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四十一話目

「さて……これが今回の入部希望者かな?」

 小林先生が満足げに頷きながら俺たちの方を見渡す。

 ここにいる新入部員はやはり俺と例の三人。彼らも自分の中で踏ん切りがついたのか、覚悟を決めた顔をしている。普段からは感じることのできない気迫も纏っていた。

「うん。それじゃあ希望楽器と軽い自己紹介よろしくね」

「はい」

 その言葉を受けて一番右端の燐が立ち上がる。

「パーカッション希望、榊原燐です。先輩方に負けないよう、精進していきます」

 さすが燐だ。かつて部長をやっていたこともあってその口調は立派なものだった。

 彼女が座ると同時、次は千尋が立ち上がる。

「トロンボーン希望、観音崎千尋です。これからよろしくお願いします」

 緊張しているのか、若干上ずった声だったが、先輩方からの温かい拍手を受けると破顔して胸を撫で下ろした。

「トランペット希望! 小坂虎之助です! 頑張ります!」

 千尋が言い終わるのを待たずトラが勢いよく立ちあがり、威勢のいい声で叫んだ。一応文化部のはずだが完全にノリが体育会系だった。

 そして次はいよいよ……俺の番だ。

「チューバ希望、樫井麗一です。経験は全くありませんが……必ず上手くなってみせます」

 これは誓いだ。先輩に、先生に、何より自分に対する。

「……よし。じゃあ、自己紹介も終わったところで俺から一つ言わせて」

 小林先生がすっと前に歩み出て俺たちを強く見据え……たかと思うと今度はにっこりとほほ笑み、

「ようこそ、吹奏楽部へ。歓迎するよ」

 俺たちに手を差し伸べた。その手は大きく、たくましく、とても優しそうだった――。


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