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青き炎のヴァリアント  作者: シベリウスP
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サイドストーリー・悠久の王国【完結話】

ひとときの休息に狩りを楽しむザールとロザリア。その途中、継嗣ロスタムが行方不明になる。

ロスタムが失踪先で出会った人物とは?

『青き炎のヴァリアント』を、始原竜プロトバハムートが総括します。

 そなたたちは、神が人間たちの不遜ふそんを怒り、恐れたため、人間たちの言葉を乱し、そして地に散らした……そんな話を聞いたことがあるかもしれない。


 けれど、個人の意識は宇宙の中でつながっている。人種が違っていても、言葉が通じなくても、何かしら共感することができる部分があるのは、人間を人間たらしめる根幹の部分がすべての人間に平等に与えられているからだ。


 であるから、人間の言葉を乱したとて、それで人間たちの相互信頼が根底から揺らぐことはない。揺らぐとすれば、それは人種や信条の相違について、相互に理解しがたいところが生まれた時であろう。


 それは人間と他種族との間でも言えることだ。私が語って来た物語は、その種族を越えた理解を求め続けた者たちの話でもある。


 ここまで余の長い話を聞かされて、さらに難しい話をして済まないが、余がそなたたちに伝えておきたいことはあと少し残っている。退屈だろうが付き合ってほしい。


   ★ ★ ★ ★ ★


 王国暦1600年夏、地にほむら立つ月、ファールス王国国王ザール・ジュエルは、ドラゴニュートバードに避暑に来ていた。


 ザールは、この年の新春に大司馬イリオン・マムルークがローマニア王国からの降将に刺殺された事件に端を発し、素早い軍事行動と外交的圧力により遂にローマニア王国を滅ぼし、その南半分を領有することに成功していた。


 しかし、同時にウラル帝国が北半分を領有し、境を接することになったため、ザールは大宰相ボオルチュや録尚書事ポロクルに対し、


「ウラル帝国のアゼルスタンはその性、剽悍ひょうかんにして冷徹、そして具眼の士でもある。かの帝国には良い将軍が多い。アゼルスタンを刺激せぬようにするとともに、ロムルス帝国ともよしみを結んでおけ」


 と命令したが、そのロムルス帝国との同盟が成立したのが今月で、ザールはそのことによって一息つき、酷暑の王都バビロンを一時離れ、里帰りをしたわけである。


「父上、狩りの準備が整ったと里長から連絡が入りました」


 トルクスタン候として東方を睨む長子ロスタムが、ザールの部屋に来て告げる。ちなみに次子ホルシェードは、『西の海』を統括する地位に就いたばかりなので任地のダマ・シスカスに駐屯している。


「ここに来るたびに、ガリルには気を遣わせてしまうな。では行くか、ロスタム」


 ザールはそうつぶやくと、ロスタムと共にドラゴニュートバードの里長であるガリルのもとへと出かけた。


 ザールは、ロスタムや旗本100名ほどで里長ガリルのもとに着くと、


「ガリル殿、毎回世話をかけるな」


 そう、気安く呼びかける。ザール自身幼少期には母親の里であるドラゴニュートバードに暮らしていたし、ガリルはホルンと共に戦った『終末預言戦争』において、ホルン部隊の副将を務めていたので、良く見知っていたのである。


「とんでもございません陛下。今日は『風の林』を中心に狩場を設けました。『風採りの小径』の周囲で、『星拾いの丘』と『星読みの丘』に囲まれた地域です。この辺りにはオオミミギツネが良く出ます。勢子も配置を終えましたから、存分にお楽しみください」


 そう言うと、自分も弓を持って馬にまたがった。


「では行くぞ」


 ザールがそう言って馬を出すと、王妃ロザリア、そして左右に控えた『王の牙』の二人、アルム・ホルムとバズ・モンクートがそれに続く。

 そしてロスタムも、


「行こうか、みんな」


 そう言って、お付きの護衛隊員であるオゴタイ・ボルジギン、トリトーン・フォルクスそしてワルキュリア・カルディナーレと共に進み始めた。オゴタイはジュチの次男、トリトーンはガイの長男、ワルキュリアはリディアの長女である。


 ちなみにこの三人はロスタムの代には父ジュチやガイ、母リディアがザールにとってそうであったように、ロスタムの莫逆の友として帷幕の重鎮となる。

 ともあれ、ザールとロスタムは久しぶりの親子の対話を楽しむことができた。


 ある程度の獲物があったところで、主従は昼食を摂ったが、その席上、王妃ロザリアがこんな要望を出した。


「私はイノシシとシカが大好物じゃ。陛下とロスタム、よければ次はその二つを獲って来てくださらんか?」


 するとザールもロスタムも、ロザリアのためならとうなずく。それを見てロザリアは、


「ではイノシシは陛下に、シカはロスタムに取って来てもらおうかのう。楽しみにしておるぞ?」


 そう笑って言った。


「ガリル殿、そういうことだ。シカはどの辺りに多いか?」


 ロスタムが訊くと、ガリルは笑って答える。


「シカならば『星拾いの丘』辺りが、イノシシならば『星読みの丘』辺りが多いです。ただ、『風採りの小径』は『星拾いの丘』に続くものと『朔風の頂』に続くものがありますから、道に迷わないようにご注意を」


