第九章 第十話 実技テスト・個人編 8
あああ!
出席番号順の五条郁美と桜井保奈美を入れるの忘れてた!
その他にもポカミスが多い!!
因みに、エリーは「ヴァルゴ」で「ウ」ですが、彼女はテストを受けません。
その訳は先の話で。
それ以降の少女達は、明確な意識の変化を見せていた。
元より、幾人かは既にその意識の元に戦う者もいた。
が、微小であれ、一年一組の魔法戦闘における心構えが良くなったというのは、疑いの無い事実として結果に出ているのだった。
手塚山育。
そのふくよかな体系と、人懐っこい笑顔から、「おかあさん」「いくママ」などの愛称で呼ばれている少女だ。
LWⅤのラブリートパーズとして、鴨神多恵と共に防壁(A-)となり、彼女達のチームを幾度となく危機から救っているという、見た目にも実績にも周囲に安心感を与えている。
ルイル・内侍原。
アメリカと日本のハーフである彼女は、ダイアナが率いる「ホーリーワルキューレ」の近距離攻撃特化型(A-)の魔法少女である。
アメリカ人である母の特徴が色濃く出ているせいか、日本人としての面影は少ない。
が、その精神的特徴は、日本のそれが色濃く、千早と同じく日本刀を魔法武器として愛用している。
二人共に、危なげない安定した戦いを見せ、観衆としての生徒達を唸らせた。
これに関し、カオルも「危なっかしい場面が無く、逆に教えられることが多い」と述べている。
それは、手塚山育が見せた、魔法エネルギーの具現化、そして操作だ。
彼女は、魔法召喚の際の得物を、宝石をあしらった数珠型のブレスレットにしており、空いた両腕に魔法エネルギーを集中させ、
『マジカル掌底ッ!』
大きな手のひらとして、防御、攻撃に役立てているのだった。
その自由な発想は、カオルも驚嘆せざるを得なかった。
魔法感覚を設定する段階で、そんな戦い方をするという独創的な思考を瞬時に展開・実装させる度胸。
カオルはそこに、自分になかった「何か」を見出した気がしたのだった。
次いで、ホーリーワルキューレの遠距離攻撃特化型の少女で、目下カオルと成績争いを繰り広げている! と、本人達以外の生徒の間で話題のグレイスハーレイ。そして、カオル達のチームの鉄壁のディフェンス・樋野本綾香の登場となった。
共に落ち着き払った戦いで、可もなく不可もない、安定した――悪く言うと、華の無い戦いを見せた二人の生徒。
しかしながら、カオルの目には、
(互いに実力を隠した、そつの無い攻撃。オッカネェ程に戦い慣れしてやがる気がするな)
という、悪魔獣との戦い以外に、また別の心配や懸念を誘う闘い振りだったと言える。
「よ、お嬢お疲れ」
「うふふ、別に疲れてなんていませんわ」
「はは、だろうな」
カオルの冗談めかした言葉に紛れた、小さな勘繰り――『お嬢。手、抜いただろ?』
当然、樋野本綾香はそこに気が付いている。
が、彼女はそんな事おくびにも出さない。
「鬼首ヶ原さんのように、華麗に、そして強く戦えたら、どんなに良い事か……今度お手ほどきして下しません?」
「ば、バカ言え。私は人に戦いを教えられるほど、戦慣れしてないぜ」
周囲から見れば、冗談を言う間柄。と見える二人。
が、内に秘める「お互い」の腹の読み合いは、確実に火花を散らしているのだった。
「じゃあ次は~……ダイアナ・ベイキンズさん。そしてグレイス・ハーレイさんね」
「「はい」」
二人同時の、息の合った返事が返る。
途端、カオルの表情に険しさが宿った。
「やっと、お目当てのヤツの戦い振りが拝めるか」
ふん、と鼻から息を抜き、腰を安定させるために胡坐をかいて座り直す。
実は一番気になっていた人物。
カオルの中で、ジョーカーを差し置き、一等「不気味さ」を感じていた少女。
そんな彼女の個人戦闘を、カオルは初めて目の当たりにする。
その不気味さは……果たして、彼女の持つ戦闘能力が放つものか。
それとも……彼女自身が持つ、何らかの隠し事が放つ異臭なのか。
この時点でのカオルは、ソレにまだ気付けずにいたのだった。
最後まで目を通していただき、誠にありがとうございました!
初期設定を覚えてるつもりで見ずに書いてたらむちゃくちゃになっている事に気が付きました。
これはしばらくお休み頂いて、書き直すほかないかな?
所詮俺は~の手直しが済んだら、ちょっとお休みして改修します。
それまでどうか皆さん、生暖かい眼球でご覧になってください。