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俺の作った武器が世を乱すので、絶対に折れない剣で全部取り戻す  作者: 酸欠ペン工場


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第14章 再会、親友との邂逅

鉱山都市で得た情報を元に、一行は黒幕組織の幹部がいるという古い城塞へと潜入した。月明かりだけが頼りの薄暗い廊下を進む。ひどく静かだった。まるで、この先に待ち受ける絶望を暗示しているかのように。「おい、クライヴ。何か変だぜ。罠かもしれねえ」。ガルドの警告に、クライヴも頷く。だが、進む以外の道はなかった。


城塞の最奥、広間には玉座が置かれ、一人の男が腰掛けていた。銀色の髪を長く伸ばし、優雅な仕草でこちらを見ている。その顔を見た瞬間、クライヴの心臓が凍りついた。呼吸を忘れ、時間が止まる。「……アレン?」。掠れた声で、クライヴはその名を呼んだ。そこにいたのは、彼が唯一心を許した、かつての親友だったのだから。


「久しぶりだね、クライヴ。君がここに来ることは、分かっていたよ」。アレンは静かに立ち上がると、穏やかな笑みを浮かべた。だが、その瞳には光がない。底なしの闇が広がっているだけだった。「どうして……お前が、ここにいるんだ」。クライヴの声は震えていた。信じられない、信じたくないという思いが、彼の心を支配していた。


「僕は、この組織の幹部になったんだ。君が作った、この素晴らしい力のおかげでね」。アレンは腰に提げた一振りの魔剣を、愛おしそうに撫でた。それは、クライヴがアレンのために、彼の身を守るためだけに打った、特別な剣だった。「力こそが全てだ。かつて守れなかったもののために、僕は全てを壊して、作り変えるのさ」


その言葉は、クライヴにとって何よりも残酷な刃だった。かつてのアレンは、誰よりも優しく、力の無さを嘆いていた男だったはずだ。「違う……お前は、そんなことを言う奴じゃなかった!」。クライヴは叫んだ。だが、その声はアレンには届かない。「変わったのさ。君のその武器が、僕を変えてくれたんだ。真理へと導いてくれた」


「クライヴ、こいつは……!」。リリアーナが息を呑む。目の前の男が、クライヴにとってどれだけ大きな存在だったのか、その動揺ぶりから痛いほど伝わってきた。「どうしてなんだ、アレン!俺たちは、いつか二人で、誰もが笑って暮らせる国を作ろうと誓ったじゃないか!」。過去の約束が、虚しく広間に響き渡る。


「ああ、そんな夢物語を語っていた時期もあったね」。アレンは懐かしむように目を細めた。だが、次の瞬間、その瞳は氷のような冷たさを取り戻す。「だが、僕は気づいたんだ。理想だけでは、何も守れない。真の平和は、絶対的な力によってのみもたらされるのだと」。彼の歪んだ正義が、クライヴに牙を剥いた。


「君は間違っている、クライヴ。その中途半端な優しさが、世界を混乱させているんだ」。アレンはついに、腰の魔剣を抜き放った。剣身が、月光を浴びて妖しい紫色の光を放つ。「だから、僕が君を終わらせてあげる。それが、君への最後の友情だ」。その言葉は、クライヴの心を完全に打ち砕いた。


親友が、敵になった。その引き金を引いたのは、紛れもなく自分が作った武器だった。これ以上の絶望があるだろうか。クライヴは『無銘ノ剣』を握る手に力が入らない。戦いたくない。だが、止めなければならない。この歪んでしまった親友を、自らの手で。「……なぜだ、アレン」。彼の口から漏れたのは、悲痛な問いかけだけだった。


「さあ、始めようか、クライヴ」。アレンは剣を構え、静かに告げた。「僕たちの、最後の語らいを」。リリアーナとガルドが見守る中、悲しい運命の歯車が、ゆっくりと、そして非情に回り始める。かつて同じ夢を見た二人の親友が、今、互いに刃を向け合おうとしていた。

お読みいただき、ありがとうございました!

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酸欠ペン工場(@lofiink) [https://x.com/lofiink]

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