「よく分かった。では父上、私は先に参ります」


 ロスタムがそう言って席を立つと、ザールも立ち上がって


「うむ、余も出よう。ロスタム、余はまだまだ若い者には負けんぞ」


 そう笑うと、『王の牙』と共に『星読みの丘』へと向かった。


「父上には負けないぞ。母上、私も行って参ります。楽しみに待っていてください」


 ロザリアは、銀髪を風になびかせ、みどりの瞳を輝かせているロスタムをまぶしそうに眺めていたが、


「ロスタム、何者と出会っても落ち着いて状況を判断するのじゃ。そなたももう22歳、堂々としておれば道は開けるぞ」


 そう不思議なことを言ってロスタムを送り出した。



 やがて時刻は閏8点半(午後3時)を回り、そろそろ狩りも切り上げる時刻になって、まずはザールたちが帰陣した。


「どうだロザリア、余もまだまだ捨てたものではなかろう」


 ザールは両手の指に余る数のイノシシを積み上げて、得意そうに胸を反らす。ロザリアも満足そうに笑みを浮かべてザールをねぎらった。


「お疲れさまじゃったのう。しかしさすがは陛下じゃ、『白髪の英傑』は歳を取っても往年の輝きを失っていないのう」


「なんの、余とてまだ47歳だ。まだまだ腕に歳を取ってはいないつもりだぞ。それよりもロザリア、そなたこそ初めて会った時とちっとも変っていない。さすが魔族というべきか、それともそなたが特に若々しいのか」


 ザールがそう言うと、ロザリアは頬を染めつつ言う。その様はまだ20歳といっても通るほどのみずみずしさだった。


「ふふ、私が特に若々しいと思っていてもらっても構わんぞ? 時にロスタムはまだ戻って来ないのかのう?」


 ふと気づいたように言うロザリアに、ザールも『星拾いの丘』の方を見つめて笑って言った。


「親孝行で負けず嫌いのロスタムのことだ。余に負けまいとギリギリまで粘っているに違いない。これ、バズ、すまんがロスタムの所に行き、もう戻って参れと伝えよ」


 ザールの言葉に、両手剣のバズは「はっ」と返してザールのもとから離れていこうとした。その時、


「陛下、すみませんっ!」


 そう言いながらトリトーンが馬を走らせてきた。


「どうしたトリトーン。なんぞ不都合でも起きたか?」


 ロザリアが訊くと、トリトーンは馬から転げ落ちるようにザールの側に走って来て、ガバッと平伏して告げた。


「すみませんっ! ロスタム殿下がいなくなられました!」


 それを聞いて、ロザリアが紫紺の瞳を持つ目を細めて訊いた。


「すみませんでは分からん、どういった経緯かを説明してたもれ」


 するとトリトーンは、息を整えてからロスタムの姿を見失った経緯を話し始めた。



「殿下は、かなり気合を入れておられました。幸い、『星拾いの丘』の麓に行ってすぐたくさんのシカの群れを見つけましたので、私たちはシカに見つからないように側に寄って行きました」


 ロスタムは、勢子たちを両翼に広げてシカの群れを包み込むようにしながら近づいて行ったらしい。左右端にはトリトーンとワルキュリアが付き、オゴタイは勢子たちを指揮していたという。


「もう少しで矢が放てる距離になるという直前に、ヒュッという音が響き、それでシカの群れは急に木の葉を食べるのを止めて走り出しました。殿下は立ち上がって、

『気付かれたっ! 全員、手近のシカを射止めよっ!』

 そう命令されると、ご自身も矢をつがえた弓を持って突進していかれました。それを最後に、お姿を見失ってしまったのです」


「ガリル殿、この辺りには地隙などはないですか?」


 ロザリアが心配そうに訊くと、話を聞いていたガリルは首を振って答えた。


「いえ、この辺りは地盤がしっかりしているところです。地隙や崖、断層などはございません」


 それを聞いていたザールは、すぐに旗本を率いる『王の牙』の二人に命じた。


「バズ、アルム。その方たちはすぐに旗本隊を連れて『星拾いの丘』の東西からロスタムを捜索せよ。ロスタムのことだから無様に地隙にはまったり、崖から落ちたりはしていないだろうが念のためだ。もうすぐ暗くなる、松明を準備して気をつけて捜索せよ」


