表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/24

ギャーッ!!…って誰?

熱から復帰後のお話。

んみゅんみゅ…。


フワフワァ。



お花のいい匂い。


この香りは嗅いだことある…


…どこで?


遠い昔のような…?





『 ××ねぇちゃん!!』

『〜俺のせいだ…!!!!!』




だれか、呼んでる?

だれか、泣いてる?

どうして?


わたし?





「なる…起きなさい。

まだお寝坊さんは直っていなかったのね」




優しい声が聞こえた。

わたしのあたまを

優しく撫でるその手はとても心地良い。


けれど、その手がわたしを撫でる度に、


『わたしの名前はなる、白咲なる!』


『〜君って言うのね!』


女の子の声が聞こえてくる。



「なる、目覚めなさい…」


その声に誘われて、目をゆっくりと開く。

まだボヤける視界の中にいたのは、

前世のわたし?の死んだおばぁちゃん?




「綾乃おばぁちゃん!!!!!??」



いや、可笑しいぞ?綾乃おばぁちゃんは、こんなに若くない…。私と同い年くらいだし。ん?〝わたしと″?


驚いたことに、

今のわたしの姿は前世の姿だった。


もしかして、今までのが夢だったの!?


謎の白い空間の中で、

1人混乱になっていると、

おばぁちゃんが眉間にシワ寄せて深いため息をついた。おばぁちゃんが少し怒った時の態度だ…。本物?


「ルーナ、よくお聞きなさい。」


あ、はい。

おばぁちゃんの目の前に正座して座る。


そんなわたしをみて、おばぁちゃんがまた1つため息をつく。

「龍くんが…というか、貴方の家族全員が

異世界に行った貴方を追いかけて行ったわ」





はい?



「遠い昔の私たちの祖先は、

貴方が今いる異世界のヒトだったのよ。」


おばぁちゃんが、その麗しい顔を歪ませた。

そんなおばぁちゃんの背後に1つの映像が浮かび上がった。





その映像を見たとき、

ばったんきゅーした…。










「×××…」



は!!眼が覚めると、

あの不思議空間から戻ってきていた。


ハァ変な夢を見た。

まだ夜だしもう一回寝よ〜か………な?

わたしは、ベッドの上で呆然とした。


上からのぞき込んでいるのは…





「もしかして、貴方がルーナ姫?」

「もしかしなくても姫だろうが!」

「お前ら、口を慎め…(ゴゴゴゴゴゴッ 」







え?だれっすか。








わたしの寝台を囲うように、

3人の人影がある。

夜目を効かし、目を凝らす。

闇に溶ける黒一色の彼ら…もしかしてだけどやばい状況…!?

彼らはまだ、何かを言い争っている。


私の部屋付きの衛兵の方たち…は、

大丈夫かなぁ…。

彼らをみていると、

誘拐事件のことを思い出してしまった。

身体が震えてしまう。

おとうさま、おかあさま…

にいさま達のところへ逃げないと…‼︎

ギャーギャー叫び合っている彼らは、

私に注意を向けていない…。

ゴクッと込み上がる唾を飲みこむ。


冷静になるんだ…

ここから逃げれるチャンスはあるはず…‼︎

しっかりしろ!私はもふもふ姫!




…………えぇい!

強行突破ダァァァァ!!!!!!!!!





部屋の扉の方へ、スタートダッシュした。






扉へ走り行く時の景色は

スローモーションの様であった。

そして、その間考えた事は、ただ1つ。

(…コレ…脳筋作戦すぎやしねぇか…?)


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜




今、ミリーメイド服のポケットの中に

獣化して、潜り込んでいる。


尻尾は隠せなかったが…。



「ルーナ姫、この者達が怖がらせてしまい、

申し訳ありません。」



「ルーナ、いい加減に出て来なさい。」



「ピュウゥ!?!きゅんきゅん!!!」



あの後、私が猛ダッシュして

扉の目の前に来たとき、

よっしゃー!扉の一歩手前〜つるんッ…え?



→メイドさん達のお仕事の

完璧さを思い知った(転んだ)



そして、もう一回夢の中へと旅立って、

目覚めたとき、私は

それは真の魔王…ごほん。

鬼の形相のお父様と対面して、


「ギャァァァァァァア!!!!!!」


絶叫した…。



そして、私の突然の絶叫にビックリして私を抱いていたその手の力が緩んだところを狙って、いつの間にか居たミリーのメイド服のポケットの中へと逃げた。



え?頭隠して尻隠さず?

知るか。





そして、今の状況にいたります。

ちょっとミリースクワットしないで!

上下に揺れて、おええぇ!



…ごめんなさいお父様。

わたしは、ホラーが大の苦手なのです。

あ!だれだ!

外に飛び出しているわたしのもふもふ尻尾をふにふにしてるのは!!

