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死体発見−1

凛太郎が教室に戻り、小説を読み始めようとしたそのとき、背後から元気すぎる声が飛んできた。


 「凛太郎、サボってるでしょー!」


 振り向くと、髪を高く結んだ女子が両手に大きな模造紙を抱えてこっちに歩いてくる。クラスメイト、星野 雫。凛太郎のクラスメイトで、どこにいても目立つ存在だ。


 「いや、読書中ってことにしてくれないか?」

 「そういうとこよ、凛太郎って。みんなで協力してるときに、一人だけ推理小説とか読んでるのがさ。……ま、そこが嫌いじゃないけどね?」


 からかうように言いながら、雫は模造紙を机の上にドサッと置いた。その瞬間、紙の端が凛太郎の文庫本のページをめくり、赤いしおりがふわりと床に落ちた。


 「……雫。こういうときだけ乙女発言するの、やめてくれ」


 そのやりとりに、窓際で談笑していた男子生徒が笑いながら振り向く。


 「お前ら、また夫婦漫才かよ」


 話しかけてきたのは本庄 翼。同じく2年生で、凛太郎と中学からの付き合い。口は悪いが面倒見がよく、生徒会でも書記として動いている。


 「それより雫、例の大道具、俺が木材カットしといたぞ。美術準備室に運んどいた」

 「マジで? 翼くん神!」


 雫が嬉しそうに飛び跳ねる。その横で凛太郎は小さく息をつく。


 「……やっぱり行ったんだな、美術準備室」


 翼は首をかしげた。「ん? 何が?」


 凛太郎は答えず、昴の背中を思い出していた。ほんの数分前、昴もあの方向に歩いていた。翼と昴は、そこで鉢合わせたのだろうか──。


 そんな考えを巡らせているうちに、廊下の向こうから急ぎ足の靴音が近づいてきた。現れたのは、2年生の風紀委員、遠山 百花ももか。顔色を失い、明らかにただならぬ様子だった。


 「み、みんな……! ちょっと来て……!」


 その声に、教室の空気が一気に張りつめる。百花は震える声で言った。


 「昴くんが……、美術準備室で……血を流して倒れてるの……!」


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