 そして心配そうに座り込んでいるトリトーンに向かっては、


「トリトーン、そなたはオゴタイやワルキュリアと共に、勢子たちに状況をもう一回確認してほしい。誰かが何かを見ているかもしれん。それが知れればロスタムを探す手掛かりになる」



 捜索は『王の牙』率いる旗本隊だけでなく、ドラゴニュートバードや妖精の里、そしてジーク・オーガの里からも人数を出して、夜通し行われた。特に夜目が利くジーク・オーガには期待がかかったが、ロスタムの影も形もとらえることができなかった。


「勢子の話では、突進し始めて10歩ほど進んだ時、姿がかき消すように消えたという。これは誰かの魔法によってどこかに連れ去られたんじゃないのか?」


 オゴタイが金髪をかき上げながら言うと、トリトーンもうなずいて


「……そうだな。あれほど夜を徹して捜索しても見つからないのであれば、ロスタムはこの近くにはいないのだろう」


 そう言う。


「けれどさ、オゴタイの言うことが正しいとして、誰がそんなことしたのさ? ここにロスタムが来ることを知っていて、ロスタムのことを悪く思っている奴って……」


 ワルキュリアが心配で顔を青くしながら言う。それに、オゴタイが意地悪い顔をして突っ込んだ。


「意趣返しとした場合、最終的な狙いはロスタムではないかもしれないよ?」


「どういうこと?」


 ワルキュリアが頭上に『?』マークを出して訊くが、トリトーンは薄く笑ってうなずいて言った。


「なるほど、確かに最終的な目標が陛下だということはあり得るな」


 そしてトリトーンは、オゴタイに向かって言う。


「だが陛下は『終末竜アンティマトル』を倒した英雄。そして側にはロザリア様がいらっしゃる。相手が何を狙っているか知らんが、陛下を狙っているとしたらロスタムを攫うというのは大変な失策だな」


 オゴタイは片眉を上げる独特のしぐさでそれを肯定し、首を振って言った。


「やれやれ、この件がボクが思っているようなことであれば、そう心配しないでもいいとは思うけれどね?」


「何、オゴタイ。陛下を狙った場合以外に何か相手の狙いがあるの? 教えてよ」


 ワルキュリアが言うが、オゴタイはウザったく伸びた前髪に右手の小指を絡ませながら、流し目でワルキュリアを見て言った。


「ゴメン、まだボクも確証を得ていない。だからしばらくはロスタムがどこぞの地隙に落っこちている前提で捜索してもらった方がいい。そのうちに動きがあるだろう」


   ★ ★ ★ ★ ★


「……ここは、どこだ?」


 ロスタムは、夢からさめたような顔をして辺りを見回すとそうつぶやく。

 自分は母上のためにシカの群れを追いかけていたが、突然目の前が暗くなり、続いて気持ちが悪くなるほどの浮揚感と、引きずり落とされるような感覚で思わず目をつぶってしまった……そして目を上げるとここにいた。体感ではほんの一瞬だった。


 けれど、辺りはすでに暗くなっていた。自分があのシカを追い始めたのが閏8点半(午後3時)を少し回ったころだった。しかし今は月もない夜で、星が一面に輝き、虫の声がやかましいほど響いている。どう考えても3点(午前0時)くらいだろう。


 周りを見ても何も見えない。見えないが、闇に慣れた目で見透かしてみると、ぼんやりと丘の形は分かるので、どうやら自分は『星拾いの丘』の反対側に来ているらしいと目星を付けることができた。


(歩いて帰れぬこともない。しかし、これだけ暗いと下手に動かぬ方がいいかもしれん)


 ロスタムはそう考えると、つがえたままにしていた矢をえびらに戻し、弓を肩に担いだ。万が一の魔物襲撃に備えて、両手を開けたのだ。


 その時、ロスタムの背後の草むらががさッと音を立てて揺れる。ロスタムは剣に手をかけて横っ飛びに跳びながら、


「誰だっ!」


 と誰何した。すると草むらから、銀色の髪を長く伸ばした女性が出てきて訊き返す。


「それはこちらのセリフです。ここに何をしに来られたのですか?」


 ロスタムは、その女性を見て思わず棒立ちになった。


 女性は、身長が165センチくらい。青い色の戦袍せんぽうを着て、腰には反りのある長さ80センチ程度の剣をいていた。

 女性の髪は肩を越えるくらいの長さで、ロスタムと同じ銀色だった。そして切れ長の目に見える瞳も、彼と同色の翠だった。


 年の頃はちょっと目には20代後半か、多く見積もっても30代後半と言ったところだった。整った顔立ちで、目の覚めるような美人であったが、惜しむらくは左の額から右の頬にかけて、肉色になったとはいえ目立つ刀傷がついていた。


