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【感謝!3万PV達成!】虹の聖樹 『大聖女・ハルカ』と夫君達との異世界ライフ♫  作者: 天の樹
第二部 ハルカ『異世界で余生ライフ』が始まる♬
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ハルカ 第四夫君の秘密の想い

今日二話目です。


 アレクサンダーの用意した服に着替えた私を三人の夫君達はじっと見ている。う〜〜ん、さすが気がついたのか。でも初日だから、皆何も言わない。

 アレクサンダーが用意した食事を口にした。朝食は和風だ。「いただきます」と皆で食事の挨拶をしてから箸をつける。ああ、やっぱり……


「叔父上、『ハルカ』は南の国の出身だから、次はその味付けにしてあげてほしい」


 ルイスが、やんわりとでもキッパリと口にした。アレクサンダーがそのことに今気がついたと言った表情で私を見る。


「食べづらいなら作り直すが」

「大丈夫。問題ないよ。食べられるから」


 汁物や出汁……ベースになる醤油、味噌、まあ細かくいえば関東と関西は食文化が大きく違うのだ。


「『アヤノ』様は中の国の人なんだね」


 ほんの少しの戸惑いを見せたアレクサンダーは


「ああ。わかるのか? そんなに違うのか? 『ハルカの味』と」

「うん、そうだね。最初は三人とも味が違ってたんだよね。そうやって私の味を探してくれてたって後からルイスに教えてもらったんだ」

「そうか、すまなかった。次からは気をつけよう」

「ありがとうございます」


 心遣いに頭を下げる。アレクサンダーが


「敬語は使わないでくれ。それから、アレクと呼んでほしい」


 さすがに十三歳も年上の男性を呼びつけにはできないな。躊躇しつつ


「アレクさん」


 でもいいかな? と思って言葉にする。アレクサンダーは納得しない。


「アレク」


 うっ、駄目か。仕方がない。こういうのは素直に従った方がいい。


「アレク」


 名前を呼ぶと嬉しそうな顔をする。

 年上の男性にそんな顔をされると…… こちらまで照れ臭くなってしまった。三人の夫君達はそんな私たちの様子を見ている。それに気づいているんだろう、アレクサンダーも私も適度に距離をとっている。


「ルイス。記録阻害の指輪の用意は?」


 アレクサンダーがルイスの方を見てそう尋ねた。


「ああ、これ」


 用意していたんだろう。すぐにアレクサンダーに渡し使用法を説明する。それからクリストフに向かって


「成婚の儀の時に口付けの味の確認をしているそうだが、誰に報告すればいい?」

「ああ、それなら私がします」


 クリストフが私とアレクサンダーから聞き取り記録映像と共に陛下に報告してくれた。アレクサンダーは私とのキスの味は熟れた白桃のように甘く濃厚だったと聞き取り調査の時に答えた。他の妻君達とは違ったと言った時にクリストフがぴくりと反応した。


「そうですか。叔父上も」

「クリス、お前もだったんだな」

「ええ、ハルカは魔力がないのでマナの相性だと思います」

「そうか…… 『渡り人』様は皆甘いのだろうか」


 アレクサンダーがポツリと呟いたその言葉をクリストフは聞き逃さなかった。


「あなたは何を考えているんですか? 叔父上」


 咎めるようなトーンに肩をすくめる。


「そんなに怒るな。単なる興味だ」


 そういうと手渡されたばかりの記録阻害の指輪をいじる。


「今夜は『ハルカ』を堪能させてもらうからな」


 それを真横で聞いた私は、他の夫君達にマウントとってどうするんだとギョッとしながらアレクサンダーの顔を見た。自分の妻を巡って自分の叔父にマウントを取られた夫君達は微妙な表情をしている。まあ一緒に住むわけではないし。仲良くしてくれたらいいなと願いつつ夫君達のざっくばらんな会話を聞いていた。


 自分の目の前にフルーツティーが置かれた。ふと見上げるとアレクサンダーだ。食後のティーかな。ふと見ると自分は珈琲飲んでるよ。まあねえ、いいけど。そう思いつつお礼を言って静かの飲んでいると、レオンハルトが


「ハルカは珈琲派だから、一緒に淹れてあげてほしい」

「ああ、そうか。屋敷はティーが多いからな。すまなかった。ハルカ、淹れ直そうか?」

「ううん、大丈夫。また今度ね。ありがとう、レオン」


 まあ、初日だから。こうやってみると、結構夫君達は私のことに関してははっきりと物言いするんだなとちょっとした新発見だった。珈琲を飲む女性はここでは少ないらしい。


 『アヤノ』さんも飲まないのかな? と訊くと、たまには飲むらしいけれど、メインはフレバーティだそうだ。

 「おしゃれな女性だ」というとアレクサンダーは優しい表情で微笑んだ。


 おっと、これは地雷踏みそうか。気づいたらだめなものに触れた気がした。

 アレクサンダーは自覚してないんだろうな。新婚二日目だけど、これは…… やめた方がいい気がする。

 

 視線を感じた。レオンハルトとルイス、クリストフまで、気がついた? って感じでアレクサンダーを見ていた。

 アレクサンダーに対して何かを言いかけて止めるクリストフ。

 少し話をした方がいいかも。とりあえず、アレクサンダーを部屋へと促した。ちなみにアレクサンダーは通い婚の為自室をまだ用意されていない。その代わりに客室を用意した。その部屋に二人で入る。


いつもお読みいただきありがとうございます。

次の更新は水曜日の正午になります。

もし続きが読みたい、面白いと思ってくださった方は、ブックマーク・いいね等よろしくお願いします。

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