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廃棄寸前な私は社畜メシでマリアージュを探す〜ざまぁよりうまぁを添えて〜  作者: ぽんぽこ@銀郎殿下5/16コミカライズ開始!!
第9章 ビールの注ぎ方は知っていても、遠慮は知らないんですね(笑)
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第62話 注目×収穫

『次は神饌(しんせん)病院の有志ゆうしによるチアリーディングです。曲は……』



「みんなー、多少間違ってもいいから、笑顔は忘れずにねー! それじゃあ楽しんでいこー!!」

「「「おーっ!」」」


 病院対抗の運動会における目玉の一つ、お昼のチアリーディングが始まった。

 私たちは1か月ほどかけて、仕事終わりに頑張って練習をしてきたわけだけど……。


「シア先輩……」

獅童(しどう)も笑顔!! 大丈夫だって、別に私は笑ったりしないから。……たぶん」

「せんぱぁい!?」


 まったく、往生際が悪いやつだなぁ!

 私だって緊張しているんだから……お腹、出てないよね? 大丈夫だよね??


「……先輩こそ往生際おうじょうぎわが悪いんじゃないですか?」

「うぐっ!?」


 だ、だってやっぱりお腹のお肉がスカートに乗ってる気がして……。

 くそぅ、全てはモッチーがあんな美味しいお弁当を持ってくるからイケナイんだ!!


「そんなに心配しなくたって先輩はキレイですから……とっても」

「うえぇっ!?」

「おーい! 2人もいっくよー!? はやくはやくー!!」

「はい! 行きます!! ほら、先輩も」

「う、うん。……あの、ありがと、ね?」


 (さわ)やかなふわっとした笑顔で「緊張はほぐれたみたいですね」と(つぶや)いた獅童は、さっきまでの憂鬱(ゆううつ)顔は何だったのって感じの軽やかな足取りで会場に走って行ってしまった。


「おおー。言うべきところはちゃんとキメるところはカッコいいねぇ、シドー君。今のは紫愛っちでもキュンってしちゃったんじゃないのー?」

「やめてよ、兎月(うづき)ちゃん……やめてよ……」


 やだなぁ、顔とか赤くなってないかな?

 ……うん。これはもう、全部夏の暑さの所為(せい)ってことで。


 切り替え切り替え!!

 さぁ、全力で(おど)って忘れよう!!



「うーん。これじゃあ、どっちが先輩なんだか分からないねー。まぁアンは面白いからいいんだけどー」






 ◇


「いやぁ~! 良かったよ、しーちゃん!! ウル君もお疲れ!!」

「ありがとう、モッチー。疲れたぁー!」

「……もうお婿(むこ)に行けないです」


 直前まで色々と緊張していたけれど、獅童が気を(まぎ)らわせてくれたお陰で練習通りに踊り切れた。

 ただ獅童はと言えば……


「いやぁ、女の子からめっちゃ声援飛んでたな~! ウル君、大人気じゃん」

「なんで僕が……僕はただ皆と同じように踊っていただけなのに……」


 もともと中性的な見た目をしているから、ちょっとメイクすればイケるとは思っていたけど、ここまでウケるとは思わなかった。

 踊り終わった後に、他の病院の女の子から囲まれてチヤホヤされていたもんなぁ。


「やっぱり私の見立ては間違ってはいなかったようですね!! どうです? 今度はチャイナ服とか、アニメのコスプレしてみません? なんならナース服でも!」

「本気で勘弁(かんべん)してください……」


 宇佐美(うさみ)ちゃんもこの結果にはすごい満足顔で(うなず)いていたけど、本人的にはショックだったらしい。

 私たちなんかよりもよっぽど「可愛い」とか言われていたし、勘違いした男性に連絡先を聞かれそうになっていた。


「毎日プロテイン飲んだり、筋トレしたりしてるのに……(ひげ)すら生えないし……どうやったら男らしくなれるの……」


 おぉう……どうやら(かげ)では凄い頑張(がんば)っていたみたいだね……。

 女子力ならぬ男子力?を(みが)いていたらしい獅童には『可愛い』のワードは禁句だったみたいだ。



「いいじゃないですか、獅童君……私なんて男どもから変な目で見られて……恥ずかしい……お(よめ)にいけない……」


 そして(しず)んでいる人間がもうひとり。

 それは私の後ろで地面に“の”の字をグリグリと書いている、牛尾(うしお)ちゃんだ。


「う、うん。あれはちょっと可哀想(かわいそう)だったね……」

「私もなんかバシバシ写真()られてた気がするけどー、ウッシーの比じゃなかったしねー」

「流石にアレは、同じ女として同情します……やっぱり男はサイテーですね!」


 練習の時からずっと思っていたんだけど、兎月ちゃん監修(かんしゅう)のチアリーディグは結構ハードな動きをする踊りだったのだ。

 つまり飛んだり()ねたりをしまくるわけで……。


「まぁ、減るもんじゃないから良いんですけどね。もう、慣れてますし。でもそればかり見られるのは、さすがの私でもショックです」


 私は牛尾ちゃんとは付き合いも長いし、隣りで着替えたこともあるから分かるんだけど、その……やはり、アレが()れるのだ。

 もう、パン食い競争の時点で前評判が出来てしまったのか、こぞって男どもが牛尾ちゃんのダンスで元気になっていた。

 女性は獅童、男性は牛尾ちゃんに熱狂(ねっきょう)という、私たちがほぼ空気になるような結果となってしまった。



「まぁまぁ、もう終わったことだしさ。元気出そうよ?」

「そうだよー。みんな、ダンス自体はバッチシだったよー!」

「ホントですか!? 頑張って(みな)さんについていった甲斐(かい)がありました!」

「宇佐美ちゃんもジムに通ってから体力ついてたもんね。よく頑張ったよ~」


 そうだよ、みんな頑張ったんだし、それでいいじゃない。

 私はもう出場する競技は無いし、応援(おうえん)しつつお酒を楽しむぞー!!


「なぁウル君、元気だせって。後で俺が撮ったムービーをコピーして渡してやるからさ」

「……本当ですか!?」



「「「「カメラは没収(ぼっしゅう)です!!」」」」

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