「ヒィッ!!!!」
「ミィツケタァァァ(ニコッ)」
「ギャァァァァァァァァァァ!!!!」
投稿遅れました(⌒-⌒; )
久しぶりに見たブックマーク登録数に驚いて急いで仕上げました。
ミリーナ'sフットキャンプの
全貌は明らかにされません。
「オラァァァァァァァァァァァ!!」
「「ヒィイイイイイ!!」」
「作者ぁぁぁぁ!!!」
「え?ギャァァァァ!
更新遅れてごめんなさいいいい!」