表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
皇丸…その船の名は  作者: おみき
第5章 あの日の詳細
16/26

あの日の詳細④恐怖と狂気

挿絵(By みてみん)

道化師…どの連合にも属さず、時折現れては、集団走行を繰り返す。しかし、無駄な音は立てず、ただただ単車の、それも消音器をいじっていない、純粋な単車の音を奏でる。


そう言う意味では、決して暴走族ではない。しかし、神出鬼没、他のチームが絡んで行っても、いつの間にか全滅させるような凶暴さは兼ね備えている。そして、今までいくつものチームを再起不能にしてきた、ただやるのではない、徹底的に執拗に、殺す寸前まで、おそらく死んだ方がマシだと思わせるぐらいの恐怖を植え付けた上で、潰すのだ。心を殺すのだ。


いまやあの黒帝すらも、道化師には手を出さない。おそらく黒帝の方が圧倒的に戦力は上だが、それでも、敢えてぶつかるのを避けるかのように。


道化師自体も、何かを支配しようという気配はない、あるのはただ、不気味な狂気だけだ。何をしたいのかわからない、ただその道を塞ぐものには容赦せず、ハサミで髪を刈られ、特服を引き裂かれ、運が悪ければバイクの後輪に顔面を押し付けられそのままアクセルをふかされ、顔面の凹凸をなくさせられる。無言で爪を剥がし、指を折り、目玉をハサミで突き刺す、まさに殺すことも躊躇わない、その狂気だけだ。


集団のトップは不明で、特徴的なのは全員が上から下まで全部黒の装い、フルフェイスも真っ黒だということ。武器にハサミを使うことぐらい。


ここからは噂に過ぎないが、そのフルフェイスを脱いだ時、金やら銀やら、紫やら、赤やら、ピンクやら派手な髪色で派手な化粧をした連中が現れるらしい。


よっぽど頭が、いろんな意味で切れてるトップがいなければ、こんなことまでして、この世界で生き残れないはず。


何かあるはず、そして、危険であるが、かなり危険ではあるが、この俺の計画には、今も、そして最後まで必要な人材だと、俺の本能が言っている。






・・・・なんてことを考えながら、俺は床屋に行こうとしている。俺のオシャレなツーブロックは、ここで生まれる………定休日だと、迂闊。


もう、頭は刈られる頭になっていて、ダメだと言われると余計に欲望は高まる。切りたい、切りたい、もとい、切られたい、切られたいのだ。


悶々とする俺の目の前に、こ洒落た美容院がある。。いやいやまさか、この俺が、び、び、び、美容院だなんてな、仮にも総長だよ?強いんだよ?あんな美容院なんか行って、相馬や山下はもちろん、源田と藤原の脳筋コンビに何を言われるか分かったもんじゃ…いらっしゃいませ…入ってしもうた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