 彼女は、優しい、けれど凛としたものが籠っている声で再び訊いた。


「ここに何をしに来られたのですか? この辺りは私の所有地、勝手に入ってもらっては困ります」


 その言葉にハッとしたロスタムは、女性の左手が剣の鞘にかかっているのを知って慌てて答えた。剣には自信があったロスタムだったが、なぜかこの時はこの女性に勝てる気がしなかった。


「はい、僕はロスタム・ジュエル。父と共に狩りをしていましたが、シカの群れを追っているうちに道に迷ったようです」


 するとその女性は、不意を打たれたように目を丸くして口元を両手で覆った。そして少し瞳を潤ませ


「そう、ロスタム殿ですか。ザールは元気そうですね?」


 そうロスタムに聞こえぬくらいの声でつぶやくと、


「道に迷ったのであればお困りでしょう。わが家にご案内しますので、夜が明けるまでゆっくりしていってください」


 そう言うと、くるりと踵を返し、さっさと歩きだす。

 ロスタムは、不思議とその後ろ姿に懐かしささえ覚えながら、女性の後について行った。



 女性の家は、『風採りの小径』が『星拾いの丘』に分岐する地点の近く、ちょうど狩りの本陣からは反対側にあった。こんもりと茂った林の中に建てられた一軒家で、そんなに大きくはなかった。


 間取りは、南側にある玄関から入るとすぐ家の奥に向かう通路となる。そして右手に曲がってドアを押すと、目の前には厨房があった。


 厨房は仕切られておらず、右手に広がる空間がこの女性の生活空間らしい。入って来たドアとは反対側の隅に風呂があり、ドアの左手にはトイレが作られていた。


 要するに、ロスタムが戦士としてこの家を見た場合、突入しにくく、そして相手は逃げやすい造りになっていることを見て取ったのだ。


(このお方は何者だ? この間取りといい、僕に放った殺気といい、ただの女性ではない)


 部屋に通されたロスタムは、女性が茶を入れる間に周りを観察する。南側の壁にはベッドが置いてあるが、そこで寝た形跡はない。ベッドに続いて机と椅子、そして壁には長さ1・8メートルほどの手槍とチェインメイル、そして革鎧がかけてあった。


(あの手槍は変わっているな。凄い穂先の長さだ)


 ロスタムは、その穂先が60センチ程度もあるのを見て目を丸くする。そして、続いて幼い時に聞いた話を思い出して、


(いや、あれは吟遊詩人ミンネジンガーたちが父上の武勲を彩るために創った話だ。6英傑の筆頭たるホルン陛下はお亡くなりになったはずだし、『蒼炎の魔竜騎士ドラグーン』なんて実際にいるはずがない)


 そう、苦笑と共に首を振った。


「何か、おかしなことでもありましたか?」


 女性がそう言いながらティーカップを持ってくる。そしてロスタムの目の前でそれを注いで言った。


「熱い紅茶は身体を温めます。どうぞ冷めないうちに。お砂糖とミルクは要りますか?」


「い、いえ。このままストレートで結構です」


 ロスタムが言うのに、女性は軽くうなずいて言った。


「そうでしょうね。ストレートはロザリアの好みですからね?」


 それを聞いてロスタムはびっくりする。母たる王妃を呼び捨てにするこの女性は何者なのだろうかと。


 仮にホルン陛下がご存命だとしても、母のロザリアが45歳の今、ホルンも50歳になっているはずである。母は魔族であるため見た目は自分と同年代に見えるほど若々しい。


 けれどホルン陛下は父と同じドラゴニュート氏族で人間である。父と同様、年相応の見た目になっているはずではないのか?


「あの……ここに一人でお住まいですか?」


 おずおずと訊くロスタムに、女性は笑ってうなずく。


「寂しくないのですか?」


 そう訊くロスタムに、女性は一つうなずくと答えた。


「寂しい時もあるわ。けれど、この里の皆さんはとても優しい。私がここにいることを誰にも、そう、ザールにも言わないでいてくれる……ここが私のついの棲家なの」


 その言葉で、ロスタムは確信した。そしてその確信を女性にぶつけた。


「あなたは、ホルン・ジュエル様……そう言って悪ければホルン・ファランドール様ですね? この国の前の女王で、『蒼炎の魔竜騎士ドラグーン』と呼ばれていた」


 すると女性は、薄く笑いながら首を振り、


「そうであったかもしれないし、そんなことは今ではどうでもいいことよ」


 そう、不思議な笑いと共に言った。


「なぜ、女王という立場を捨てたんです? 父上とうまくいかなかったからですか?」


 ロスタムが訊くと、ホルンは困ったような顔をしていたが、やがて口を開いた。


「ただ、それが運命だった……それだけよ。私とザールが結ばれないことは『終末の預言書』で預言されていた。私は運命に従っただけなの」


「……僕はまだ、人を好きになったことがないからよく分かりませんが……それでよかったってお思いですか?」


 ロスタムのこの問いには、ホルンは長い間答えなかった。何かを思い出すような目をしながら、ゆっくりと紅茶を飲み、やがてティーカップが空になったころ、やっとホルンはポツリと言った。


