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鷹と一緒に異世界転生!〜相棒任せの異世界大冒険〜  作者: 貝人
第一章 出会いと絆
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第6話 小さなプライド

 ドラゴンの肉でバーベキュー、ドラゴンはめちゃくちゃ美味い。A5ランクかそれ以上の味だ。漫画によくある様なお肉の食べ方にもチャレンジした、骨付き肉最高! 香ばしい匂いと旨味で、よだれが止まらない!


 肉は美味いし、ドラゴンの牙や爪は武器になる。鱗や骨や皮は防具に加工出来るが、おいそれと表に出せないらしい。

 何故ならドラゴンの素材を狙われ、所有者の命まで狙われる可能性があるらしい。

 ドラゴンの素材はアイテムボックスの中に死蔵(しぞう)だな、命を狙われたくないし。


「ドラゴン美味え! 蘭もそう思うよな? 俺は……あの時何も出来なかったけど」


 レイ先生を護る、肉壁位にはなれたかな?


「ヨーイチ……。普通はドラゴンを見たら、逃げるか命を諦めるかの2択よ。何も出来なくて当たり前よ。個体によるけどドラゴンは単独で魔王と戦えるって言われてるのよ?」


 レイ先生は、俺を優しく諭してくれていたんだが、どうにも気になる単語がある。


「魔王!? 魔王っているの? 魔王がいるなら勇者は?」


「今はいないはずよ。因みに魔王は先代の勇者が倒してから、100年間現れていません。アスベルク王国は勇者の子孫と言われています。真偽はわからないけど……。王家は勇者の名を今でも受け継いでいます。現国王はアスベル・オダと名乗っているわ」


 おだ? オダ? 織田?


「織田⁉︎ え? 信長⁉︎」


「洋一、多分信長じゃないと思う。100年前なら信長はいないでしょ」


 蘭が呆れている、だけど異世界なんだから時空が歪んだりしてないのかな


「ヨーイチ、そのノブナガとはどんな人なの?」


 レイ先生が信長に興味津々だ。異世界人にも興味を持たれるとはすげーな信長。


「あー第六天魔王、魔王だよ」


「えっヨーイチの世界にも魔王がいたの!? 」


 ありゃ? びっくりしてるな。説明がうまくできないんだよなあ。


「洋一、それじゃ本物の魔王だって誤解しちゃうよ。第六天魔王と呼ばれた事もあるけど、信長は人間で名のある武将だよ。異国文化を取り入れたりして、色々と伝説を残した人かな」


 蘭ナイスフォロー! いいねボタンがあったら連打しちゃうな!


「歴戦の将かあ。ヨーイチ、話す時はちゃんと説明しないとダメよ? 私みたいに 誤解しちゃうからね?」


 おうふ。レイ先生に可愛く注意された。一々仕草が可愛すぎる。


「ヨーイチのステータスってどんな感じなの? 良かったら見せてくれない?」


 スッステータス!? やばいこれはまずい流れ、どうにか切り替えないと!


「えっ? ス、ス、ステータスは家出したんじゃなかったかな? 確か実家に帰りますって書き置きがあったような」


 挙動不審になってしまう。


「ステータスが実家に帰るって、ヨーイチのステータスなんだからヨーイチが実家でしょ。ステータス見せたくないの?」


 うっレイ先生の曇りない瞳が……眩し過ぎる。

 

 これは正直に言うしかないか。


「俺、話した通り貧弱だから、そのレイ先生ガッカリするんじゃないかなあって。こんなに教えたのに成長してないじゃない! この豚が! 的な」


「豚なんて言わないから、大丈夫だからね? 見せてみて?」


 レイ先生は、俺の頭を撫でながら優しく話してくれる。仕方ない覚悟を決めよう。


「蘭お願い、見せてあげて」


「洋一本当に良いんだね?」


 蘭も俺の弱い、ステータスを見せるのは微妙な心境だろうなあ。


「うん、良いよ。これもまた現実だし」


柊洋一

12歳

職業 引きこもりの豚野郎


「待て待て待てえええ! 職業引きこもりって確かにここに引きこもってるけど豚野郎って何だよ! むきいー! 馬鹿にしやがって! 無職はどこ行った? せめて狩人とか、ゴブリンキラーとかさ!」


 豚野郎って、俺は太ってないぞ!


