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俺の作った武器が世を乱すので、絶対に折れない剣で全部取り戻す  作者: 酸欠ペン工場


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第6章 牙を持つ戦士・ガルド

氷斧を回収した二人が次に向かったのは、陽の光さえ届かぬような深い森だった。「次の武器は『地砕きのガントレット』。大地を揺るがすほどの力を秘めた、恐ろしく頑丈な籠手だ」。クライヴの説明に、リリアーナはごくりと喉を鳴らした。「なんだか、今までで一番物騒な名前ね……」。その予感は、すぐに現実のものとなる。


森の奥深くへと進むと、突如、地響きと共に巨大な咆哮が轟いた。「な、なに今の音!?」。驚くリリアーナの手を引き、クライヴは音のした方へと駆け出す。開けた場所にたどり着くと、そこでは信じられない光景が繰り広げられていた。巨大な魔獣を相手に、たった一人で立ち向かう、狼のような耳と尾を持つ大男の姿があった。


「オラァッ!」。その男――獣人族の戦士は、両腕に装着した無骨なガントレットを大地に叩きつけた。次の瞬間、地面が砕け、巨大な岩の槍が魔獣を串刺しにする。まさしく、クライヴが作った『地砕きのガントレット』だった。そのあまりの破壊力に、クライヴは息を呑む。魔獣は倒したが、周囲の木々も衝撃で見るも無惨になぎ倒されていた。


「おい、てめえら。こそこそと何してやがる」。獣人の戦士が、鋭い金色の瞳で二人を睨みつけた。その全身から放たれる野生の闘気は、これまでの敵とは比較にならない。「俺はガルド。この森の番人だ。怪しい奴は通せねえな」「そのガントレットを返しに来た」。クライヴは静かに、しかし毅然と言い放った。


「ハッ!面白い冗談を言うじゃねえか!」。ガルドは鼻で笑うと、大地を蹴って一瞬で距離を詰めてきた。その拳が、凄まじい風圧と共にクライヴに迫る。クライヴは『無銘ノ剣』で受け止めるが、あまりの威力に腕が痺れ、数歩後退させられた。(なんてパワーだ……!)。まともに打ち合えば、こちらが押し負ける。


「クライヴ、援護するわ!」。リリアーナが放った風の魔法が、ガルドの動きをわずかに鈍らせる。だが、彼はそれを力尽くで振り払い、さらに猛攻を仕掛けてきた。「小賢しい真似をしやがって!」。クライヴは彼の攻撃を捌きながら、必死に活路を探す。この男は、ただの乱暴者ではない。その瞳の奥には、悲壮な覚悟が宿っていた。


「待て!俺たちは、この森を荒らしに来たわけじゃない!」。クライヴは叫びながら、ガルドの拳を紙一重でかわす。「お前こそ、その力で森を傷つけている自覚はあるのか!」。その言葉に、ガルドの動きが一瞬止まった。「……うるせえ!最近、森の奥から凶暴な魔獣が湧いてくるんだ!これぐらいの力がなきゃ、森が全部食い尽くされちまうんだよ!」


「そのガントレットは、俺が作った」。クライヴの告白に、ガルドは驚きに目を見開いた。「だから、分かるんだ。お前が森を守ろうとしていることも、その力が暴走していることも」「……てめえが、これを?」。クライヴはガントレットに向かって手をかざし、静かに命じた。「――鎮まれ」。すると、ガントレットから放たれていた威圧的な魔力の光が、ふっと弱まった。


「なっ……!?」。己の腕で起きた現象を信じられない、という顔でガルドが見つめる。「俺なら、その力を制御できる。森を壊さず、守るべきものだけを守る力に調整できる」。クライヴは旅の目的を語った。自らが作り出した武器が悪用される現実と、それを回収するための旅であることを。


話を聞き終えたガルドは、天を仰いで豪快に笑い飛ばした。「ハッ!つまり、てめえの作った武器の後始末をしてるってわけか!面白い!気に入ったぜ!」。彼はクライヴの肩を力強く叩いた。「黒幕だかなんだか知らねえが、俺もそいつらに一発お見舞いしてやりてえ。なあに、俺がついてりゃ百人力だぜ!」。こうして、豪快で頼れる兄貴分、ガルドが仲間に加わった。騒がしくも頼もしい仲間を得て、一行の旅は新たな局面を迎える。

お読みいただき、ありがとうございました!

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酸欠ペン工場(@lofiink) [https://x.com/lofiink]

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