表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

黒点

作者: Koyoka

ガタンガタン・・・

梅田から阪神電車に乗り家に帰っている。

今日も無駄な残業をし仕事を終えて、半分深い眠りにつかりながら

電車の揺れに体を預けていた。

尼崎に着き、車内へ一人の女が入ってきた。


少し艶のある淡いブルーのスカートから

白く細い足を出してドアの近くに立った。


私はまぶしい目をして、その女の足を眺めた。


ほくろがある。


ふくらはぎのほくろは

見ていると少しずつ大きくなっているようだった。


やがてほくろが足から剥がれ落ちた。


よく見ると

女の足から血を腹いっぱいに吸った

季節外れの蚊だった。


蚊はたくさんご馳走をいただき過ぎて

まん丸と太り

もはや、自分の羽では飛べないようになっていた。


ぴょんぴょんと飛ぶ丸い蚊は

なんとも奇妙なものである。


甲子園に着いた。


蚊はうまい具合に

隣の男の靴に腰掛けて、車両から降りる人々の大きな足から逃れられた。


そして、どこへ向かうのやら

またぴょんぴょん飛び、移動し始めた。


気がつくと西宮に着いていた。


まずい-


私は慌てて電車から降りた。


あの

まん丸の蚊はどうなったのだろう。


いま潰れたら

たくさん血が出るのだろうか。


あの綺麗な足の女の血が。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