「よかった……少なくとも、後悔はしていないわ」


「そうですか……」


 ロスタムも言葉少なく答える。そして、冷たくなった紅茶を一気にあおって訊いた。


「最後に訊かせてください。あなたは父を……ザール・ジュエルを愛していたんですよね?」


 するとホルンは、にっこりと笑って答えた。その笑顔と声は、ロスタムの脳裏と耳朶に死ぬまで残ることになる。


「ええ、そうよ」


 そしてホルンは、優しい目でロスタムを見つめて続けた。


「あなたのお父様は、『すべての種族がお互いに尊重し合い、認め合える世界』を創るために尽力された……そして今も尽力されています。

 この世界は、あらゆるものが互いに影響を及ぼし合い、均衡が取れているのです。人種や種族、信条や立場で根本から相手のことを否定するのは馬鹿げたことですし、その報いはいつか自分自身に返ってきます。

 あなたはザールの後を継いでこの国を指導していく立場に立つ身です。お父様のご苦労を想い、今私が言ったことを忘れないでください」


 ロスタムは、まるで母から言われているかのように素直にその言葉が心に染みていくのを感じていた。ロザリアからも同じことは幾度となく言われたことではあるのだが、なぜかホルンが言うとすんなりと心の中に納まっていくのが不思議だった。


 ホルンは、顔をうつむけて自分の言葉を聞いているロスタムを見つめていた。そして、


「あなたは、まだエレメントが開いていないのですね?」


 そう訊く。ロスタムはハッと顔を上げて、


「そうですが……私も父や母のような『魔力の揺らぎ』が発現するのでしょうか? もう私は22歳です。魔力とは縁のないものだと思っていましたが」


 そう言う。ホルンは微笑んだまま首を振って、


「人間には誰しも『魔力の揺らぎ』を発動するエレメントは眠っています。それが発現するかしないかの違いだけで、年齢は関係ありません。私の額に触ってごらんなさい」


 と、銀色の前髪をかき上げた。そこには鈍く光る『ドラゴンの鱗』があった。

 おっかなびっくりしているロスタムに、ホルンは柔らかい声で


「心配要りません。これは私が若い頃、シュバルツドラゴンの長、グリン様からいただいた力です。あなたのエレメント覚醒にも効果があるでしょう」


 そう言う。ロスタムはうなずいて恐る恐る手を伸ばし、指先で『ドラゴンの鱗』に触れた。


「うっ!」

 バチィッ!


 その途端、ロスタムは身体中に電撃が走ったような痛みを感じて呻いたが、その痛みはすぐに消え去り、続いて身体の中から湧き上がるような力を感じて、驚いた顔でホルンを見る。

 ホルンはうなずくと立ち上がり、壁にかけてあった手槍を手に取ると言った。


「あなたのエレメントは『風』でした。これからその力を使いこなせるようにならねばなりません。外に出ましょうか」



 外はいつの間にか朝の光が木々の間から差し込んでいた。まだ辺りは暗く、うすく靄がかかっていたが、しっとりとした冷気を含んだ空気は清々しくロスタムの身体を包む。


「では参りましょう」


 ロスタムとホルンは10ヤードほど離れて向かい合う。ホルンの構えはすでに50歳を迎えた者とは思えないほどの気迫に満ちていた。


(これが、終末竜と戦ったお方の本気か……)


 ロスタムは、たとえ相手が女性でも、そして老境に差し掛かっていても、全力で抗わねばならない相手だと感じた。


「参りますっ!」

 ビュンッ!


 ロスタムは電光のような斬撃を放つが、ホルンは右足を引くことで軽く躱し、逆にロスタムの剣が通り過ぎた刹那、右足を逆に踏み出しながら鋭い逆袈裟で斬り上げて来た。


「やっ!」

 ヒョンッ!

「くっ!」


 ロスタムは間一髪でそれをかわしたはずだったが、


 ドムッ!

「ぐっ!?」


 ホルンの『魔力の揺らぎ』を込めた斬撃は、ロスタムの身体を易々と吹き飛ばした。


「な、何だ? 今のは……」


 無様に地面に転がったロスタムがそうつぶやいていると、


「隙があるわよ」

 ビョンッ!

「はっ!」


 ホルンが突いてきたため、ロスタムは横に転がって突きを避け、パッと起き上がる。


「まだエレメントを使いこなしていないわよっ!」

 ヒュンッ!

