最後のピース
風林火山の武田。まさに暴走族として単車を転がして相手を押し潰す。この機動力は全国NO1かも知れない。まさに巨大な暴走集団。
そんな奴らを相手にするには、こちらも皇丸の力を結集する必要があるが、十二分に勝機はある。
まずは二番隊緋村を使い、戦略の戦力の詳細、特徴などを調べ上げる。特に弱みとなる点をあぶり出す。
緋村によって、相手の単車の台数や種類などすぐに分かる。厄介な幹部を事前に片付けておく事も可能だ。
四番隊清水には、戦略を実行に移す際の、準備を任せ作戦に生かす。清水達は、医療はもちろん、情報操作、単車の修理、改造。俺が渡した資金を運用して、チームの運営資金を任せている。特攻服や単車、武器など全て皇丸からメンバーに支給し、将来的には給料という形で、支払いたいとも考えている。今は特攻服と飯代ぐらいしかできていないが。
特攻隊相馬に先陣を切らせ、相手の虚を突き翻弄し、侵攻の入り口を作り出す。相馬達は、俺たちの中で最速かつ攻撃力も高い。
そこに一番隊源田、五番隊藤原で相手の主戦力を踏み潰す。単純な戦闘なら最強クラスのはず。
主戦力を踏み潰す間、俺は親衛隊の山下を伴って頭を一点で狙う。時間をかければかけるほど今の俺たちには不利だからだ。
今回は、風林火山単体を狙う、よって遊撃や奇襲は必要ない。今回はな。
だが、その後は、そうはいかなくなるはずだ。今はまだ、俺たち皇丸はあくまで「ウワサだけのルーキー」としてしか見られていない。
これは、二番隊の情報で確認済みだ。もちろん四番隊が、情報操作しているのも大きい。
massacreの源田も、道化師に至っては緋村自体が謎だ。亡霊も、数が多すぎる上に藤原が気まぐれで有名で、所在不明など日時茶飯事だ。渋谷jokerについては族ですらない。
つまり、コイツらが誰に倒されたか、そして安否さえもあくまでウワサに過ぎないことになっている。
しかし、今回は有名どころ、正統派暴走族として名を馳せる風林火山を潰すんだ、マークされない訳がない。しかも、今回は、潰すが、味方に引き入れるという二律背反した目的がある。
これはやりがいがある。