とりあえず、尻尾でそいつの手を

力強く叩き落とす。


「いってぇ!!!

おれ、姫さんに嫌われたかな?」


「オーホッホッホッ!ざまぁ、みなさい。

ハンク、貴方みたいなおバカさんは、

オヒメ様に触れる資格は無いのよ!

オーホッホッホッ!!!」


上から、チャラそうな男の声と、

なんか、すっごいおーほっほっ…ゲホッ。

甲高い女性の声が聞こえた。


「ハンク、ジャスミン!

お前達、いい加減にしろ!!!」


あ…そういえばさっきから話しかけてきてくれる男の人の声…とてもタイプだなぁ。

…見てみたい。


チラッ


…ポケットの中へ引っ込んだ。

ぐふっイケメンだった…。

ごちそうさまです!


良い人そうだったから思い切って外へ出た。

その瞬間、お父様に首筋を噛まれた。

そして、お父様の身体に包まれた。




グルルルルル…

(ルーナ、そろそろ大人しくしなさい。)

キュンキュン!!

(そんなぁ!お父さま!私悪くないです!)


グルルルルルルルルルルッ!!!

(病み上がりだから

大人しくしろいっているんだ!

久しぶりにお仕置きしてやろうか!!)


キュルルルルルルル!!!?

(結構です!!お父様大好き!イケメン!)




「お話し中失礼します。」

あ!ここで救世主…!!この状態の私たちに話しかけるあんたはヒーローだよ!


そんな彼らを流石に無下にもできないので、

お父様のもふもふ腕の中から顔だけを出す。


あ…さっきのイケメンだぁ。なんか偉そう。

あれ?片手が腹に据えられているぞ?

このポーズは誰かさんと似ているなぁ。

よく見るしね。流行りかな?


「まずは姫様に、ご無礼をしてしまい、

申し訳ありませんでした。

我らは、影の部隊として

常に影で働かせて頂いています。

そして、お気づきかもしれませんが、

はい、我らは狼種…一応王族です。

式典には参加しております。」


え?えええええぇ!?

よく見てみると、彼らには、

私がよく見た耳と尻尾がある!!

もふもふしてぇ…。

でも、私たちとは色が違う。


そんな、彼らをガン見している私を見て、

恐らく隊長さんだと思われる人は、

苦笑した。


「我らは、

純血の王族ではありませんので。」


あぁ、なるほど。



「今回、姫様には影の部隊の者を

数名控えさせて頂くことにしました。

かといって、ミリー殿のような表に出ている護衛の方ではなく、姫様が危ない時にしかはっきりと現れない護衛です。」


隊長さん?が、そう説明すると、

さっきのチャラ男とおーほっほっ…お姉様が片膝ついた。


「「我ら、影の部隊。貴方を守ります」」



おぉ…すごい…。

要するに、新しい護衛さんかな?

それなら、ちゃんと挨拶をしないと。


お父様の腕から脱出して、

人化して、まだ幼い手を彼らに突き出す。


「わたしはまだ戦う能力を得ていません。

頼りない主となってしまいます。

わたしはこれから守られてばかりでは

いけません。

時には貴方たちに、

教えを請うかもしれません。

わたしは今沢山の人に守られています。

ですが、戦場となった時に

彼らはきっと 私を守り、

死んでしまうかもしれません。

私は、大切な方達を守りたい。

この国の民達を守りたい。


不甲斐ない主になりますが、

それでも、よろしいですか?」


いけない、声が震えてしまった。

視界がボヤける。

咄嗟に下を向く。


彼らから、返事は来ない。

やっぱり嫌だったかな…。


出した手を落とそうとした時、





ガッ!!!





え?



「やだ…涙が止まらないわぁ〜!!

なんて良い子なのぉぉぉ!!グスッ」



私の手を縋るように握るのは、

高笑いしていたお姉様だった。

今は号泣しすぎて、化粧が…。



「バカ、ジャスミン。

姫様の手は優しく握れ!

姫様、俺はハンクと申します。

貴方さまは、俺からしたら十分偉大です。

いま、 貴方に仕えたい…。

そう、思いました。


貴方はいま、

俺とこの馬鹿女の主人となりました。


よろしくお願いします。」



どうしようか…。

涙が止まらない。




彼らの騎士の誓いの言葉を聞き、

後ろにいるお父様に抱きついた。



そして、暖かいものに包まれて、

また眠りについた。










「私は…。ルーナ。」


もう、白咲なるではない。

でも、お母さんとお父さん。

弟の龍の事が気になる。

私のもう1つの家族。





この世界のどこにいるの?





〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

混血

自分の種族とは異なる種族の人と結婚して、

生まれた子供。






最近、胃を痛めている者達が

多くなってきたナァーと思います。



お暇な方は感想欄も見てくださいね(^-^)

色々と答えています。

暖かいコメントに涙ほろほろです、、、

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