「くっ」


 構える前にホルンの斬撃が襲い掛かって来た。ロスタムは先の経験を忘れずに、跳び下がることで斬撃と『魔力の揺らぎ』の直撃を避ける。


(くそっ、僕だって『白髪の英傑』の息子だ、このままずるずると負けるわけにはいかない)


 ロスタムがそう思って斬りかかろうとした時、隙ができたのだろう、


「そこよっ!」


 ホルンの『死の槍』がロスタムの心臓目がけて突き進んできた。

 それは、目にも止まらぬほどの速さだった。ホルンの掛け声の刹那の先には、自分の死がある……ロスタムがそう直感するほどの速さだった。


 けれど、その時ロスタムの身体を緑青色の『魔力の揺らぎ』が覆い、


「くっ!」

 ジャリンッ!


 ロスタムの剣は、『死の槍』を弾き飛ばした。


「そこだっ!」

 シュパッ!

「くっ」


 ロスタムの一閃は、ホルンの左手にためた『魔力の揺らぎ』に止められていた。


 ホルンは、不意にニコリとして


「見事です。これであなたは、魔戦士としても一流になりました」


 そう言うと自ら指呼の間から外れ、『死の槍』に鞘をかけた。


「……凄い人ですね、ホルン・ファランドール様は……」


 ロスタムは心の底からそう感じてつぶやく。まだ剣は抜身のまま右手に持っていた。がっちりと握りすぎて、指が離れなかったのだ。


 するとホルンは、ゆっくりと歩いてきてロスタムの右手を包み込むように握る。あちらこちらに大小の傷があったが、暖かく、そして柔らかい手だった。


「緊張しすぎです。もっと心を伸びやかにしていれば、あなたは私に勝てていました。私も歳を取ったものですね」


 するとロスタムの手から力が抜ける。


 剣を鞘に納めたロスタムに、ホルンは自ら佩いていた剣を外して言った。


「あなたの門出に、この剣を贈りましょう。これは私が用心棒に戻った時に手に入れたもので、ダイシン帝国のさらに東、とある島国で鍛えられた神剣です。あなたはこれを持つに相応しいと思うわ」


 ロスタムは慌てて首を振る。


「いえ、これだけお世話になったうえ、そんな大事な剣をいただくわけには……」


「では、あなたの剣と交換してください。その剣はザールが佩いていたものだと思います。私にその剣を譲っていただけないかしら?」


 ホルンがそう言うと、ロスタムは少し考えてうなずいた。


「分かりました。あなたは命の恩人以上のお方です。お言葉に甘えて、剣を交換させていただきます」


 ホルンは、ロスタムから剣を受け取ると、一度剣をひしっと抱きしめてから自らの腰に佩いた。まるでこれからザールと一緒にいられることを喜んでいるように。


 ロスタムは、ホルンから譲られた剣を佩き、それを抜いて顔の前に立ててみた。普通の剣とは違い、片刃でゆるく弧を描くように湾曲した奇妙な作りだったが、青く澄んだ地鉄に白く鋭い刃がつき、刃と地鉄の間にはキラキラと輝く粒子が流れるように浮かんでいる。美しい、けれど異形の剣だった。


「美しい……」


 ロスタムが言うと、ホルンはちょうど森の上から顔をのぞかせた太陽に照らされながら、笑って言った。


「さあ、ザールの所にお帰りなさい。もう日が昇ったから大丈夫よ。そして、私とこの場所のことは、ザールには話さないでおいてくださいね?」


 ロスタムは剣を納めると不思議そうに訊いた。


「どうしてですか? 父上もきっとホルン様には会いたいはずです。ホルン様だってそうでしょう?」


「……私は運命の導きを待っているだけです。運命によって私はザールと出会い、そして別れた……この先私とザールが出会うかどうかは、運命の導きだけが知っています。

 それなしで出会うことは、預言を無視すること……つまり始原竜プロトバハムート様の意図をないがしろにすることです。私にはそんなことはできませんし、ザールもそのことは重々承知のはず……。

 大丈夫です、私には今はこの剣があります。あなたのおかげです、ロスタム」


 そう笑ったホルンの顔は、朝日に照らされてまるで女神ホルンのようだったと、後年ロスタムは語っている。


「分かりました。僕としては不本意ですが、それが父とあなたが選ばれた運命であるとしたら、僕なんかが干渉できませんから……いつの日か、父とあなたの運命が再び交差することを祈っています」


 ロスタムがそう言った途端、目の前が暗くなり、気が付いた時にはロスタムは『星拾いの丘』の麓に立っていた。



「……というわけだ。君たちに心配かけてすまなかった。でもこの話は僕たちだけの秘密にしておいてくれ。それが『蒼炎の魔竜騎士ドラグーン』と呼ばれたお方の願いでもあるからね」


