ハルカ 「次元の間」のお話8
キリがいいところにしたら、短くなってしまいました。
アルフレッド公や『アイコさん』、『リンさん』の確認をしてから、五日間は、なんというか夫君四人がかなりやばかった。
映像の中のアルフレッド少年による私? についての色々なことの確認と彼らのいう上書きで、「あれ、私じゃないから」という訴えも即却下され、ちょっと勘弁してほしい状態になっていた。
『次元の間』に行っても絶対夫君達から離れないこと、『アルフレッド公』には近づかないことを約束させられた。
アレクサンダーは私がお願いしたように『彩乃さん』に宛てて書いた質問項目を手渡すために南大公国に戻り、その質問に関する回答を持って帰宅した。
私はそれを見ないように封筒に入れて封印をする。
そして、私も同じように質問項目について記載した回答用紙を記入後、封印をして私と『彩乃さん』の回答用紙の入った封筒をクリストフに手渡した。
「これは何ですか?」
「地球と地球人に関することかな。同じ『地球』から来たのかどうかの確認のための質問なんだ」
夫君達は不思議そうに私を見た。
「あの映像の中のアルフレッド少年の言っていた『佐藤』という人は、私の知っている人とは絶対違うんだ。それが何故起こったのかの確認かな。とは言っても答えなんてないんだろうけれど」
戸惑うような夫君達。
「あくまで、私の仮定なんだけどね」
そんなことあって欲しくない最悪の仮定だ。
「ところで、地球の日本から来た『渡り人』には日本語で書いた質問で大丈夫だろうけれど、私の文字って皆読めないんだよね? という事は記憶があっても『アルフレッド公』も読めないかもしれないよね? どうしようか? あ、ルイス、読み上げるから翻訳してくれないかな…… 医療用語もあるから」
私の言葉にルイスはすぐ了承してくれた。
私は『次元の間』にいる二人に用意した、同じ内容の質問を一部この星の言葉に翻訳をしてもらった。
その準備が終わると『光様』の日記の一冊を持って、夫君達と共に南大公国の森へと向かった。
向かったのは私が『次元の間』から戻ってきた地点だ。
そこに到着すると、夫君達は私の手を繋いだり、肩や腰に触れる。
すると私達を待っていたかのようにゲートが開き、あっという間に夫君達と共にその空間の中に引っ張り込まれていた。
「こんにちは、ハルカさん」
「こんにちは、アイコさん」
彼らの家の扉の前で私達を笑顔で出迎えてくれたのは、先日の映像の中で『渡り人・アイコ様』として『アルフレッド第二王子』と『成婚の儀』の報告をしていた『彼女』だった。
夫君達は信じられないような顔をして彼女を見ていた。『彼女』の隣に夫君である『アルフレッド公』が爽やかな美青年の出立ちで立つ。
今の彼に『アルフレッド少年』の狂気のようなものは感じられない。
夫君達は警戒を解かないようだが、彼らはそんな事は関知しないようだ。
私達はお互いに自己紹介をし合い、彼らの家の中へと迎えられた。
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