「私引きこもりって職業初めて見た」


 レイ先生が初めて見た職業に感動してるけど、そこじゃない! そこじゃないんだ! ステータスに馬鹿にされてるのが問題なの!


称号ーー

レベル5

体力40

魔力 0

攻撃力20

防御15

素早さ20

運500

スキルーー


「うおお!! レベル5になってる、だけどスピードは同年代の女子に勝てない、男子には防御力で負けるからもっと勝てない、NOおおおお!! やはり魔力は0かあ。魔力無いって話だしなあ」


「魔力が0? 0なんて事あるのかしら。うーん」


 むむむむレイ先生に失望されてしまう! 秘技話題チェンジだ!


「レイ先生のステータスは?」


♦︎

レイ•コウーラル

20歳

職業 精魔剣士《せいまけんし》

称号 風鳴りの狩人 《かざなりのかりびと》

レベル 36

体力 300

魔力 600

攻撃力 150

防御力 100

素早さ 300

運 30


スキル

精霊魔法・火魔法初級・風魔法上級・水魔法初級・生活魔法

スラッシュ・ブレイジングアロー・レインアロー

隠密中級・気配察知中級・罠検知初級


加護

世界樹の加護


「強っ!? 運以外ステータス高すぎ! スキルも魔法もいっぱいでカッコいいなあ」


「そうなのよ……運だけは上がらないのよね。どんなに強くなってもね」


 レイ先生からどよーんとした暗い空気が流れ出す。


「まっまあ、運しかない俺より全然いいよ! 加護も無いしスキルも無いし魔力も無い。やる気だけしかありません! 」


 そう考えると俺、弱過ぎる……だが負けんぞ! 異世界の荒波に俺は負けない!


「洋一は、やる気と根性だけは人一倍あるもんね。やると決めたら絶対諦めないし、かなりしつこいし」


「蘭、しつこいんじゃなくて粘り強いの! 俺は負けず嫌いなんだよ」


 拗ねて体育座りをする。


「まあ……そう言う事にしとくよ。レイわかったでしょ? 洋一の体力じゃ街に辿り着く前に力つきちゃうのよ。私がスキルを使えば簡単なんだけどね。洋一は納得しないから」


 当たり前だぞ、冒険は自分の足で歩くのが基本だからな。


「俺は男だからさ、歩くなら自分の足で! 冒険するなら自分の足で! それに蘭を護るのは俺の役目だからね!」


 これだけは絶対に譲れない、ちっぽけだが俺の小さなプライド。


「この調子だからね」


 蘭が苦笑いをしている。


「蘭ちゃんも苦労するわね。ヨーイチは前しか見てないみたいね、それもある種の才能よ。人は自分より優れた人を認められなかったり、妬んだりするわ。でもヨーイチは前しか見てないからそれも無いのね。ふふ、変わってるわね」


 ふふふと笑うレイ先生の笑顔は、可愛すぎて俺は思わず見惚れてしまう。


「洋一は、基本的に素直で真っ直ぐだしマイナス思考じゃないし、バカでスケベだし、負けず嫌いだからね」


「あれれれ? 蘭、今は俺を褒めるターンじゃないの? バカでスケベは完全に余計だよ? 褒めれば伸びる子だよ?」


  バカはまだ良いけど、スケベな事はレイ先生に言わなくても良いんじゃないかな?


「あはは! 2人共面白すぎ。あれ? だから私の胸で変な笑い方を」


 ばっと胸を隠しジト目を向けてくる、あながち誤解じゃないから反論しにくい!


「あっあれはそのほら、女の人に抱きしめられて邪悪なオッさんが心に現れたと言うかあのその」


 しどろもどろになってしまった。だってでかいんだもの! 美人だし! みちゃうよ!


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