ハルカ 「子供」達と初対面する
呼吸を整えていると夫君達が不思議そうな面持ちで私を見ている。
「ハルカ? 大丈夫ですか」
声がけをしてくるクリストフとレオンハルト、ルイス、アレクサンダー、一気に若返った彼らは眼福もの。もともと人離れした美貌の持ち主だったのが、なんというか青少年期の危うさ、儚さも加わって…… なのに成熟した色気もあって、アンニュイ過ぎて、なんかやばすぎる。
感覚がいまだにおばちゃんだからか、実年齢の彼らは自分よりも年上なのがわかっているのに、見た目年令に引っ張られちゃうからか…… 常に持っていた背徳感がさらにましまししてしまっている。
そんな人智を超えた? 『美青年』達が『おくるみ』を大事そうに抱いている。
「はうっ」
思わず胸に手をやっってしまう。目にしっかり焼き付けて、後で『絵』にしよう。思わず心の中でそんなことを考えていると、さすがに夫君達も訝しんでいる。
気を取り直して軽く咳払いをする。
「大丈夫か?」
深みのあるバリトンと深みのあるグリーンサファイヤの瞳。目の前にいる二十歳そこそこの美青年。おそらく初めて会った頃の半分くらい若返ってる。いいのか、異世界。実年齢の三分の一以下くらいになってる? (いや、自分もそうだろって突っ込まれちゃうんだろうけれど)
彼が『地球』にいたら、世界中から『貢物』献上されているかも…… 『傾国の美青年』。
いかんいかん、意識が飛んでしまいそうになったよ。
「えっと、大丈夫?」
(何故、疑問形?)そんな感じで不思議そうに私を見る四人。
あははっと誤魔化し笑いをする。
きっと彼らもギリギリまで『マナ』の供給してたから、気怠そうに見えるのもあるのかもしれないな。と自分の不謹慎さを反省する。
気持ちを切り替えて『おくるみ』の中の『子供達』と対面した。
ベッドの上に『おくるみ』を置く夫君達。『おくるみ』を外すと、いつの間にか服を着ている『子供達』。
超美形の『父親』の『子供達』はまさに『美天使』。
全く『地球色』がない。『遺伝子』どこ行った?
っていうか、実態のない『光の玉』、『マナの塊』状態からいきなり『乳幼児』に物質化してるし、(おそらくかつて見た甥っ子基準でいえば)生後三ヶ月? くらいなんだけど… 大きいよね。ああ、でもこれくらいの大きさじゃないと『マナの自己生成』ができないのかな。
『地球』のように『排泄』もないし、『マナの自己生成』ができるってことは『食事』も必要ってこともないのか。
あ、目を開いた。
バッチリと開かれた『子供』達の目線が私に集中した。
うわ〜 綺麗な瞳。もろ『父親』の瞳色。あれ、ちょっとラメ入ってる? 銀色ぽい、虹色っぽい? キラキラしてる。不思議。
髪も柔らかそうでふさふさだけど、夫君達の光沢のある銀髪っていうよりは『乳虹色』、つまり私の『マナ』の色に夫君達の『光沢のある銀』が混じってる。毛質もみんな緩やかウェーブしてる。肌の色はこの星特有の白さだ。
『変化』した『私』を客観的に見れば『子供』達と似てるんだろうけど…… 典型的な『日本人』の意識がガッツリあるからか、これが『我が子』? 心の奥底で『躊躇』してしまうのは許してほしい。
夫君達そっくりの超美形の『子供』達の屈託のない笑顔にときめきながらもそんなことをふと考えてしまうボンクラな『母親』を許して欲しいと思ってしまった。
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