 ドラゴニュートバードに戻った後、ロスタムはオゴタイやワルキュリア、そしてトリトーンに自分が体験した出来事を話し、最後にそう言った。


「分かったよ、ロスタム。非常に興味深い話であったし、ボクもそのお方と会ってみたいという気持ちはあるが、ハイエルフの誇りにかけて秘密にすることを誓うよ」


 オゴタイがそう言うと、ワルキュリアもトリトーンも、それぞれの種族の誇りにかけて秘密にすることを誓う。


 けれど聡いオゴタイは、なぜロスタムが消えたのか、そしてホルンという人物と出会ったのか、その隠された秘密に薄々気付いていた。


(ふむ……その理由は分からないが、おそらくロスタムをホルン様に会わせたかった人がいらっしゃるんだろうな……例えば、()()()()とか……)

「……が、確証はない、か……」


 オゴタイのつぶやきをワルキュリアが耳ざとく聞いて、


「なになに? 一人でぶつぶつつぶやいてキモイわね。何の確証がないの?」


 そう言ってきたが、オゴタイは笑って答えた。


「何でもないよ。ロスタムにとっていい出来事だったはずだが、その確証はないって思っただけさ」



 一方ザールは、ロスタムから彼の体験を聞いたものの、


「親切なお方に一晩ご厄介になり、『魔力の揺らぎ』も体得させていただきました。そのお方のご所望で記念にと剣を交換しました。父上からいただいた大切な剣を手放したことは深く反省していますが、そのお方ももう旅に出られたため、どうしようもございません。お許しください」


 そう言われて、


「……とにかく、そなたが無事でよかった。魔力が覚醒したことは祝うべきことであるし、剣のことについては不問にするぞ」


 そう、寛大な言葉をかけた。


 部屋に戻ったザールに、ロザリアが優しい顔で訊く。


「よく寛大なお言葉をかけていただきました。私もロスタムの母としてお礼申し上げます」


 するとザールは、ポツリとつぶやいた。


「いや、ロスタムが出会ったという人物は恐らくホルンだろう。ホルンが元気でいることが分かっただけでいい」


「……どうしてそう思われるのですか?」


 ロザリアが訊くと、ザールはロザリアに笑って


「話に聞いた槍の法だ。あの話が本当だとしたら、それはホルンの槍の法以外の何物でもない。それに『ドラゴンの鱗』もそうだ」


 そう答えた。


「陛下はホルン様とお会いしたいのでしょう? なぜ居場所をあの子に訊かなかったのですか?」


 ロザリアが不思議そうな顔で、しかし心配と嫉妬が籠った声で訊くと、ザールは優しい笑みを浮かべて答えた。


「そなたがいるのに、ホルンと会ってもよいのか?

 ロスタムは相手はもう旅に出ていると言った。恐らくホルンから口止めされているに違いない。ロスタムの約束を反故にしないためにも、彼の話をそのまま信じた方がお互いのためにもいい……そう思っただけだ」


 するとロザリアは、ザールに近寄るとその胸に頭をもたれさせて言った。


「そこまでのご配慮、私は嬉しく思いまする。運命の導きがあれば、陛下とホルン様との再会はかなうでしょう」


 ザールは、ロザリアの髪を優しくなでながら、ため息と共に答えた。


「運命か……そうだな……だが()()()は来ない気がしてならない。ジュチとももう会えない気がしている。抗うことを止めたら、心は平穏になった。余は今後も運命を受け止めよう、ホルンがそうであったように」



「やはり、あなたのおかげでしたか。ロザリア」


 ホルンは、自分の家の前に立つ、12・3歳の少女にそう言って笑いかけた。


 少女は、クスリと笑うという。


「こちらこそ礼を言わねばならないと思いましたので、こうやって参上した次第じゃ。ロスタムのエレメントの覚醒、ありがとうございました」


 するとホルンは、首を振って答える。その様はロザリアたちと共に戦っていたあの日のままの、清楚で、しかしどこかにかげがある、美しいたたずまいだった。


「ロスタムとザールが元気でいたことが知れて、私こそいい時間を過ごしました。それにロザリア、あなたにもずっと秘密を守っていただいていることを感謝します」


「ザール様は、あなたとはもう会える気がしないとおっしゃっておったが……」


 ロザリアが言うと、ホルンは翠の瞳を細めて首をかしげ、


「はい、私もそう思います。運命の導きを待っていますが、()()()は摂理の時にしか来ないのではと思います」


 そうキッパリと言った。


「ホルン様も陛下と会いたいじゃろう? 陛下とてそんな気持ちは隠しきれぬ。私は見ていて辛い……だから私も幸せには酔えなんだ」


 悲愴な顔をして言うロザリアに、ホルンは困ったような顔で言った。


「ザールも困った人、『来る人がいれば去る人がいるのは世の習い』……そう言っていたのは他ならぬザールなのに。

 ロザリアも私のことは気にしなくていいのよ? 私には、あなたには悪いけれど、彼との思い出があるから……」


 そう言いながら、銀色の髪に光る金の髪留めとザールの剣に触れる。


「私の役割は、大きな災厄を乗り越えること。ザールの役割は人々を導き、『すべての種族がお互いに尊重し合う世界』を創ること。それは私の夢でもありました。私たちの夢をザールと共に追いかけられるのはロザリア、あなたしかいないのよ? 私の影に振り回されないで、摂理の時までザールを信じてあげて」


