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鷹と一緒に異世界転生!〜相棒任せの異世界大冒険〜  作者: 貝人
第四章 獣王の統べる国
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第79話 ゴリラパニック!


 責任? 責任とは? この医療行為には、責任なんて物は存在しないはず。俺の今の肉体年齢では、結婚なんてできやしないしな。何歳から結婚できるかしらないけど。


「責任って、なんの?」


「ワッチの尻を撫でたのじゃ!」


「ケイナさんの尻も撫でたけど?」


 顔を真っ赤にし、布団の裾を掴みジタバタするアーレイ。蘭はフーシェンと、なにやら密談中か、後でなんの話か聞こっと。


『アーレイってば、可愛いー!』


 リュイはアーレイを気に入ったのか、アーレイの周りを高速で旋回してる。目が回らないのかな? 俺なら吐くな。


「かっ可愛いじゃと!?  ワッチは妖狐の王なのじゃ! 無礼なのじゃ!」


 顔を真っ赤にして、俯いちゃってるよ、可愛いな。アーレイは、リュイの声が聞こえてるんだな、精霊系のスキルがあるのかな?


「精霊も粗チンも、皆んな意地悪なのじゃ!」


 プリプリと怒るアーレイを見ていると、娘がいるってこんな感じかなあ。ほっこりするわ。ロリコンじゃないけど、アーレイ可愛いわあ。


「おーい! ヨーイチ君、いるのかーい?」


 外からケルトさんの声がする。


「んお? ケルトさんの声だ。ちょっと行ってくらー」


『アタチも行くー』


 リュイと2人で、鳥居の前に行くとケルトさんがいた。なにやら焦っている感じだな。


「良かった! まだいてくれて、ケイナの件なんだけど……」


 ゲェッ⁉︎ やばい、やっぱり姫様の尻を生で撫でたのは不味かったのか? いやでも気持ちよかったけど、医療行為だし。


 俺的には、気持ちよかったからありがとうございますなんだけど。


「あっあれは治療であって、けっけして、あの不敬罪に問われる様な、あのその」


「不敬罪? あはは、そんな事になる訳ないでしょ。そもそも、ケイナは寝てたから、覚えてないしね。僕とケイナの兄でもある国王が、直々に御礼を言いに来たんだよ」


「ふぇ!?」


 あっやべ、変な声が出た。国王って、まじかよ。首チョンパフラグじゃん。


「だけど君達がまだこの国にいるのかわからないから、フーシェン様に居場所を聞きにきたって訳さ」


『外にいる、強面が王様?』


 しかも王様強面なのかよ! 会いたくねえ!


「強面、うーんそうだね、獣人属の血が兄は濃いからねえ。人間からしたら迫力はあるかもね」


「出来れば、会わない方向でお願いします」


 俺はペコリと頭を下げる。丁重にお引き取りを願おう。


「ワテクシ、お坊ちゃんのお客様を連れてきました!」


 フーシェン!!! この馬鹿狐があああ! 


「ウホッ! ウホッウホホウホッ!」


 二足歩行で、服を着たゴリラがドラミングしながら近づいてくる。


 ※ドラミングとはゴリラが興奮したり緊張したりしたとき、後肢で立ち上がり、大声を発し、両腕で胸をたたいて音を出す行動です。


「おわっなんか説明が入ったぞ! 緊張してるって事かな?」


「ウホッウホホウホッウホホウホッウホホ!」


 なにを言ってるのか、全くわからない。ケルトさんはわかっているのかな?


「なにを言ってるんだろう? 怒ってるのかな?」


 アレ首を傾げてるぞ? まさかのケルトさん全く分かってない? これ通訳必要なんじゃないの?


『おもしーろい! ウホウホ言ってる!』


 リュイはからかいモードなのか、通訳してくれないし。


「あっすすまない。緊張してしまったウホッ。緊張する余り、獅子猿族の訛りが出てしまったウホッ。私がアバドンのウホホウホッウホッウホホです」


「いやあの訛りで、途中からウホホしか聞こえませんでした」


 あああ! またドラミングを始めた! わからない、獅子猿族が全くわからない! 獅子なのか、猿なのか、どっちかにしてくれ!


「あっああ。また訛りが、失礼! 私の名前はウホニア・ライゼと申します。いつもは座ってるだけで、大臣とかが勝手に喋るから……私は台本を作る係な者でウホッ!」


「者でウホッと言われてもなあ……。そんなんで大丈夫なの? 式典とかあんじゃないの?」


「ああ、それはこの録音用の珠に声を予め吹き込んでいるんだよ! 凄いだろ! あがり症の私でも、問題ないウホッ!」


 この人馬鹿なんだか、凄いんだかよくわからないぞ。しかもウホッって……まだ緊張取れないのかよ。ツッコムとドラミングしそうだから、言わないけど。


「あの、ウホニアさんはなにしに来たんですか?」


「あっああ! ウホッウホホ……じゃなくて新しい神殿と神獣様にご挨拶と、ケイナを救ってくれた君に御礼を」


「ここの神獣って、ウホニアさんを案内して来た、そこのフーシェンなんだけど」


 俺の言葉に驚き、ウホニアさんが見事なジャンピング土下座を決めた。


「ウホッ! ウホホ! ウホー! ウホッホホッホ!」


「ウホニアさん、訛り訛り」


「あっあああ。すっすみません! 神獣様とはつゆ知らずご案内をさせてしまい! 本当に申し訳ございません!」


 ウホニアさん、面白いな。


「(洋一、この人がアバドンの王様なの?)」


「ウホニアさん、因みにうちの蘭も神獣だよ」


「ひいあああああ!! すみませんすみません! 祟らないでえええ! ウホッホホー!!!」


 やばい! ウホニアさんのリアクションが、めちゃくちゃ面白い。ジャンピング土下座って初めて見た。


「ワテクシはどうしたら……」


 フーシェンも困ってる。あっアーレイが出てきた。


「ワッチが妖狐族の次期王、アーレイ・ディエルマであーる!」


「ひえええ! ウホー! って妖狐族!?」


「ワッチがそうじゃ!」


 ん? ウホニアさんが凄い難しい顔をしてるな。妖狐族って気軽に明かして良いのか? 確かケルトさんも知らない種族なんだよな?


「そしてこの粗チンが、我が伴侶じゃ!」


 アーレイは、とんでもねえ爆弾を投げやがった

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