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【感謝!3万PV達成!】虹の聖樹 『大聖女・ハルカ』と夫君達との異世界ライフ♫  作者: 天の樹
第二部 ハルカ『異世界で余生ライフ』が始まる♬
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二人目の『渡り人』様登場!

 その日はいつものようにレオンハルトとルイスは王宮の記録庫で『渡り人』様の残した『遺物』の複写と復元を行っていた。

 突然、国王フリードリッヒから二人に緊急の呼び出しがかかる。

 なんと『南大公国』の森の中で新たな『渡り人』様が発見されたという。同時期に『渡り人』様が複数渡ってくるということは公式記録として初めてのことになる。

 『渡り人』様への聞き取り調査は前例に倣って現聖騎士団団長のフィリップと現魔法士団団長のサダーリオ、現宰相のファビアンががその任に着いた。三人は即南大公国に保護をされている『渡り人』様の元へと向かった。


 二人目の『渡り人』様の名前は、高橋 彩乃タカハシ アヤノという三十三歳の女性


という一報が王宮に届き…急遽対策チームの中に『ハルカ』様の夫君であるレオンハルトとルイス、クリストフが王命により加わることになった。

 『渡り人』様の処遇については前例に倣い『渡り人保護法』に基づいた段取りで手続きがなされる。その一つに夫君候補の選定がある。夫君という名の『保護者』の選定だ。夫君候補に選ばれるにはいくつかの条件がある。


▪️ 元王族である(臣籍に降っていること)

  これは王位継承権を破棄した王族という意味である

  十の公国の領主、またはそれに準ずる者であること


▪️『渡り人』様の実年齢の前後五歳であること

 (候補がいない場合はさらに五歳加算された範囲まで)

  年齢差があることは好ましくないとされている


▪️『渡り人』様の夫君・妻君候補に自主的に立候補すること


▪️「渡り人』様を最優先に考え、保護し、一生を共にできること


これらの条件を満たす場合とされている。

 

 直ちに十の領地へとこれらのことが王命で告知された。

 この条件に従えば『夫君候補』は最大枠で「二十三歳から四十三歳」。既婚未婚は問わないが、成婚の儀の後は実質伴侶は『渡り人』様のみになること。夫君候補に立候補する場合はその旨直ちに表明をして、選考のための装飾品を用意することも併せて伝えられた。

 今回の『渡り人』様は『マナ欠乏症』を発症していない為、通常のお披露目を兼ねた選考を行う。その準備も必要である。

 それと同時に彼女は健康で子供を儲けることも可能であるということも情報公開された。そのことで国中がてんやわんやの大騒動になった。


 『ハルカ』の夫君達は新たな『渡り人』様を迎える為にその準備に追われている。とはいっても、必ず一人は日中一緒にいてくれて、夕食時にはみんなで食事をするのは今まで通りだ。途中経過とかも話してくれるので、それはそれで蚊帳の外に置かれているわけではないので、準備も大変だねという会話が連日交わされている。

 既に大規模な『浄化』を終えた、このタイミングで何故渡ってこられたんだという議論も起こりそうなものだけれど、渡ってこられた『渡り人』様が若いということもあって結構な数の立候補が出ているらしい。

 十の領主の殆どは年齢制限でひっかかってしまったらしいが、その息子世代が立候補しているそうだ。今回は直系王族である現国王の息子は全て除外されている。


 この対策本部で、おそらく初めて『クリストフ』にもたらされた『恩恵』を目にした人々は驚嘆した。見た目とはいえ二十歳も若返った容姿を羨む声も大きかった。だからこそ若く健康な『渡り人』様を切望する声もより大きくなった。

 『夫君』が決定するまで『渡り人』様は王宮内で保護される。『マナ欠乏症』を患って行動制限がされた『ハルカ』様とは違って、『アヤノ』様はそこそこの自由行動が許されているらしい。但し、直系王族との接触は禁止されている。というのも『アヤノ』様の『渡り人』としての適性が確認されていないからだ。


 例えば『ハルカ』様のような大規模な『浄化』と『恩恵』といったように。

 『渡り人』にはそれぞれ付与された『恩恵』があるとされている。実際のところつい最近大規模な『浄化』がされたばかりなので『アヤノ』様の能力がどういうものなのかを明白な形で検証しづらいのだ。

 となると、『ハルカ』様に出来なかったことを求める声が大きくなる。

 ズバリ、それは子作りだ。従来『渡り人』の閨での『恩恵』は領地にもたらすと同時にそれは子作りの意味もあった。

 不思議なことに魔力を持っていない『渡り人』との子供は強力な『魔力』の保持者になる確率が高くなるのだ。その結果、次世代の王家の直系の伴侶に選ばれることが多い。そうやって間接的に『渡り人』の能力を取り込んできたのが王家なのだ。

 今回最初に渡られた『ハルカ』様は確かに『浄化』という『恩恵』をもたらしてはくれたが、次世代の王家にその恩恵を引き継ぐことはできなかった。


 その為『アヤノ』様への期待が大きくなった。


いつもお読みいただきありがとうございます。

次の更新は水曜日の正午になります。この章から更新日が水・金・日曜日になります。

もし続きが読みたい、面白いと思ってくださった方は、ブックマーク・いいね等よろしくお願いします。

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