 ホルンの静かな言葉に、ロザリアは紫紺の瞳を持つ眼からポロポロとしずくを垂らす。そして気持ちが落ち着いたのか、ぐいと涙を袖で払って、笑って言った。


「……そうじゃな、姫様の言うとおりじゃ。私は私の信じる道を行くだけじゃ。ザール様と共に、()()()が来るまでな?」


 そして、万感の気持ちを込めた瞳をホルンに当てると、


「私も、もうここには来るまい……姫様の平安を乱さないように。お元気で、姫様」


 そう言うと消えて行った。


 ホルンは、ロザリアが消えた空間をずっと見つめていたが、やがて深いため息と共につぶやいた。


「……摂理の時、か……それまで私は何を思い、何を待つのかしら」


 そんなホルンの側を、一羽の鳥がサッとかすめて飛んで行った。その鳥は蒼穹の空に消えたが、ホルンはその空をいつまでも見つめていた。


   ★ ★ ★ ★ ★


 宇宙の歴史から見れば、人間が暮らしてきた時間はほんの瞬きするほどの刹那の時間でしかない。


 けれど、その瞬間的な輝きの中で、一人の人間がどのように喜怒哀楽を繰り返し、悩み、苦しみ、そして運命に抗い、あるいは運命に流されて生きていったか、余はここからすべてを見ていた。

 みな一様に愛憎の中で戦いを繰り返し、あるいは仲間と共に喜びを分かち合い、そして避けられぬ別れに涙していた。


 あれから何度ノイエスバハムートとしての存在を見送っただろうか。彼は、時には彼女は、自らの運命を受け入れて力の限り戦った。そしてその度に、終末竜アンティマトルを倒し、この世界の歴史を紡いできたのだ。


 それら人間たちもすでに滅び、星々も冷え切ってしまって久しい。余は世界樹ユグドラシルを守って悠久ともいうべき時を過ごしてきたが、その中で一瞬の幻を見ていたような気がする。


 宇宙は、死に向かっている。世界樹の葉は次々と落ち、その度に星々は輝きを滅していった。『生まれ来るものは死にく』……これは余が自らにもまた課した摂理でもある。余にもまた摂理が訪れようとしているだけであり、そのことは別に嘆くに値しない。


 しかし、間違えないでほしいのは、余は決して人間たちの営為が無駄であったとは思っていないということだ。


 余も含めて、この世界に存在するものには、それぞれ定められた時間がある。許された時の中で精いっぱいに生き、明日を今日より良くしようと努力する姿は、そのことだけでも賞賛に値し、そして尊かったと思っている。


 中でも、ホルンという名を与えられた存在は、いつの時代でも青い『魔力の揺らぎ』を揺らめかせて摂理のために戦った異能者ヴァリアントだった。この『青き炎の異能者ヴァリアント』たちは、摂理の執行者であり、体現者でもあったのだ。



 さて、余が伝えたかったことはすべて伝えた。


 今まで、余の長い長い話に付き合ってくれて感謝する。そなたたちの宇宙はこの宇宙とは違って、まだまだ先は長い。


 その長い時間の中で、余の話をたまには思い出してくれたらありがたい。そなたたちの宇宙に、悠久の王国……それはそなたたち自身が創り上げる世界でもある……が現出し、すべての種族がお互いに尊重し合い、認め合う世界が実現することを祈ってやまない。


 余はまた眠るとしよう。

 こことは違う宇宙で、余の知っている者たちが追いかけ続けた夢が現実となる世界があることを信じながら……。


(サイドストーリー・悠久の王国 完)

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

一旦、『エピローグ 英雄の惜別』で幕を下ろした本作ですが、書き足りなかった部分を『サイドストーリー』としてお送りしてきました。

本当に、本作を読んでいただいた皆様には感謝しかありません。

全70話を書き上げましたが、まだまだ説明不足の点や書き足して行くところがあります。こまめに改訂して、更にいい作品に仕上げていきたいと思っています。

ホルンを主人公にした次回作、『青き炎の魔竜騎士ドラグーン』も執筆にかかっていますが、まだ物語の構成を完全に決定できていませんので、5・6話書き上げるまでお待ちください。

しばらくは『HAMMURABI〜死神はどこへ往く』をメインに、ちょっとした作品を不定期に投稿することになりそうです。

これからもよろしくお願いいたします。

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