表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
皇丸…その船の名は  作者: おみき
第5章 あの日の詳細
14/26

あの日の詳細②亡霊狩り

挿絵(By みてみん)


さて、亡霊相手に、どうでるか?


総長は、俺に「お前ならどう出る?」と尋ねてきた。

俺は咄嗟に「俺たち特攻隊がまず出ます!」と言った。


総長は「組織を使って相手を制圧することは合ってる。模範的だ。…でもな、俺たちみたいな新興の小さな族は、まず、インパクトが必要だ。」


「と、言いますと?」

「俺、1人で潰してくる。」

「へっ?…お一人で、ですか?」

「ああ、お一人様でだ。相馬も山下も、俺の一対多数の戦いをはっきりとは見た時ないだろよ?

源田もそうだが、はっきりとした実力差を教えた方が吉の場合がある。つまり、亡霊の戦力を傘下においておきたい。亡霊の頭、藤原道山を引き入れかつ、亡霊の人員を屈服させるのさ。」

挿絵(By みてみん)


総長のやり方は、まさにオーソドックスだ。

クールに次から次へとブッ飛ばす、漫画やドラマのようにスマートな喧嘩じゃない。


殴り、殴られ、叫び、時には吹っ飛ばされながら、でも、じわじわと相手を押していく。


じわじわと押してると思うと、いつの間にか、相手の頭と一騎討ちになる。


野生味溢れて、相手の奴らも、やられて気が付いても、再び参戦するのではなく、総長に魅入ってしまう。


何故だか、応援したくなる…そんな不思議な闘いだ。


なんだかんだで、頭を残して相手は全滅、もちろん、総長は息も絶え絶えだ。


「はあ、はあ、はあ、なかなかキツいじゃねーか、この野郎。」


「泥臭い喧嘩だ、悪くないな、お前、名前は?」


「はあ、はあ、、馬鹿野郎が。名前を聞くなら 自分が、名乗りやがれ…」


「…おう。俺は相模亡霊、藤原道山だ。」

「お前が、藤原、どうざ…んか、はあ、はあ、俺は皇丸3代目総長、世古公士だ!行くぞおら。」


…30分も経ったころ、ようやく勝負がつく。


藤原は大の字に転がっている。総長は何とか立ったままだ。


「…ぷ…っくっ、くっ、くっ…何だそのツラは。」倒れている藤原の方が笑っている。


髪の毛は乱れ、鼻血だか鼻水だかは垂れ、顔が腫れ上がった総長を見て笑っているのだ。そして…

「てめえ、人が必死こいて、頑張ってた勇姿を笑いやがって…ふははは、ひでえツラだぜ、確かによ、あはははは。」


割れたミラーに映った自分の顔を見て総長も笑っている。


その場にいる皆が何故か笑顔になり、笑いの大合唱。敵も味方もなく、肩を組んで。


「ああ、まいったよ。オメーの勝ちだ。好きにしやがれ。」と藤原が言う。


「じゃあ、うちの五番隊隊長やってもらうぞ。」

「…隊長…だ?今の今まで敵だった俺にか?」


「へっ、自分で言ってんじゃねーか、「だった」ってよ。ちなみに隊員はゼロだぜ、まだ。」


「小賢しいヤツだぜ、あーあーわかったよ、隊長でも総長でも、やってやるよ。ただし亡霊のメンバーはそれぞれの意思に任させてもらうぜ。」


「当たり前だろ。強制なんてできねーし、イヤイヤ仲間になるやつなんていらねーよ。」


「あとな、亡霊は俺たちだけじゃねーよ?全国組織は伊達じゃない。あちこちに亡霊はいて、俺たちもそのうちの一つに過ぎない。」


「…藤原よ、で、お前は亡霊の中で何番目に強いんだ?ビリか?ビリビリか?」


「はっ!知るかよ。ただよ、新宿亡霊には一度ボコられた事がある。まあ、勝てねーとも思わないが、数が半端ねー。タイマンなら亡霊の中で負けたことはねーな。」


「自慢だか、自慢じゃないんだかわからんね。」

「違いねーな、ふふふ」


…この戦いのあと、俺たちの皇丸は、五番隊隊長 藤原道山以下、150名の隊員を迎える事になる。







評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