第2回「下野紘・巽悠衣子の小説家になろうラジオ」大賞 への投稿作品
ぽんこつですが、名探偵に成れますか?
ゆいこ『ぽんこつですが、名探偵に成れますか?』
探偵事務所の面接で、よそ見しつつ、うっとりしながら、ゆいこは、質問した。
ゆいこは、イケメン揃いで有名な探偵事務所に、玉の輿狙いの告白をするつもりで乗り込んでいた。
たまたま面接応対に現れた名探偵は、イケメンだった。
告白するつもりが、文字どおりイケメンだったので何も言えず時が過ぎ、柱時計の大きな時報に驚いた瞬間、口から出たのは、件の如し。
イケメン『明日から来れる?』
と言ってもらえたような気がしたが、恥ずかしい質問をしたと悟り、逃げた。
ゆいこは、恐る恐る、面接の結果を伺いに探偵事務所へ行った。
その日から何処を見てもイケメンしか居ない事務所で、秘かに『ぽんこつ』と呼ばれる日々を過ごすようになった。