4話
俺と椎名はカフェでコーヒーとサンドイッチを2人分頼み、俺が体験した摩訶不思議体験をそのまま、嘘偽りなく話した。
「ふむふむ、簡単にまとめるとゲームを始めようとして、アバターを作ったところで
Errorになって、気がついたらジョブもスキルも勝手に決まってる美少女アバターになってたってこと?」
「Exactly」
「うん。全然意味わかんないね!」
椎名よ。素晴らしい笑顔でそんなこと言わないでくれよ…。確かに俺も当事者じゃなかったら、なにいってんだコイツとか早く何とかしないと、とか思うけども!
「なぁ、俺はどうすればいいと思う?」
「いやぁ、私に聞かれても…。普通にゲームを楽しめばいいんじゃない?メイ兄のジョブとか聞いたことないし。掲示板とかの情報サイトでも見たことないよ。
でも逆に考えてみるとさ、未確認のジョブってことは誰にも真似できないプレイができるってことだからすっごく楽しそうなんだけど!」
「そ、そうだよな!」
目から鱗が落ちる発言だわ。生粋のゲーマーである椎名に相談して良かったと心から思った。(相談する人は他にいないんだけどね…)未確認ってことはレアジョブかもしれないし、極めれば強いジョブの可能性もある。なにも悲観することもない、このジョブの価値は俺自身にかかっているってことだな!!燃えてきたぁ!!
「あはは!さっきまで暗い顔してたけど、もう大丈夫そうだね!今、すごく楽しそうな顔してるよメイ兄」
「いや、椎名のおかげだよ!ありがとな!!」
「うん!あ、あとメイ兄。ゲーム中はPL名で呼んでね。私のPL名はシーナだからね」
「リアルとあんまり変わらないじゃん。ま、了解。宜しくシーナ」
「メイ兄だって同じじゃん!宜しくね!」
シーナに相談して俺の目標ができた!まずはこのジョブを使いこなす!!
使いこなす為には、やっぱり戦闘だよな。俺1人でじゃ厳しくてもシーナがいればフォローもしてくれるだろうし、最初は手伝ってもらって、コツを掴んできたらソロでも狩れるようにならないとな。
あ、そういえば、シーナにまだ伝えてない問題があったんだが…どうしよう。
言うのも恥ずかしいし、だって女の子アバターにアレが付いてるって…完全にセクハラ発言じゃねぇか……。
「どうしたのメイ兄?また難しい顔になってるよ?まだ悩みがあるんなら気にせず私に相談してよ!私とメイ兄の仲じゃん!どんな悩みでもどんとこーい!」
「そう…だな。1人で考えても仕方ないし、聞いてくれるか?」
「うん!無問題だよ!」
「えっとな。今の俺の姿ってこんなんだろ?」
「? 元が女の子の私でも落ち込むほどの魅力を持つ美少女ロリッ子アバターのこと?」
「…うん。なんか言葉にものすっごい棘があるんだけど……。まぁいい。実はな…女の子アバターなのに…アレが……ついてるんだよ」
「?? アレ?ごめんメイ兄。全然わかんないよ。恥ずかしがってるみたいだけど、ちゃんと教えてくれないとわかんないよ」
「す、すまんな…。じ、じゃぁハッキリ言うぞ」
「ばっちこい!」
「フタナリになった」
「………………………はぁ?え、聞き間違いかな?もう一度教えてくれる?」
「フタナリになった」
「(゜Д゜)」
「おい、戻って来い!現実逃避したいのは俺の方なんだぞ!」
いや、気持ちはわかるんだけどね。多分、俺も気づいた時にはこんな顔してたんだろうなぁって思う。本当に意味わからん。普通に美少女アバターでいいじゃん。なんでフタナリになんの?萌えはとにかく何でもかんでも突っ込めばいいもんじゃないと俺は思うわ。いや、誰に言ってんだろうね俺。
「メイ兄…萌えは何でもかんでも突っ込めばいいもんじゃないよ?」
「俺も思ったけど、好きでなった訳じゃないからな!?俺だって不本意だわ!」
「そ、そうだよね〜…うん!安心したよ!!」
「安心したってどういうことだよ…俺が好きでフタナリにでもなったっていうのか?」
「い、いや〜。そういう訳じゃないんだけどね…。メイ兄は変なことしないって思ってるし」
「変なことって…どゆこと?」
「え!?…それは、その〜。男子特有の溢れんばかりの性欲で色々ヤっちゃったりとか……って、言わせないでよ!エッチ!!」
「いや!?考えたのも言ったのも全部シーナだからな!!?」
いきなり何いってるんだシーナは!確かに性欲は普通にあるけども今そんなの考えたこともなかったわ!!
……フタナリってことは女の子のアレも体験できるんだよね…どんな感じ…………って!?何考えてるんだ俺は!?さすがに駄目だろ!確かに気にはなるけども!!エッチなDVDとか見てどんな感じなのかな〜、やっぱり気持ちいいのかな〜?なんて考えたことはあるけども!実行したら駄目だろ!いや、しかし。やっぱり気になる!!男なら誰でも考えたことはあるだろ!自分が女の子になったらアレをしてみたいとか!!?これは千載一遇のチャンスなのでは!?俺はっ…オレハァァ!!!?
「……メイ兄。考えてることが顔に出てるよ」
「はっ!!?ななな、何を言ってるんだいシーナ!?お、俺はただジョブの使い方を考えていただけだぜ!HAHAHAHA!!」
「はぁ、まぁいいけどね。別に気にすることないんじゃないの?美少女アバターから美少女フタナリアバターにクラスチェンジしただけだし。
ハラスメント機能を自分から切らなければ襲われることもないんだしね」
「ハラスメント機能?なんぞそれ?」
「あれ?知らなかったの?このゲームは相手の承諾を得てハラスメント機能を切ればアレをできるようになってるんだよ。
まぁ、カップル用のシステムみたいなもんだね。脅されても死に戻りすれば問題ないし、無理矢理にはできない仕様になってるらしいから」
なんと!?そんな素敵なシステムがあるとは!!といことは、俺も相手がいればあんなことやそんなこともできるんだな!?テンション上がってキターーーー!!
って俺女の子アバターじゃん…。いくらフタナリでアレがついててもこんなのとカップルになろうなんて強者いないだろ……。さらば…俺の淡い夢………。
「メイ兄!そんなことよりも装備を整えて狩りに行こう!!」
「あぁ、そうだな。うん!狩りまくろう!!」
俺とシーナは飲食代を支払いカフェをあとにする。
まずは装備を整えて万全の状態にしてから初めての狩りだな!このジョブを使いこなしてみせる!!
もう少しで戦闘にいけそうです!
戦闘に行くまでがまでが長いな…ドラ○エのエ○ンの戦士並みの長さですねw
早く戦闘描写を書けるように頑張ります。